【時事問題】中東戦乱リスク | ファンダメンタルなアウトローのFX

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現在、中東地域では湾岸戦争以来の軍事的緊張になっています。一時はイランとアメリカの融和、イスラエルとサウジアラビアの融和など和平の兆しが見えていましたが、今では地図が塗り替わってしまいました。

 

FXにおけるファンダメンタル分析の一環として、為替相場に影響がありそうな事象について考察して参ります。今のところ決定的な悪影響を受けていません。しかし、大暴落に繋がるリスクも否定はできません。

 

 

 

大きく3つある紛争地域

 

まず、中東のどこで戦乱の可能性があるのか?あるいは為替相場に影響がでてくるのか?について整理しましょう。

 

 

中東地域の不安定が長期化すれば、インフレは避けられない

 

 

現在進行形では、イスラエル軍によるガザ侵攻(スエズ運河の北東)があり、イエメンの南(アデン湾)や西(紅海)ではフーシ派による商戦攻撃&拿捕、米艦艇への攻撃があります。米英軍はフーシ派拠点を攻撃し始めました。

 

2/1報道では、米兵3人が死亡する事件がありイラクやシリア(地図中央の北端)でも戦火が広がり始めています。これら多くの紛争にはすべてイランが関わっています。これが大きな問題になるでしょう。

イランと米国が紛争状態に入れば、ホルムズ海峡を封鎖するなどの事態が発生します。海峡封鎖がが無くとも、原油や天然ガスを積載したタンカーがここを航行しにくくなれば、エネルギー価格(供給リスクによる)が生じるでしょう。

 

 

 

 

少なくとも、日本はペルシャ湾岸諸国から原油の90%を買い付けています。価格高騰ならばまだ良いですが、国内原油が本当に枯渇したら日本経済は破滅でしょう。日本経済だけでなく、世界的な金融危機になることも想定されます

 

スエズ運河とペルシャ湾(ホルムズ海峡)は、世界経済を握る大動脈・生命線とも言えます。今、ここが脅威に晒されていると認識すべきでしょう。最悪のシナリオへ進めば、パンデミックの比にならない大惨事が待ち受けます。

 

 

 

イランを敵視するバイデン政権

 

 

 

今、バイデン政権は危機に瀕しています。極めて低迷する支持率と、共和党でトランプ氏が台頭したため11月の選挙に勝てない可能性があるからです。起死回生の選択肢が欲しいという願い(願望)はあるでしょう。選挙に当たりアメリカの強い指導者という姿勢も見せる必要があるのです。

 

つまりアメリカには動機があるということです。

イランと事を構えることで、国内のナショナリズムを高めて支持率向上を図れる可能性があります。またフーシ派、ハマス、イラクやシリアのテロ組織等は、揃ってイランの支援を受けているとされ、その根元を断とうと考えるのは必然でしょう。

 

しかし、イランの背後にはロシアや中国がいます。

イランを攻撃すれば、彼らが介入して戦争から大戦(WW3)へ地政学リスクが拡大する可能性がでてきます。ロシアはウクライナからアメリカの目を逸らしたい中国は国内問題、台湾問題から目を逸らしたい

米中に至っては、いずれ太平洋の覇権をめぐって戦いになるという認識があるでしょうから、互いに戦う動機が存在します。

 

 

バイデン政権はイランを敵視しています。もし、イランを攻撃すると事態を収拾できないまま大きな戦争に至る道筋があると言えるでしょう。もちろん、確率は低いですが。

 

最終的には、国連や第3国が入って交渉による妥結が図られるでしょう。そこで何らかの合意が得られ、事態収拾となるはずです。しかし、交渉のテーブルに着くまで、交渉妥結するまでに何が有るかは分かりません。

 

 

 

 

為替相場への影響は?

 

もし原油禁輸でエネルギー価格が暴騰すれば、リスク回避の円高を中心にした相場観になるでしょう。リスク回避で国債が買われるため、長期金利が急落するでしょうからドルは暴落するはずです。

ただ、本格的な戦争になりアメリカ軍の強さがテーマになればドルは買われるでしょう。一番強いのは米軍だから、ドルが一番信用がおける。こうした考え方の相場は現在絶滅していますが、ナポレオン戦争以来続く、古典的な株式投資法です。

 

ワーテルローの戦い(英国が勝利)で、ロスチャイルド家(欧州に情報網を持つ)は英国債を投げ売りしました。これで他の投資家は「イギリスは負けたと一斉に投げ売り」、底値になったところで「ロスチャイルドが買い取った」という逸話があります。

 

 

話がスエズ運河の通航不可や原油価格高騰で済んでいる内は、インフレや長期金利にどう影響するかを考えれば、為替を予測することができます。

 

 

確かな事は…

中東情勢を理由とした、大きな為替相場の変動が起こりえるという事です。そのため、ニュースを確認する事、背景について予備知識を持っておく事が必須になるでしょう。また、政府間では和平に合意したとしても、現場では紛争を望んだ人々が多く居ることも知っておく必要があります。宗教対立、世代を超えた怨念、貧困、無知(無学)などが理由にあります。

 

少なくとも、これから各国のインフレ率に影響を与えるのは不可避と見られています。金利やインフレ率に変化が起きれば、為替相場もそれに沿って値動きをするでしょう。

 

 

 

 

2024/2/3

Fundalia(ファンダリア)