前営業日の米国市場の総括です。
為替を知るには株式市場、長期金利、商品市場の知識が必要になります。
相場の何故?を知ることで、トレードは優位になります。
たとえば米国株が値動きした理由を知る事で、明日のドル相場のヒントが得られるでしょう。
〖項目〗
1. 米長期金利/国債市場
2. 米株式
3. 米原油先物(オイル市況)
4. 米金先物(ゴールド市況)
5. VIX指数(恐怖指数)
6. 米為替市場 NY時間の為替概況
※他市場を知っていただきたいため、為替概況は最後に載せています
〔米長期金利/国債市場〕
12日の米国債券相場で長期ゾーンは小幅続落。表面利率4.000%の10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は安い)4.18%で終えた。明日13日の1月米消費者物価指数(CPI)の発表を前に様子見ムードが強く、大きな方向感は出なかった。
【終値】
米2年債利回り:4.4717(-0.0082)
米10年債利回り:4.1676(-0.0078)
米30年債利回り:4.3674(-0.0048)
アメリカ国債利回り(期間はグラフ左上)
〔米株式〕
12日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、史上最高値を更新した。終値は前営業日比125.69ドル高の38797.38ドル。米経済の軟着陸(ソフトランディング)への期待から買いが入ったものの、明日13日に1月米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて様子見ムードも強く、上値は限定的だった。
一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落し、同48.11ポイント安の15942.55で取引を終えた。足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りが出た。
〔米原油先物(オイル市況)〕
12日のニューヨーク原油先物相場は6日続伸。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)3月限の終値は前営業日比0.08ドル高の1バレル=76.92ドルとなった。米長期金利の上昇に連れてドルが強含むと、ドルで取引される原油先物価格は割高感から弱含む場面があった。しかしながら、親イラン武装組織フーシ派が、再び紅海で商船を攻撃したと伝わったこともあり、本日も緊迫した中東情勢が原油先物を支え6日続伸して引けた。
〔米金先物(ゴールド市況)〕
12日のニューヨーク金先物相場は3日続落。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる4月限は前営業日比5.7ドル安の1トロイオンス=2033.0ドルとなった。
日本と中国市場が休場ということで商いは低調だったが、米10年債利回りが一時年初来高値を付けたことで、金利のつかない金先物は売りが優勢となった。また、ドルが底堅い動きになったことで、ドルで取引される金先物は割高感もあり上値が抑えられた。
〔VIX指数(恐怖指数)〕
12日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は上昇。5時35分時点では13.82と前営業日の清算値12.93から0.89ポイント高い水準で推移している。
〔為替(ニューヨーク時間)〕
12日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小反発。終値は149.35円と前営業日NY終値(149.29円)と比べて6銭程度のドル高水準だった。米10年債利回りが4.14%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。21時30分前に一時148.93円と日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。日銀の低金利政策が続くとの見方が強まる中、日経平均先物の大幅上昇とともにリスク選好の円売り・ドル買いが出た。米10年債利回りが4.19%台まで上昇したこともドル買いを促し、1時過ぎには一時149.48円と日通し高値を更新した。
もっとも、9日に付けた年初来高値149.58円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米10年債利回りが再び低下したことも相場の重し。
ユーロドルは5営業日ぶりに小反落。終値は1.0772ドルと前営業日NY終値(1.0784ドル)と比べて0.0012ドル程度のユーロ安水準となった。米長期金利が上昇するとユーロ売り・ドル買いが先行し、0時30分前に1.0756ドルと日通し安値を付けたものの、5・6日の安値1.0723ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。米長期金利が再び低下したこともユーロ買い・ドル売りを誘った。
なお、ボウマン米連邦準備理事会(FRB)理事は「利下げが近い将来、適切になるとは考えていない」「FRBがいつ、どの程度利下げを行うか予測するには時期尚早」と述べ、市場の早期利下げ観測をけん制した。
ユーロ円は4日ぶりに小幅反落。終値は160.88円と前営業日NY終値(161.00円)と比べて12銭程度のユーロ安水準。22時前に一時160.38円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり161.06円付近まで切り返した。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、日経平均先物の上昇に伴うリスク・オンの円売りが出た。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物3月物は9日の大証終値比700円高の3万7590円まで上昇する場面があった。
代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは堅調だった。対ドルでは一時5万0327ドル前後と2021年12月以来の高値を付けたほか、対円では750万円台と21年11月以来の高値を更新した。
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