前営業日の米国市場の総括です。
為替を知るには株式市場、長期金利、商品市場の知識が必要になります。
相場の何故?を知ることで、トレードは優位になります。
たとえば米国株が値動きした理由を知る事で、明日のドル相場のヒントが得られるでしょう。
〖項目〗
1. 米長期金利/国債市場
2. 米株式
3. 米原油先物(オイル市況)
4. 米金先物(ゴールド市況)
5. VIX指数(恐怖指数)
6. 米為替市場 NY時間の為替概況
※他市場を知っていただきたいため、為替概況は最後に載せています
〔米長期金利/国債市場〕
31日の米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。表面利率4.500%の10年物国債利回りは前営業日比0.12%低い(価格は高い)3.91%で終えた。低調な米経済指標が相次いだことで買いが優勢となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)後に米早期利下げ観測が後退すると売りが強まる場面もあったが、売りは長続きしなかった。市場では「月末の機関投資家による保有債券の残存年限を長期化するための買いが入った」との声も聞かれ、引けにかけて上げ幅を広げた。
【終値】
米2年債利回り:4.2664(-0.0681)
米10年債利回り:3.9804(-0.0515)
米30年債利回り:4.2224(-0.028)
アメリカ国債利回り(期間はグラフ左上)
〔米株式〕
31日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落。終値は前営業日比317.01ドル安の38150.30ドルとなった。米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で早期の利下げに慎重な見方が示されたほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見で「3月利下げの可能性が高いとは考えていない」と発言すると、FRBの早期利下げ観測が後退し株売りが優勢となった。連日で史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りも出やすかった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に続落し、同345.89ポイント安の15164.01で取引を終えた。決算内容が嫌気されたマイクロソフトやアルファベット、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などに売りが集まった。
〔米原油先物(オイル市況)〕
31日のニューヨーク原油先物相場は反落。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)3月限の終値は前営業日比1.97ドル安の1バレル=75.85ドルとなった。中国の景気悪化懸念から需要減を警戒した売りが強まった。EIA週間在庫統計で原油が予想外の積み増しとなったことも重しとなった。
〔米金先物(ゴールド市況)〕
31日のニューヨーク金先物相場は続伸。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる4月限の終値は前営業日比16.5ドル高の1トロイオンス=2067.4ドルとなった。低調な米経済指標が相次ぎ、外国為替市場でドル安が進むとドル建てで取引される金に買いが入った。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)後にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が3月利下げを否定すると時間外取引で急速に上げ幅を縮めている。
〔VIX指数(恐怖指数)〕
31日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は上昇。5時26分時点では14.17と前営業日の清算値13.31から0.87ポイント高い水準で推移している。
〔為替(ニューヨーク時間)〕
31日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は146.92円と前営業日NY終値(147.61円)と比べて69銭程度のドル安水準だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)後の荒い値動きの中で、5時前に一時146.01円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は急速に買い戻しが進み、5時30分過ぎに147.44円付近まで下げ渋った。
この日発表された1月ADP全米雇用報告や10-12月期米雇用コスト指数、1月米シカゴ購買部協会景気指数が軒並み予想を下回ったことが分かると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが先行。市場では「月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだ円買いのフローが入った」との指摘があり、軟調に推移した。
その後、米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCで市場予想通りFFレートの誘導目標を5.25-5.50%に据え置くことを決めたと発表。声明では雇用や物価について「リスクのバランスが改善している」と評価したほか、前回までは追加の引き締め策を決定する際の条件を記していたが、今回はその表現を外し「追加利上げの可能性が極めて低くなった」ことを示唆した。ただ、「インフレが持続的に2%に向かっているとの確信が深まるまで、利下げは適切ではない」との見解を示し、FRBがすぐに利下げに転じるという市場の見方をけん制する表現を新たに盛り込んだ。
加えて、パウエルFRB議長がFOMC後の会見で「適切であれば金利を長期間維持する用意がある」「3月利下げの可能性が高いとは考えていない」などと発言。FRBの早期利下げ観測が後退し、ドルを買い戻す動きが広がった。
ユーロドルも反落。終値は1.0818ドルと前営業日NY終値(1.0845ドル)と比べて0.0027ドル程度のユーロ安水準となった。この日発表の米経済指標が軒並み予想を下回ると、米長期金利の低下とともにドル売りが先行。前日の高値1.0857ドルを上抜けて一時1.0887ドルまで上値を伸ばした。
ただ、FOMC声明やパウエルFRB議長の会見を受けて米早期利下げ観測が後退すると、ドル買い戻しが優勢に。5時30分過ぎに一時1.0795ドルと日通し安値を更新した。
ユーロ円は大幅反落。終値は158.95円と前営業日NY終値(160.09円)と比べて1円14銭程度のユーロ安水準。21時頃に一時160.27円と日通し高値を付けたものの、対ドル中心に円が全面高の展開になると大幅に値を下げた。米国株相場や日経平均先物の急落に伴うリスク・オフの円買いも入り、5時前には158.57円と日通し安値を更新した。
なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比580円安の3万5790円まで大幅に下落した。
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