自衛隊レーダーの電波障害をなくすための風力発電への処置 | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

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風力発電設備の設置等による電波の伝搬障害を回避し電波を用いた自衛隊等の円滑かつ安全な活動を確保するための措置に関する法律案(213国会閣37)

概要、 要綱、 法律案・理由、 参照条文

 

この法案が出た背景には、

○ 政府として2050年までに脱炭素社会を目指すとされている中で、エネルギー源としての風力発電の導入は、今後拡大する見込み

○ 他方、多数林立する風力発電設備は、洋上を監視する自衛隊のレーダー等や人工衛星と地上局との間で行われる無線通信に障害を及ぼすおそれ

がある。

 

 

法律案の概要は、

○ 防衛大臣が告示で指定する陸上区域において、風力発電設備を設置する者は、防衛大臣に届出【第3条・第4条】

○ 自衛隊等の使用する電波の伝搬に障害を及ぼす場合、設置者と最大2年間協議(協議が調った時点で工事可能。2年を経過した場合も同様)【第7条・第8条】

○ 防衛大臣及び経済産業大臣は、本法の施行に関し相互に協力する旨を規定【第11条】※ 協議期間中に工事を行ったとき等における罰則を規定【第14条~第17条】

 

風力発電ならばエネルギーだから経済産業省、電波の伝播障害ならば総務省、自衛隊なら防衛省なのだが、国防のために自衛隊基地を優先することからか防衛大臣からの提出となった。

しかし法律の下敷きは電波法のようである。

 

許可制ではなく届出制であるのは、自然エネルギーの活用として風力発電が促進されることと米軍基地への配慮とのことを防衛省は説明していた。

 

電波法と別の法律として新法にしている意味についてだが、自衛隊や米軍の発するレーダーであるから別にしているとのことだが、その説明ではよくわからない。

 

風力発電所を設置するにあたって、自衛隊基地が近い場合には届出をするとのことだが、近年の外国資本、とくに中国による日本国内の土地買い漁りについてどう対処するのか質問があったが、詳細については省令で定めるとのこと危機感はないようだ。であるならば、国会の側で修正案を出して、風力発電を建てるにあたり、その企業はどういう資本であるのかを明確にするような内容を盛り込むべきだろう。

 

風力発電の風車があると、自衛隊が使用するレーダーに干渉するとのことであるが、英国においてはこの技術開発を進めようとしている。

 

洋上風力発電のレーダー干渉に関しイギリスで技術的な対策を ...

防衛省によると、風車の羽根の部分が自衛隊のレーダーサイトから発せられる電波を乱反射させるため、有事の際に敵の航空機やミサイルの接近を探知しにくくなるとのことであり、風車の高さによっては100キロ先のレーダー探知能力に影響が出かねないことが明らかになっているという。

 

NPO国際環境経済研究所によれば、

洋上風力発電のレーダー干渉に関しイギリスで技術的な対策を ...

 2023年1月27日、イギリスの国防・安全保障アクセラレータ(The Defence and Security Accelerator;DASA)ならびにビジネス・エネルギー・産業戦略省(Department for Business, Energy and Industrial Strategy; BEIS)が共同でウェビナーを開催。以下、3点における技術的な開発について公募を行う予定を明らかにした。

 

①風車の影響を緩和することができるような代替レーダー

②風車のタービンから跳ね返るレーダーシグナルを削減するようなステルス素材

③上空を監視するための代替システム

 

 イギリスはこれまで、2030年までの洋上風力の導入目標を段階的に引き上げてきた。2019年3月の洋上風力産業政策(Offshore Wind Sector Deal)では30GWの目標だったのが、2019年6月の2050年ネットゼロの法制化を経て、2020年11月の気候変動対策に係る新政策「The Ten Point Plan for a Green Industrial Revolution」では40GWの目標に上方修正された。さらに2022年2月にウクライナ情勢勃発後、2022年4月のエネルギー安全保障戦略(British Energy Security Strategy)では50GWに目標が引き上げられている。

 

 一方で、イギリス政府の試算によると、こうして2030年までの導入目標とした50GWのうち、約32GWを発電する風車において何らかのレーダー対策が必要となる見込みだという。

 

とのことであるから、日本も技術開発を進めることが大事なのではないか。

 

この法案は18日の衆議院安全保障委員会で質疑がなされ、討論では日本共産党がいつものようにこれすら軍拡で憲法違反だとして反対し、19日の本会議で賛成多数により可決した。