「ファンダメンタルは、要人発言で激変する」
ファンダメンタル(≒相場観)が激変する時があります。激変するケースの1つに要人発言があります。2023年9月に植田BOJ総裁がマイナス金利解除を匂わせる発言があり、瞬間的でしたが猛烈な円高になりました。数円動かすケースはよくある事なのです。
2023/12/17に植田BOJ総裁が「チャレンジング発言」をして、その日に5円以上も円高が進みました。植田ショックと呼ぶ方も居ます。このような値動きをしたのは、チャレンジング=タカ派へ移行と認識したマーケットが、ファンダメンタルが大変動したと認知したからです。
後日、チャレンジング発言は取り消されましたが、為替相場における要人発言の重要性が分かる事件でした。
Fundalia(ファンダリア)
要人発言によるファンダメンタル分析
内田BOJ副総裁は、「現状の見通しでは、緩和的な環境が維持される」、「マイナス金利解除後もどんどん利上げするパスは考えにくい」という一方で「物価目標が実現する確度、少しずつ高まっている」とも示唆しています。
タカ派の文言がありながら、ハト派の姿勢を緩めていません。実際、発言後にマーケットは円安後方へ舵を切りました。149円に達する要因になったとも言えるでしょう。ですが、逆に今後の円相場を考える指針伴っています。
日本側の要因で円高が進むと想定した場合、今回の発言が否定される状況になったときと言えるでしょう。指針・尺度として今回の発言に価値があります。
前営業日の主な要人発言
8日09:50 清水日銀理事
「マイナス金利を解除しても緩和的な環境が続く」
「物価目標の実現を見通せれば、大規模緩和の継続の是非を検討」
「政策修正の内容は、その時の経済・物価・金融情勢次第」
8日10:37 内田日銀副総裁
「賃金上昇を伴う物価目標の実現を目指している」
「物価目標が実現する確度、少しずつ高まっている」
「マイナス金利解除後もどんどん利上げするパスは考えにくい」
「政策修正後の前後で市場に不連続生じないようにオペなどで工夫」
「緩和的な金融環境を維持していくことになる」
「緩和的な金融環境が大きく変化することは想定されない」
「イールドカーブコントロール(YCC)は量的緩和の一類型、廃止したら終わりではない」
「予想インフレ率の再下落リスクを意識して緩和政策を行う必要」
「YCC見直しの前後で、不連続に国債購入額は大きく変わらない」
「YCCとその後の国債買い入れは連続的なもの」
「ETFとREITの購入は、大規模緩和修正後にやめるのが自然」
「利上げのペースは、予想物価のペースや物価ダイナミズム次第」
「現状の見通しでは、緩和的な環境が維持される」
「ビハインド・ザ・カーブに陥っていることはない」
「見通しと上下バランスを踏まえ、適切な政策運営をしている」
「各政策手段は、変えるものを先に決めているわけではない」
「今年の賃上げは、昨年より強い可能性がある情報がそろっている」
「時間の経過とともに、2%実現見通せる確度は少しずつ高まっている」
「2%が見通せると判断すれば、大規模緩和の見直しを検討する」
8日16:39 カラハン・トルコ中銀総裁
「インフレ脱却のための努力を続ける 」
「インフレ率が目標に達するまで金融引き締めを維持する 」
8日22:15 ウンシュ・ベルギー中銀総裁
「賃金上昇が利下げを阻んでいる」
「より安心できる賃金データが得られるまで待つ価値はある」
「しかし、賃金の伸びが鈍化しているという強い兆候ではないが、いくつかの兆候はある」
9日00:07 マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員
「継続的なインフレの勢いと根強い持続性のリスクを認識」
「労働市場は依然として逼迫している」
「ヘッドラインのインフレ動向はインフレの適切な尺度ではない」
9日00:42 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト
「2%目標への道筋確保には一段のディスインフレが必要」
「データは目先、予想以上に速いディスインフレを示唆」
9日02:35 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「経済モデルに基づいて金利をどうすればいいのか分からない」
「家賃やサービス価格がもっと安くなることを望む」
「利下げへの確信はインフレが一段と抑制されることによって決まる」
「雇用市場は逼迫しているが、データが示すほど逼迫していない」
9日02:37 ホルツマン・オーストリア中銀総裁
「ECBが今年利下げしない可能性は確かにある」
「最初の利下げ前に、インフレが抑制されていることを確認する必要」
9日04:14 メキシコ中銀声明
「据え置きは全会一致」
「金融政策スタンスは、インフレ率が3%目標をカバーするために必要な軌道に沿ったまま」
「インフレリスクのバランスは引き続き上向き」
「次回の会合で金利調整の可能性を評価する予定」
※時間は日本時間
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