4月25日の憲法審査会について
日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(日本国憲法及び憲法改正国民投票法の改正を巡る諸問題)
で、述べたが明日は憲法記念日であるので、ここで詳細にその議論を追うこととした。
各会派より、発言者は以下の通りであった。
説明・質疑者等(発言順): |
所要時間 |
森英介(憲法審査会会長) |
01分 |
寺田稔(自由民主党・無所属の会) |
08分 |
逢坂誠二(立憲民主党・無所属) |
06分 |
小野泰輔(日本維新の会・教育無償化を実現する会) |
07分 |
北側一雄(公明党) |
10分 |
赤嶺政賢(日本共産党) |
07分 |
玉木雄一郎(国民民主党・無所属クラブ) |
07分 |
北神圭朗(有志の会) |
07分 |
森英介(憲法審査会会長) |
01分 |
山田賢司(自由民主党・無所属の会) |
06分 |
牧義夫(立憲民主党・無所属) |
07分 |
岩谷良平(日本維新の会・教育無償化を実現する会) |
03分 |
中谷元(自由民主党・無所属の会) |
01分 |
岩谷良平(日本維新の会・教育無償化を実現する会) |
01分 |
逢坂誠二(立憲民主党・無所属) |
02分 |
河西宏一(公明党) |
05分 |
山下貴司(自由民主党・無所属の会) |
06分 |
道下大樹(立憲民主党・無所属) |
06分 |
玉木雄一郎(国民民主党・無所属クラブ) |
02分 |
中谷元(自由民主党・無所属の会) |
04分 |
ここでは一人一人できるだけ、そこでの意見を調査してみたい。
【寺田稔 幹事(自由民主党)】
憲法改正をするためには、まず両院議長が発議の準備をして、次に国民投票をするための広報活動を行うこととなっていることについての意見であった。広報協議会の仕組みは以下の通り。
国民投票広報協議会
憲法改正の発議があったときは、当該発議に係る憲法改正案の国民に対する広報に関する事務を行うため、国会に、各議院においてその議員の中から選任された同数の委員(各10人)で組織する国民投票広報協議会(以下「協議会」という。)が設けられます。
協議会は、国民投票公報の原稿の作成、投票所内の投票記載場所等において掲示する憲法改正案の要旨の作成、憲法改正案の広報のための放送及び新聞広告その他憲法改正案の広報に関する事務を行います。
となっているが、未だこの協議会は設置には至っていないことを寺田幹事は指摘した。
また次の三つが問題に残っていると発言した。
1 国民投票の賛否を呼び掛けるための広告の規制
広告のための資金量の多寡がコマーシャル活動費に影響して、一方的な情報のみが与えられる懸念がある。そのために資金の上限の制限強化を求める意見がある。一方で国民投票は公職選挙法の適用がないために自由にせよという意見もあるが、個人としては上限を設けず自由にしたらよいと述べた。CMについても自主規制の取り組みによってなされればよいとした。
2 フェイクニュース対策
有力な対策としてファクトチェックをするという意見があるが、他方でそれは権力への表現の自由に対しての介入であるという意見もあることから、ファクトチェック自体は民間に任せるべきとした。
3 広報協議会の予算・人事面の強化
一方的な情報にならないよう、事務局の組織・規模について定める必要がある。また広報に関する予算規模についても十分な議論が必要である。広報協議会の権限や役割について今国会中に決めておく必要があるとした。
保岡興治元憲法調査会長に習い、十分な議論をしていくべきだと最後に述べたが、保岡氏の名前の読み方を「こうじ」と言っていたが、正しくは「おきはる」である。
寺田氏からは三つの問題が提起されたが、あとの二つは問題ないとして、最初の問題は引っかかるだろう。
自由民主党は大企業から多額の政治資金を献金としてもらっており、その資金力は政党の中でナンバーワンである。資本家・経営者の自民党、労働者・生活者の立憲民主党だとすると、お金の力vs人数の力で拮抗していれば良いけれども、圧倒的にお金の力が自民党に与える影響の方がはるかに強い。
よく立憲民主党や国民民主党は労働組合の政党だと言われるけれども、その実態はなんら組織としてガッチリしたものでもなく、また政治思想も左翼的な思考を持っているのはごく一部の幹部らだけであって、自民党とは到底その組織力は釣り合ってはいない。そこでパワーバランスが違うのは明らかである。
よって広報活動への資金については上限を設けるべきなのではないかと思う。なぜ自民党は弱気なのかと疑ってしまう。条文にもよるけれども憲法改正には賛成している国民は多い。とくに9条の問題においては戦力を保持しないとしていながら自衛隊が存在している今の矛盾は解消すべきだという意見は野党にもあるわけであって、資金の上限など制限されたところで勝ち誇る自信をもって臨んだらどうなのかと思う。