●国際情勢に関する件
連日の衆議院外務委員会では、福島4区の小熊慎司委員(立憲民主党)並びに東京3区の松原仁委員(無所属)の「立憲民主党・無所属」会派が上川陽子外務大臣に攻撃を加えている。5月31日、先週金曜日の外務委員会では、小熊委員は「こんなに原稿棒読みしかしない外務大臣は初めてだ」とブチ切れて質疑を終わらせていた。
なにしろ自分の言葉で語らず、外務省の官僚の書いた文章を読み上げるだけで、政治家として失格である。とりわけ外交というのは、行政そのものが政治である。松原委員も「自分の言葉で語ってください」と再三注文をつけるがそれに応じようとはしない。ただ、松原氏も自分が大臣の時は官僚の書いた原稿棒読みの人であった。責任がなくなると言いたい放題であるのも否めない。
まず問題とされているのは、
中国の薛剣駐大阪総領事が台湾総統就任式に出席した国会議員に抗議 書簡の全文
である。
この一連のやりとりの中で、「日本が中国分裂を企てる戦車に縛られてしまえば、日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と中国の呉江浩駐日大使が二度も発言していることにある。
これに対して上川外相は抗議するくらいの弱い外交姿勢をしたことから反発を招いている。
昨日は、
中国駐日大使 “台湾独立加担 日本民衆火の中に” 外務省抗議 | NHK | 外務省
で抗議をしたようだが、中国側にとってみれば屁でもないだろう。
上川外相の政治姿勢は、なるべく緊張を高めないように平和裡に解決したいようだが、その今までの結果は、アメリカにも中国にもいいようにやられているばかりである。この人がなぜ次期首相候補に名前が挙がってくるのだろうといつも疑問に思う。
松原仁氏「内政干渉だ」上川外相「全容把握せず」 中国総領事が訪台国会議員に書簡で抗議(産経新聞) - Yahoo ...
松原氏は「完全に恫喝(どうかつ)だ。日本の国会議員に対し、台湾と接触するな、往来するなと言っている。内政干渉ではないか」と指摘した。
中国の在外公館関係者を巡り、問題視される発言が相次いでいる。呉江浩駐日大使は20日、東京都内の中国大使館での座談会で日本と台湾の関係について中国の分裂に加担すれば「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と発言。昨年4月の着任会見でも同様の発言をしており、それぞれ日本側は中国に抗議した。
松原氏は「総領事は恫喝を日本の国会議員に加える。大使は一般の日本人を火の中に連れ込むといっている。やり過ぎではないか」と述べ「遺憾だ、遺憾だと言うのではなく、行動する外交を期待している」と外交上の「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)として呉氏らを追放すべきだと指摘した。
上川氏は「ご指摘の点も含め、今後の対応について予断を持って答えることは控える」と述べるにとどめた。(奥原慎平)
外務省は31日、中国の呉江浩駐日大使の台湾情勢に関する発言を巡り、岡野正敬事務次官が呉氏に直接抗議したと明らかにした。同省幹部が衆院外務委員会で、教育無償化を実現する会の徳永久志氏の質問に答えた。具体的なやりとりについては説明を避けた。
呉氏は20日、台湾の頼清徳総統の就任式に日本の国会議員が出席したことに関し、日本が「中国分裂」の企てに関与すれば「日本の民衆は火の中に連れ込まれるだろう」と発言。林芳正官房長官は22日の記者会見で「極めて不適切だ。直ちに厳重な抗議を行った」と述べていた。