前営業日の米国市場の総括です。
為替を知るには株式市場、長期金利、商品市場の知識が必要になります。
相場の何故?を知ることで、トレードは優位になります。
たとえば米国株が値動きした理由を知る事で、明日のドル相場のヒントが得られるでしょう。
〖項目〗
1. 米長期金利/国債市場
2. 米株式
3. 米原油先物(オイル市況)
4. 米金先物(ゴールド市況)
5. VIX指数(恐怖指数)
6. 米為替市場 NY時間の為替概況
※他市場を知っていただきたいため、為替概況は最後に載せています
肯定
〔米長期金利/国債市場〕
8日の米国債券相場で長期ゾーンは続落。表面利率4.000%の10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い(価格は安い)4.15%で終えた。前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも強い内容となったことを受けて売りが優勢となった。ただ、30年債入札が「好調」と受け止められたこともあり、下値は限定的だった。
【終値】
米2年債利回り:4.454(0.0253)
米10年債利回り:4.1579(0.0368)
米30年債利回り:4.3613(0.0367)
アメリカ国債利回り(期間はグラフ左上)
〔米株式〕
8日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は小幅ながら3日続伸し、史上最高値を更新した。終値は前営業日比48.97ドル高の38726.33ドル。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。決算内容が好感されたウォルト・ディズニーが買われ、相場を下支えした。半面、米長期金利の上昇が相場の重しとなったため、上値は限定的だった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も小幅に3日続伸し、同37.07ポイント高の15793.71と2022年1月以来2年1カ月ぶりの高値で取引を終えた。
〔米原油先物(オイル市況)〕
8日のニューヨーク原油先物相場は4日続伸した。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)で3月限の終値は前営業日比2.36ドル高の1バレル=76.22ドルとなった。イスラム組織ハマスが提示した休戦案をイスラエルが拒否し、中東情勢の緊迫化が続くことへの懸念で原油は大幅続伸した。また、米エネルギー情報局(EIA)が今年の米国内産油量見通しを前回から下方修正したことも引き続き原油相場の支えとなった。
〔米金先物(ゴールド市況)〕
8日のニューヨーク金先物相場は3日ぶりに小幅安となった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる4月限は前営業日比3.8ドル安の1トロイオンス=2047.9ドルとなった。この日発表の米新規失業保険申請件数や12月米卸売売上高が予想比強い結果となったこともあり、米長期金利が上昇し、金利が生じない金は売りに押された。
〔VIX指数(恐怖指数)〕
8日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は上昇。5時30分時点では12.88と前営業日の清算値12.83から0.05ポイント高い水準で推移している。
〔為替(ニューヨーク時間)〕
8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は149.32円と前営業日NY終値(148.18円)と比べて1円14銭程度のドル高水準だった。内田真一日銀副総裁が東京時間に「仮にマイナス金利を解除しても、その後にどんどん利上げをしていくようなパスは考えにくく、緩和的な金融環境を維持していくことになる」と発言したことを受けて、日銀の低金利政策が続くとの見方が強まると、海外市場に入っても円売りが続いた。
一方、堅調な米雇用情勢などを背景に米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測は後退しており、ドルは引き続き買われやすい地合いとなった。1時前には一時149.48円と昨年11月27日以来の高値を付けた。
ユーロドルは小幅ながら3日続伸。終値は1.0778ドルと前営業日NY終値(1.0772ドル)と比べて0.0006ドル程度のユーロ高水準となった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.16%台まで上昇するとユーロ売り・ドル買いが先行。前日の安値1.0752ドルを下抜けて一時1.0742ドルまで値を下げた。前週分の米新規失業保険申請件数が21.8万件と予想の22.0万件より強い内容だったこともユーロ売り・ドル買いを促した。
ただ、5・6日の安値1.0723ドルがサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ユーロ円の上昇につれた買いも入ると、1.0783ドル付近まで持ち直した。欧州中央銀行(ECB)高官から早期利下げ観測をけん制する発言が相次いだことも相場の支援材料。
なお、ウンシュ・ベルギー中銀総裁は「賃金上昇が利下げを阻んでいる」と述べたほか、レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストは「2%目標への道筋確保には一段のディスインフレが必要」などと発言。また、ホルツマン・オーストリア中銀総裁は「ECBが今年利下げしない可能性は確かにある」と話した。
ユーロ円は続伸。終値は160.94円と前営業日NY終値(159.62円)と比べて1円32銭程度のユーロ高水準。内田日銀副総裁がマイナス金利解除後も緩和的な金融環境が続くとの見解を示したことで、海外市場でも円安が進んだ。5時30分前には一時160.99円と本日高値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時188.49円、豪ドル円は97.04円、NZドル円は91.04円、カナダドル円は111.04円、スイスフラン円は170.96円、南アフリカランド円は7.89円まで値を上げた。
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