前営業日の米国市場の総括です。
為替を知るには株式市場、長期金利、商品市場の知識が必要になります。
相場の何故?を知ることで、トレードは優位になります。
たとえば米国株が値動きした理由を知る事で、明日のドル相場のヒントが得られるでしょう。
〖項目〗
1. 米長期金利/国債市場
2. 米株式
3. 米原油先物(オイル市況)
4. 米金先物(ゴールド市況)
5. 米為替市場 NY時間の為替概況
※他市場を知っていただきたいため、為替概況は最後に載せています
〔米長期金利/国債市場〕
12日の米国債券相場で長期ゾーンは続落。表面利率4.000%の10年物国債利回りは前営業日比0.05%高い(価格は安い)4.15%で終えた。2月米消費者物価指数(CPI)が予想より強い内容だったことを受けて売りが優勢となった。10年債入札が「低調」と受け止められたことも相場の重し。
【終値】
米2年債利回り:4.5883(+0.0523)
米10年債利回り:4.1488(+0.0506)
米30年債利回り:4.3068(+0.0458)
終値の利回りと上記文章の利回りは異なる場合があります。
〔米株式〕
12日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。終値は前営業日比235.83ドル高の39005.49ドルとなった。2月米消費者物価指数(CPI)が予想より強い内容だったことが分かると米長期金利が上昇。株式の相対的な割高感が意識されて、指数は下げに転じる場面があった。ただ、その後は指標内容の消化が進む中で買いが優勢となり、300ドル超上昇した。市場では「米連邦準備理事会(FRB)が注視している住居費を除くコアCPI(スーパーコア)が前月から鈍化したことが好感された」との指摘があった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、同246.37ポイント高の16265.64で取引を終えた。
〔米原油先物(オイル市況)〕
12日のニューヨーク原油先物相場は4日続落。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)4月限の終値は前営業日比0.37ドル安の1バレル=77.56ドルとなった。2月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことから、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ開始時期が後ずれするとの見方が浮上すると、ドル建てで取引される原油に割高感が出て売られた。
なお、この日発表された石油輸出国機構(OPEC)の月次レポートでは、24年の米国と世界の経済成長見通しをやや引き上げており、このことが原油の下値を支えた。
〔米金先物(ゴールド市況)〕
12日のニューヨーク金先物相場は9営業日ぶりに反落。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる4月限の終値は前営業日比22.5ドル安の1トロイオンス=2166.1ドルとなった。2月米消費者物価指数を受けて米長期金利が上昇すると、金利のつかない金の投資魅力が薄れて売りが優勢となった。
〔為替(ニューヨーク時間)〕
12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は6営業日ぶりに反発。終値は147.68円と前営業日NY終値(146.95円)と比べて73銭程度のドル高水準だった。2月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.4%/前年比3.2%、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.4%/前年比3.8%と予想より強い内容だったことが分かると全般ドル買いが先行し、一時148.12円と日通し高値を付けた。ただ、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.07%台まで低下すると一転ドル売りが優勢となり147.07円付近まで急失速した。
もっとも、米10年債利回りが再び上昇するとドル円にも買いが入り、147円台後半まで持ち直している。米10年債利回りは低調な米10年債入札を受けて、4.17%台まで上昇した。
ユーロドルはほぼ横ばい。終値は1.0927ドルと前営業日NY終値(1.0926ドル)と比べて0.0001ドル程度のユーロ高水準だった。2月米CPIを受けた米長期金利の動向に左右される展開となった。
米CPI発表直後に1.0904ドルまで値を下げたものの、その後は急速に持ち直し1.0944ドルと日通し高値を更新。ただ、前日の高値1.0953ドルが目先レジスタンスとして働くと失速した。米指標結果の消化が進む中で米長期金利が上昇すると全般ドル買いが優勢となり、22時30分過ぎに一時1.0902ドルと日通し安値を付けた。もっとも、節目の1.0900ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。
ユーロ円は6日ぶりに反発。終値は161.35円と前営業日NY終値(160.55円)と比べて80銭程度のユーロ高水準。ドル円が日通し高値を付けたタイミングでユーロ円も一時161.57円と本日高値を付けた。そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、方向感が乏しくなった。
代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは乱高下。対ドルで一時7万2968ドル前後と史上最高値を更新したものの、最高値を更新した達成感から利益確定目的の売りが膨らむと急失速した。2時30分前には6万8691ドル前後と日通し安値を付けた。もっとも、先高観を背景に押し目買い意欲も旺盛で下押しは限定的。取引終盤には7万1000ドル台半ばまで持ち直した。
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