岡山県倉敷市に、二千年以上の歴史を有する
神仏混交の霊山、瑜伽山があり、その山の麓に、
磐座(いわくら)信仰をルーツとする厄除けの総本山、由加神社があります。
磐座とは、祭祀のとき、神を迎える依り代のことで、いまも境内地には巨石が祀られています。
本殿裏手にある巨石群
御祭神は、手置帆負(ておきほい)之命・彦狭智(ひこさち)之命。
二神共同でお力を現わしていただきます。
天照大御神が天の岩戸にお隠れになったとき、天御量(あめのみはかり〕を作り、材木を伐採して瑞殿(天照大御神が住まわれる宮殿)を作ったとされることから、大工の祖神、建築や欺罔を司る「匠の神」とされています。
珍しい備前焼の鳥居
また、あわせて
神直日(かむなおび)之神・大直日(おおなおび)之神も祀られています。
この神々は、伊邪那岐之命が、黄泉の国から帰り、穢れを祓う禊(みそぎ)を行なったときにお生まれになった神々です。
同じ時に、黄泉の国の穢れから生まれた八十禍津日(やそまがつひ)之神と大禍津日(おおまがつひ)之神の禍を直すために二神共同でお働きになるとされています。
ここから、厄除けの総本山とされていると考えられます。
表参道から境内地までの厄除け石段
八十禍津日之神と大禍津日之神は、この世に災いや凶事をもたらすとされ、忌み嫌われる神ですが、
災厄があるからこそ、平安のありがたさがわかるように、私たち人間が間違った方向に進んでいるときに、災厄をもたらし、正しい方向に進む手助けをしてくれている神とも言われています。
由加神社本宮
つまり、災厄を司る神々も、正しく祀れば凶事や災難を避けることができるとも考えられています。
この神々は、善神か悪神かで議論がわかれる神々でもあります。
みなさんはどちらだと思われますか?