【ケア編】オーストリアとの社会保障協定で思う政治進展のなさ | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

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5月17日 (金)の衆議院外務委員会での条約審査。他に日独ACSA、ブラジルとの刑事共助条約、クロアチアとの航空条約の四本をいっぺんに審査に出してきたので、小熊慎司委員(福島4区選出、次回は新福島3区)よりやや弱めの異議が出されたが、特段の異論はなかった。

 

オーストリアとの協定は英語とドイツ語の両方の文で書かれる。

 

●社会保障に関する日本国とオーストリア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件(213国会条7)

 

 

オーストリアには災害保険という制度があり、日本にはない。このように異なる制度同士の国が社会保障協定を結ぶにはどのような交渉になるのかについて鈴木庸介委員より質疑があった。オーストリア側からするとオーストリアの制度すべてを対象とすることとしており、日本との互いの類似制を通じて交渉を行うと答弁していた。

すでに23か国と社会保障協定を結んでいるが、対象国の選定は五つの点がある。

1. 社会保障の水準

2. 進出日系企業の数

3. 経済界からの要望

4. 相手国との二国間関係

5. 相手国との社会保障制度の類似

 

日本では社会保険は労使折半であり、それをしているのはドイツくらいで、他の国のほとんどは、全額使用者が負担している。オーストリアの年金制度の保険料率は22.8%で、雇用主が12.55%で被保険者が10.255%とのこと。

 

例えば、オーストリアに1年程度の勤務滞在で日本に帰国する予定だったのが、引き続き仕事が増えたりなんだりして、5年を超える勤務になった場合などの想定外には社会保険はどうなるのかという質問があった。欧州局長によれば、5年を経過したのちは、オーストリア政府の制度に加入することとなる。ただし、必要と認められる場合には我が国の制度にのみ加入できるという調整が可能とのこと。

 

社会保障制度の状況は国によりさまざまで、国によって外国人は強制加入になっておらず、年金保険料等の支払いが求められない場合もあるが、外国人への年金制度等への加入は義務付けられていて、支払いを求められる国も多くある。今回の協定締結国であるオーストリアを含めて、すでに社会保障協定を締結済みの国々の場合では、支払い義務がある。

 

中華民国たる台湾では、老年年金に対する制度のうち、国民年金制度への加入は強制ではない。このため二重負担の問題は生じない。ただし、労働者に対する年金の制度については、外国人も適用対象となっており、日本企業や在留邦人も保険料を負担することとなっている。

 

これは相互主義の観点から見直していくべきなのであるが、日中平和友好条約によって、台湾と外交は結べないので交渉ができないこととなっている。

こういうところにも台湾派には不満があるわけだ。

 

この協定は全会一致で承認すべきものとされた。

 

社会保障協定はいつも全会一致でいけるので、それはそれでいいことなのであるが、今回提出されている日独ACSAのような軍事モノは、共産党・れいわ新選組がまず反対して、軍事的なものはたまに賛成するもののたいがい反対するのが立憲民主党だ。あまりに度がすぎると国民民主党が反対することもあり、維新の場合は憲法9条・軍事的イデオロギーうんぬんよりも金銭勘定で割りに合わないときに反対する。それはまあゼニ勘定で生きる大阪人らしい。

 

それがバターンであるのだが、共産党・れいわは、かつての共産党・沖縄社会大衆党であり、立憲はかつての社会党であり、維新・国民はかつての民社党のような採決をしている。

 

実はこの30年、いろいろと政治改革だの、冷戦構造の崩壊だのと言っているが、なにも進歩していないということだ。