結果について考察します。
ドル相場&米国株の見通しについても述べます。
Fundalia編集
背景&結果
FRBによる利下げがいつ頃になるのか?注目された雇用統計でしたが、
結果はサプライズと言って良いほど強いデータでした。
これでPCEコアデフレータ、ISM製造業景況指数に続いて米ファンダメンタルが強い証拠がまた揃ったと言えるでしょう。パウエルFRB議長は先日、「直近データは想定内」と述べていましたが、もしかすると考えが変わり始めるかも知れません。
いずれにせよ、FOMC6月利下げ論が後退したのは事実です。
ファンダメンタル分析
非農業部門雇用者数が+30.3万人と、景気後退期とは思えないほど強いデータになっています。失業率も改善(グラフ参照)しました。
つまり、雇用は改善してインフレは持ち直す。利上げ時期の相場観に、随分似てきたように見えてきました。少なくとも、ターミナルレートが長期化(利下げ時期の遅延)は現実味を帯びてきました。これだけ℃のデータも強ければ、仕方がないでしょう。
長期金利(10年債)は、発表後に4.4%を一時的に上抜けています。2年債に至っては4.7%をクリアしました。金利が高止まりするだろうと、機関投資家も考えているのが分かります。ごく僅かですが、利上げ観測も復活しました。
FRBは雇用が強いうちは利下げできないと言っています。
ですから、今夜のデータを見る限り利下げに至る道のりは困難であると、マーケットは改めて認識したようです。
ドル相場への影響
事前考察で、「発表後にドルは売られる」と書きました。ただし「やや強い程度なら」と補足もついています。今夜のデータは利益確定を打ち消すほど、強烈だったと言えるでしょう。明確に強いデータを見て利益確定を保留した投資家も居たはずです。当然の選択でしょう。
現在、経済要因にドル高を止めるものがほとんどありません。
日本の為替介入に、日本の利上げ、中東の地政学リスクあたりがドル高を食い止めるくらいです。雇用統計もドル高を後押ししてしまいました。その意味で、為替介入は現実味を帯びてきたようです。もしあるなら、来週の米CPI後あたりでしょうか。
中期的にドル高が続くでしょう。155円に近づく展開もあり得ます。
ドル高が止まるとするなら、相応に強い材料が投入される必要があります。中東で米軍とイラン軍が砲火を交えたなどニュースが飛び込めば、流れは変わるでしょうが。
記事は以上です。
個人投資家には、ファンダメンタル分析が必要だ!
経済指標を読み解き、活かすスキルが必要だ!