◇時事◇ トランプ米大統領復活なら、ドル/円はどちらへ? | ファンダメンタルなアウトローのFX

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ドナルド・トランプ氏が、2024年のアメリカ大統領選挙に参戦しています。2024年1月現在は、共和党予備選挙を戦っており極めて優勢です。対抗馬となるヘイリー氏は、かなり水を開けられており、3月のスーパーチューズデーまでに体勢を立て直せるかがポイントとなるでしょう。

 

もし共和党候補がトランプ氏になった場合、相手となるバイデン大統領との再選となるでしょう。非常に支持率が低いバイデン大統領が負ける可能性は大いにある為、トランプ大統領復活は、現実味あるシナリオと考えるべきです。

 

彼が当選した場合、あるいは当選確率がさらに高まった場合にドル/円(為替相場)はどう値動きするでしょう?検証しました。

 

 

 

 

2016年のドル/円を復習

 

トランプ大統領が当選した前後のドル/円(2016-2017年)

 

2016年のトランプ当選は驚きの連続でした。予備選では「トランプが大統領候補になるはずない」と高をくくっていたら勝ち抜き、本選挙で当選するはずないと見通されていましたが、激戦を切り抜けて当選しました。

 

2016年序盤、ドル/円は124円あたりでしたが、トランプ氏の当選確率が上がるに従いドル/円が売られました(チャート青帯)。当時、「トランプ氏が大統領になれば、アメリカは滅茶苦茶になる!」と識者や投資家、富裕層ほど考えており、リスク資産が売られ続けています。

 

しかし、2016年11月にトランプが当選すると一転してドル/円は急転しました。世にも有名なトランプ・ピボット(チャート黄帯)です。当然、ドル暴落を予見した投資家がほとんどで、原因不明のドル急騰でパニックになりましたが、後にトランプが掲げた「減税策、株式上昇策」への期待感が買い戻しを呼び込みました。米国株も上昇して、一斉にリスク選好相場が形成されました。

 

後にトランプノミクスと呼ばれています。

2024年現在、トランプ当選後に円安と予測しているエコノミストが多く居ますが、彼らはこの相場を見て、その再現を考えています。

 

 

 

今回も猛烈円安になるのか?

 

結論から申し上げて、Fundalia(ファンダリア)ではこの意見を否定します。おそらく、強い円高になる可能性が高いと想定しています(根拠は後述する)。

 

その前に、トランプ大統領が当選したことで論点になるポイントがあるので、これをまず紹介しましょう。

 

 

おそらく当選すると、3つの論点でドル/円や株価が変動するでしょう。もちろん、これ以外の論点も今後生じるでしょうが、それはその時に考えることとします。本記事では上記3点に絞って解説を進めます。

 

 

トランプリスク

気候変動、人権問題(白人優越主義)、対中貿易戦争、アメリカファースト主義による西側諸国との不協和、ウクライナ戦争への対応、議会との対立などなど。前回でも、投資家は迷惑をこうむってきました。最終的な評価は最悪だった訳です。それを踏まえると、トランプ復活はマーケットにプラスに働きにくいでしょう。その影響が前回より強くなる可能性があります。

 

 

税金対策

税金対策というより、株価対策を指します。トランプ大統領は商人気質で「株価が自分の評価基準」にあるようです。株価上昇すれば、自分を「偉大な大統領」と吹聴した前回を踏まえれば、この価値観で彼を考える必要があるでしょう。減税は、株価を急騰させるのに効果的な施策であるため、代表的な政策となりました。今のところ減税の話は聞こえてきませんが、動きがあるかも知れません。

 

なお、トランプ復活後に円高を唱える識者は、これを期待しています。

 

 

利下げ圧力

この点を指摘する識者はまだいませんが、トランプ氏は在任中にパウエルFRB議長と大喧嘩をしています。トランプはパウエルFRB議長に利下げを要求し、パウエル議長は毅然と跳ねのける光景が続きました。復活すれば、パウエル議長の再任を仄めかしながら利下げを要求するでしょう。

 

 

積極的に利下げを推進すると、株価はどうなるでしょう?

トランプ氏の評価はどうなるでしょう?恐らくとっておきの目玉政策と考えていると推察されます。この過程でドル/円はどうなるでしょうか。

 

ドル/円は、大暴落が想定されます。

 

 

 

当選ならば円高の公算が大きい

 

もう、結論はでています。

ですから短い文章で締めたいと思いますが、トランプがおこないそうな政策は「総合的に勘案すると円高ドル安」になると想定できます。今ある条件に、今後何が加わるかにもよりますが、今ある情報から考えると、ドル急落を見ることができるでしょう。

 

彼の価値観は株価です。株価を急騰させるには、景気後退(リセッション)よりも早いペースで利下げするとです。これをビハインド・ザ・カーブと言い、金融政策の戦略として存在します。株価は上昇しますから、トランプ氏は採用することを考えるでしょう。

 

 

ドル/円下矢印  長期金利下矢印  政策金利下矢印  株価上矢印上矢印上矢印

 

 

恐らく、このような相場観を描くはずです。

 

 

 

 

記事は以上となります。

判断の参考になれば幸いです。

 

2024/1/29

Fundalia(ファンダリア)