財務省予算案の審議 | 国政報告 おおさか佳巨 福島県[県中]の生活

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2月22日の衆議院予算委員会の第三分科会は、法務省、外務省、財務省の三つであります。

 

第三分科会では、麻生財務大臣、金田法務大臣、岸田外務大臣、薗浦外務副大臣、大塚財務副大臣、木原財務副大臣、井野法務大臣政 務官、横畠内閣法制局長官及び政府参考人に対し質疑を行いました。

 

まずは財務省からの審議。

 

麻生太郎財務大臣より財務省の予算案説明がありました。言い間違いは訂正済み。

財務省 平成29年度歳入歳出予算

●麻生太郎 財務大臣

一般会計歳入予算額は、97兆4547億円余となっております。

 

 その内訳について申し上げます。

▽租税及び印紙収入は57兆7120億円、

▽その他収入は5兆3729億円余、

▽公債金は34兆3698億円

となっております。

 

 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、25兆7304億円余となっております。

 

 このうち主な事項につきまして申し上げますと、

▽国債費は23兆5284億円余、

▽復興事業費等東日本大震災復興特別会計へ繰り入れは5710億円、

▽予備費は3500億円

となっております。

 

 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。

 

 国債整理基金特別会計におきましては、歳入歳出いずれも196兆6415億円余となっております。

 

 このほか、地震再保険等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等をごらんいただければと存じます。

 

 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。

 

 株式会社日本政策金融公庫国民一般向け業務におきましては、収入1609億円余、支出952億円余となっております。

 

 このほか、同公庫の農林水産業者向け業務等の各業務及び沖縄振興開発金融公庫等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。

 

 

●村井英樹委員(自民)

・ここ 20 年にわたり、家計の所得は下降しているが、税と社会保障費による負担は逆進性が高まっている点について財務省の見解を伺いたい。

▽木原稔 財務副大臣

村井委員から、税と保険料負担の逆進性という問題意識がある、そういう御質問でございますが、確かに重要な視点だというふうに考えておりまして、私どもとしましても、そういった逆進性を排除するように是正する方向で常に配慮を行っているところであります。その結果として、今の日本の税と社会保障制度全体としては、逆進的とまでは言えないというふうに考えているところです。

 

 まず、我が国の基礎年金、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険については、社会保険制度の費用の半額は税金、公費で賄われており、これらに加入することで、所得がなく、あるいは所得が低く、税金を負担していない、あるいは少額の負担にとどまる、そういう場合でも各種の給付を受けることができるようになっているところです。

 

 さらに、所得税について言えば、昭和六十年代以降、税率構造について大幅な累進緩和が行われた時期がありました。再分配機能が低下した中で、近年ですが、最高税率を引き上げました、御承知のとおり四〇%から四五%に。そういった対応を行っているところです。

 

 そして、消費税についても、いわゆる逆進性を有している面があることは、これは否定しませんけれども、税率引き上げの増収分は、社会保障の充実、またその安定化というものに充てられて、国民健康保険料の軽減等の低所得者対策というものを行っているほか、軽減税率制度によって逆進性を緩和することができると考えております。

 

 政府といたしましては、今回の平成二十九年度予算において、保育士、介護人材等の処遇改善や、また教育負担の軽減等、若者への投資を拡大するとともに、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジである働き方改革の中で、同一労働同一賃金を実現し、正規と非正規の労働者の格差を埋めることで若者が将来に明るい希望を持てるようにしたい、そのように考えております。

 

 

 

・所得再分配は主に高齢者に向けた政策によって行われており、現役世帯には再分配機能が働いていないのではないか。

▽木原稔 財務副大臣

所得再分配についての御指摘でございましたが、格差の固定化を防止するという観点から、これは重要だというふうに考えております。

 

 再分配といいますと、その規模ではなくて、再分配の結果、どうなっているか、格差の状況というものをよく見る必要があるな、そのように考えているところです。この点で申し上げますと、現役世帯の所得再分配の状況について、OECDの統計によれば、日本の社会保障と税による再分配後のジニ係数ですけれども、ここに着目すれば、OECD平均と同水準にあるものと承知しているところです。

 

 他方で、平成二十七年に取りまとめられた政府税制調査会の論点整理において、若い世代や子育て世帯に光を当てていくことが重要との観点から、所得再分配機能の重要性が高まっていることが指摘されているように、また、委員が先ほど御指摘されたように、再分配機能の確保が重要というのはそのとおりだというふうに考えております。

 

 こうした中で、再分配機能の確保のために、これまでに、所得税及び相続税の最高税率について平成二十七年からの引き上げ、先ほど申し上げました所得税四〇%から四五%、相続税は五〇から五五%にということ、そして金融所得課税については平成二十六年からの見直し、これは一〇%から二〇%というところでございます。また、児童扶養手当の機能の拡充等の一人親家庭への支援や子ども・子育て支援の強化などを、これまで随時行ってきたところであります。

 

 まずは、こうした措置の影響を、社会全体にどう波及していくか、その影響を見きわめる必要があると考えておりまして、税、社会保障制度については、所得再分配機能のあり方を含めて、引き続き丁寧に検証しながら検討してまいりたいと思っております。

 

 

・非正規雇用者の平均収入である年収 170 万円程度の所得階層に対し、税や社会保障の負担軽減策が十分に行き届いていないのではないか。

▽木原稔 財務副大臣

年収170万円程度の非正規労働者と一口に言っても、就業の目的であったり、扶養者がいるかどうかとか、そういうものに応じて、置かれている環境はさまざまであり、また必要な支援や内容、程度もそれぞれ異なるというふうに考えておりますが、その上で、低所得者向けの施策としては、税や社会保障料の軽減措置といった優遇措置だけでなくて、例えば、キャリアアップをさらに目指す方を念頭に置いた非正規から正社員への転換などを行う事業主へのキャリアアップ助成金の拡充であるとか、また、子育て中の方を念頭に置いた保育の受け皿整備を初めとする子育て支援の拡充、そういった、低所得者が置かれている環境に応じた政策支援もあるわけであります。

 

 我々財政当局といたしましては、国民一人一人の実情にきめ細かな配慮を行いつつ、実効性のある支援策が講じられることが重要だと考えておりまして、今後とも厚労省など関係省庁とよく相談しながら取り組んでまいりたいと思っております。

 

 

 

 

●神田憲次委員(自民)

・所得税改革について、今後のスケジュール感、改革の内容及び改革後の姿を伺いたい。

▽大塚拓財務副大臣

今般の税制改正、昨年、与党でずっと議論しております際、当初、夫婦控除の話、政務官のころからずっと議論があることだと思います。夫婦控除というようなこともあったわけですけれども、結局、最終的な形としては、配偶者控除の基準額の見直しという形になっているところであるわけでございますけれども、就業調整をめぐるいろいろな課題に対応する、こういう観点で、そういう議論がなされたところであるわけでございます。

 

103万円の壁というのは実際にはないという御指摘もありましたけれども、私どももそう思っております。ただ、103万円というのは一つの基準になってしまっている、民間、後ほど御質問があるということですけれども、そういう側面もあるというふうにも思いまして、この103万円の壁というのはもう明確にないという状況をつくったわけでございますけれども、その上で、今後、数年かけて個人所得課税改革に取り組んでいくということとしているわけでございます。

 

具体的には、29年度の与党税制改正大綱において、所得再分配機能の回復の観点から、基礎控除など人的控除等における控除方式の見直し、多様な働き方を踏まえた所得の種類に応じた控除と人的控除のあり方の見直し、老後の生活に備えるための自助努力を支援するための私的年金、金融所得等にかかわる税制の見直しなどの改革の方向性が示されているわけでございます。

 

 最終的な見直しが全部終わった後の姿ということでございますが、これはもうまさにこれから何年かかけて、与党税調とも、いろいろ御指導もいただきながら、財政当局、税務当局としても検討していかなければならないわけでございまして、負担構造のあるべき姿ということを検討していくわけですけれども、まさに家族とか社会のあり方そのものにかかわることでございますので、さまざまな、所得再分配機能でありますとか就業調整、今回の見直しでどの程度改善されるかといったことも踏まえながら検討していくものというふうに考えております。

 

 

・今回の配偶者控除の改革や今後の所得税改革に伴い、企業の配偶者手当の見直しについて働きかけを行っていくことについて、財務省の意向を伺いたい。

▽大塚拓 財務副大臣

103万円という基準自体が、今までの控除の水準自体が壁になっていたというよりも、それをもとに、民間企業の皆様などが社内のさまざまな制度をつくるときの基準にしてきたというところの効果が非常に大きいと思っているわけでございます。

 

 そうした意味で、就業調整を意識しなくて済む仕組みの構築というのは税制だけで達成できないとも思っているわけでございまして、そうしたさまざまな、社会保障制度などもございますけれども、さまざまなものを一つ一つ丁寧に解きほぐしていくことが重要だと考えております。

 

 具体的に、民間企業の配偶者手当につきましては、一月二十五日、経済財政諮問会議におきまして、総理と私どもの麻生大臣から、経済界に対してお願いをさせていただいたところでございまして、それに対して、経団連の榊原会長からも、今回の税制改正を好機として、見直しに向けた検討を早期に広げていきたいという旨の御発言をいただいたところでございます。

 

 このように、官民合わせたというか、このような就業調整の社会的な構造の改革ということがまさに動き始めたわけでございますので、今後も、民間の動向もいろいろ注視をしながら、必要なところはお願いをさせていただきながら取り組んでいきたいというふうに考えております。

 

 

 

・軽減税率のインボイス制度導入により、消費税の免税事業者がそのコストに耐えられず、また取引から排除されるといった懸念が生じているが、どのような配慮を考えているのか。

▽井上裕之 財務省大臣官房審議官

消費税率一〇%の引き上げ、軽減税率の実施が平成三十一年十月になりましたので、御指摘のとおり、その四年後ということで、平成三十五年十月からインボイス制度の導入ということになっております。

 

その具体的な制度設計でございますけれども、法律部分は既に公布されておりますし、政省令事項につきましても、二十八年度の税制改正の大綱において、可能な限り、相当程度明確にさせていただいております。

 

その上で、現在、具体的な政省令事項、具体的には適格請求書の交付義務を免除する取引の詳細でありますとか、事業者の登録制度の詳細等について鋭意検討を進めております。適格請求書等保存方式は、幅広い事業者の方の実務に影響を与えますので、よくお話を聞いて丁寧に検討する必要があると考えております。

 

同時に、今先生がおっしゃいましたように、平成三十一年十月に軽減税率制度のシステム対応等をするわけでございますので、その際に、その後のインボイス制度への対応も済ませたい、要するに二重投資は防ぎたいという御意見もあるということは承知しております。それはごもっともな御指摘だとも思います。

 

我々も、そうした御意見も踏まえながら、また引き続き、丁寧に関係の方のお話も聞いて、余り遅過ぎないようなタイミングできちんと政省令を公布できるように、しっかり作業に取り組んでいきたいと思っております。