「転生」 篠田節子著 | 50代からの読書

50代からの読書

子どもの頃から本が好き。若い頃はおもしろいと思えなかった本も今なら感動することもあり、読書を通して自分の変化を感じます。読書の記録を通して、50代の心の一端を残してみます。

 

未知の文化・暮らし・生き方

 

 

主人公はチベット仏教の高僧パンチェン・ラマ十世のミイラ。

このミイラは実在するものらしい。これが息を吹き返して動き出したところから物語となる。

チベットと中国を軸として展開していくので、その方面に全く知識のない私には、理解の及ばないところが多い。

 

ミイラが動き出すという非現実的な設定だし、ミイラのラマのキャラもコミカルに描かれている。

社会構造のような大きな問題を取り上げているけれど、緊張感の中に笑えるドタバタも挟まれる。

私が読んだ篠田節子さんの本は重く真剣な調子が多かったけれど、これはだいぶ明るい方。

特に最後のクライマックスは動きも激しく一気に読み終えた。

 

 

 

 

篠田節子

1955年、東京都生まれ