国会同意人事が火曜日の衆議院本会議で同意がなされ、参議院に付託された。
議案名は、毎度「国家公務員任命につき同意を求めるの件」とされている。
なぜ国会に人事案が付されるかというと、
「一定の独立性、中立性が求められる機関の構成員の任命について、各機関の根拠法に基づき、内閣が両議院の事前の同意又は事後の承認を求める」
とされているのだが、
そもそも国会議員というのは、ある種の党派性をもち、特有の政治主張をもっている。その議員の総合が国会をなしているわけで、いわば偏屈者の集団であるわけだ。
だから独立性や中立性を求める組織のメンバーをこんなところに諮ってもらおうということ自体おかしいのだが、これが間接民主主義の制度だとされる。
「行政は中立でなければならない」と言われるが、政治というものはそもそも中立ではない。中立ではない政治家を多数の形成によって内閣総理大臣や都道府県知事・市町村長がやっている。
小中高校などで政治を教える時には政治的中立性に配慮しなければならないという教育がなされている。それがゆえ、踏み込んだ内容を教えないので、政治的無関心を生んでいるのではないかと思う。こういう意見もあるし、その逆の意見もあるということを学んでもらうべきなのではないか。
したがって、所詮政治家に公正中立を求めるのは土台無理な話だというのを国民は理解しなければならないが、自分の意見に合わない政治家を糾弾したりする。
人間はさまざまな人がおり、そうした中で社会があるということを知るべきではなかろうか。
以下は今回の人事に関する同意で、与党が了承しているのでまずくつがえることはなく同意される。すなわち、自民党政権の時は自民党寄りの、民主党政権の時は民主党寄りの人事がなされてきたわけだ。
【同意人事の対象となる組織】
●人事官を決めるもの
人事院
●委員を決めるもの
国家公務員倫理審査会
食品安全委員会
衆議院議員選挙区画定審議会
国地方係争処理委員会
公害等調整委員会
労働保険審査会
運輸審議会
原子力規制委員会
●公益委員を決めるもの
中央社会保険医療協議会
中央労働委員会公益
人事官、国家公務員倫理審査会委員、食品安全委員会委員、衆議院議員選挙区画定審議会委員、国地方係争処理委員会委員、公害等調整委員会委員、労働保険審査会委員、中央社会保険医療協議会公益委員、中央労働委員会公益委員、運輸審議会委員及び原子力規制委員会委員任命につき同意を求めるの件
以下、赤字であるのは全会一致によって同意された人事。同じ組織で別になっているのは賛成・反対した議員が違うことを指す。以下、敬称略。
●人事官
土生栄二
●食品安全委員会委員
浅野 哲
祖父江友孝
●衆議院議員選挙区画定審議会委員
加藤淳子
宍戸常寿
高橋 滋
●国地方係争処理委員会委員
菊池洋一
辻 琢也
小高 咲
勢一智子
山田俊雄
●原子力規制委員会委員
山岡耕春
●国家公務員倫理審査会委員
岩井康子
●食品安全委員会委員
頭金正博
小島登貴子
杉山久仁子
●衆議院議員選挙区画定審議会委員
品田 裕
飯島淳子
●中央労働委員会公益委員
安西明子
●食品安全委員会委員
高原和紀
●原子力規制委員会委員
長崎晋也
●衆議院議員選挙区画定審議会委員
林崎 理
●衆議院議員選挙区画定審議会委員
谷口尚子
●公害等調整委員会委員
北窓隆子
●労働保険審査会委員
植木敬介
●社会保険医療協議会公益委員
永瀬伸子
●運輸審議会委員
白石敏男