【公正編】ブラジルとの刑事共助条約で考える死刑制度 | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

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5月17日の衆議院外務委員会ではブラジルとの条約について審査された。

 

ブラジルの漢字表記は「伯剌西爾」であるので、「日伯刑事共助条約」と呼んでもよい。

 

なお、昨日は池袋東口の伯爵でコーヒーを飲んだ。伯爵と名前をつけたのはブラジルコーヒーに由来しているかどうかは定かではないが、とにかくこの伯爵の店の上階で私が不動産屋をやったことがあることだけは事実である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●刑事に関する共助に関する日本国とブラジル連邦共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件(213国会条8)

 

国境を越えた犯罪が増えている。日本で犯罪をなした後、自国に帰国逃亡する案件が多い。この犯人引き渡しの条約については、日本は韓国とアメリカとしか結んでいない。

 

日本と韓国が結んでいるということは、先の竹島上陸については犯人引き渡しの請求ができるということである。

 

もちろん、それを日本政府はしようとはしないわけだ。韓国国会議員とて、韓国の国民なのであるから、不法入国した韓国人に対して犯人引き渡しの要求をすべきであろう。その後、松原委員は日本と中国の間の土地購入についての相互主義に基づく検討をすべきではないかとしたが、上川外相もやる気なしとみえる。外務大臣や総理大臣が変わらない限り、これについてはなかなか実現されないかもしれないが、韓国や中国に強硬とされている安倍晋三内閣においても中国人土地問題や日韓関係の明確な取り決め、これについては実現していない。

 

統一教会問題を知らないかのようにして、安倍晋三元首相を絶賛する右派について私は疑問を持っている。彼の系譜をたどれば、日韓の関係について韓国に容赦する姿勢があることを忘れてはならない。荒井広幸師も安倍絶賛だったが、ある程度は理解するものの、全面的に安倍氏を支持できないと私は思っている。話がそれるからここではそれは置いておく。

 

条約がなくても犯人引き渡しなどはなされるが、迅速に行うためにも条約が結ばれることとなっている。今回の条約はブラジルであるが、これまでに米国、韓国、中国、香港、欧州連合、ロシア、ベトナムとの間において刑事共助条約を締結している。

 

刑事共助条約(協定)は、捜査共助の実施を条約上の義務とすることで捜査共助の一層確実な実施を期すとともに、捜査共助の実施のための連絡を外交当局間ではなく、条約が指定する中央当局間で直接行うことにより、手続の効率化・迅速化を図るものである。

>刑事に関する共助に関する日本国とアメリカ合衆国との間の条約(外務省ウェブサイト)
>刑事に関する共助に関する日本国と大韓民国との間の条約(外務省ウェブサイト)
>刑事に関する共助に関する日本国と中華人民共和国との間の条約(外務省ウェブサイト)
>刑事に関する共助に関する日本国と中華人民共和国香港特別行政区との間の協定(外務省ウェブサイト)
>刑事に関する共助に関する日本国と欧州連合との間の協定(外務省ウェブサイト)
>刑事に関する共助に関する日本国とロシア連邦との間の条約(外務省ウェブサイト)
>日・ベトナム刑事共助条約の署名(外務省ウェブサイト)

 

つまり、犯人引き渡しについては米国と韓国としか結んでいないが、刑事共助条約は八か国と結んでいる。

 

国際的な組織犯罪は多国間条約で諸外国の協力をもらえることとなっている。

 

犯人引き渡し条約の相手国が二か国しかないというのが、国際的には極めて異例である。

 

この要因として、小熊慎司委員は、日本には死刑制度があるからではないかと指摘した。このため、カルロス・ゴーン被告についても日本政府は収監できない状況にある。上川外相は、引き渡しの拒否事由が設けられることもあるので、死刑制度が必ずしも弊害とはなっていないと述べた。

 

上川外相は、法務大臣経験者でもあるが、この死刑制度にはあまり発言がない。上川陽子法務大臣時代にはオウム真理教の死刑囚の執行時期があって16人が死刑執行されている。鳩山邦夫法務大臣の13人を越えて、今のところ最多死刑執行人数となっているようだ。このように考えると、ハト派であるとか、リベラルであるとか、平和を唱えたり、温厚な政治姿勢を持つ政治家のときほど冷血な執行がなされる。むしろタカ派である政治家が主導するときほど戦争などが起きない。そして災害などの危機管理には早急に対応する。ハト派ほど、危機管理におたおたして、事前準備能力が乏しい政治家がこれまでにたくさんいた。海部俊樹、村山富市、菅直人などである。村山内閣のときには自民党との連立政権でなんとかなったし、海部内閣においても結局は自民党タカ派のいるせいけんであったから一応の体裁は整えることはできたが、菅直人内閣においては最悪の事態を及ぼした。

 

それはさておき、日本には死刑制度があるために、外交上の不利益があると米国政府からも言われている。日豪円滑化協定の交渉も死刑存置国であるために交渉は止まったこともある。

 

 

●スタン・クッチャー上院議員及びテリー・シーアン下院議員を共同団長とするカナダ連邦議会議員団一行本会議傍聴につき紹介

で、カナダの国会議員が来た際にも、日本に死刑制度があることをカナダ議員たちは「嘘でしょ、知らなかった」と驚いていたと小熊委員は言っていた。死刑制度がいまだにある国というのは、文明の遅れた国であるとの認識があるのに日本がそんなレベルにあるのかとみられているようである。上川外相は、死刑制度についてはそれぞれの国が独自に決定すべきものであるとの認識であった。

 

鈴木庸介(立憲民主党)委員からは、2020年のブラジル人による母子刺殺事件である。

 

娘の前で母殺害と検察 ブラジル人夫殺人罪で起訴

堺市東区の集合住宅で昨年8月、母子が刺殺された事件で、ブラジル連邦検察は15日、母子に対する殺人罪などでブラジル国籍の夫バルボサ・アンデルソン・ロブソン容疑者(34)を起訴した。バルボサ被告が、母親を娘の前で先に殺害したなどの罪状も公表した。

日本の警察当局から提供された情報を基にした検察の起訴資料によると、被告は昨年8月21日、堺市の自宅で朝食中に妻荒牧愛美さん=当時(29)=を長女リリィちゃん=同(3)=の面前で複数回刃物で刺して殺害、その後逃亡するためにリリィちゃんも刺殺した。

動機については、荒牧さんが被告の暴力的な言動を理由に離婚を望み、被告が離婚により日本に滞在できるビザを失うことを恐れたためだと指摘した。

 

この事件で容疑者はブラジルに逃亡した。警察庁は国際手配をして翌年三月にブラジルのサンパウロ警察が逮捕した。犯人は現地で仕事に就いていたという。ブラジルに逃げた後はほぼ自由な状態で生活をしていたということになる。

 

今回の条約を締結することにより、現場レベルの捜査員にとってはどれだけ捜査がしやすくなるのかについての質問がなされた。警察庁組織犯罪対策部長は、迅速・効果的になるとした。

 

以下の記事はいずれも静岡県でブラジル人が事件を起こして、ブラジルに逃亡した事例である。

 

信号無視で車衝突し2歳女児死亡、6日後にブラジルへ帰国の ...

 

ひき逃げの日系人起訴/ブラジル検察、代理処罰へ

 

強盗殺人、死亡事故……=罪犯し帰伯するデカセギ=年々増加

2005年12月21日(水). 【既報関連】ブラジルは安全な逃亡先?――。 ... 店内にあった指紋がレストランの駐車場にあった容疑者の車と一致、強盗殺人容疑で逮捕状を請求 ...

 

静岡県内のブラジル人のネットワークでは、「犯罪をしたら帰国すれば済む」との情報が流れているのではないか。

 

なぜみんなブラジルに逃げるのか? 逃げやすいのか?

 

ところが、来日ブラジル人の犯罪というのは年々減少傾向にある。かつてはブラジル人の犯罪が多かった。今は減っているのに、なぜ今更の条約なのかとの疑問が鈴木委員から上がっていた。締結に、なぜこれだけ長い時間がかかったのか。2007年から交渉しているのに、一向に進まなかった。受刑者移送条約の交渉が先にあったからだと外務省は述べている。

 

 

以下、条約の内容。ブラジルはポルトガル語を使用するために、

葡文とはポルトガル語のことである。ちなみにブラジル以外の中南米はすべてスペインである。