BOJ政策金利の結果考察 ~ステルス利上げもハトを振舞った日銀 | ファンダメンタルなアウトローのFX

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FOMCが行われました。

ドル相場だけでなく、相場全般に大きな影響を与える投資で最大の値動き要因がFOMC。結果やドル相場の動きについて考察を致します。なお、情報はご自身で判断・責任で利用なさってください。

 

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背景および結果

日銀は、世界の潮流と異なりタカ派に向かっている唯一の先進国の中央銀行です。これまで30年近いハト派政策から転換する動機が日本になる中、タカ派・ハト派論争が活発化していました。その中でどういう判断をするのか?非常に興味深い会合でした。

 

また、前日深夜(当日になって)に長短金利調節にともなう長期金利の上限引き上げをおこなうという日本経済新聞の報道で、猛烈な円高になりました。飛ばし記事の可能性、日銀がリークした可能性もありますが真相は不明でした。

 

結果は、金融政策としてはハト派となりました。ただし前日の長短金利調節(操作)は行われ、長期金利を現行の0.50%から1.00%まで許容するように変更。つまり、長期金利が1.00%まで上昇する可能性があることは、事実上の利上げに近い行動となります

 

これはタカ派と言える行動で、そのため円高になった経緯があります。

 

 

 

 

 日銀の基本的スタンスは「ハト派」のまま

 

当日に金融調整の噂を流させたやり方は褒められるものではありません。もっと早く言うべきで、もっと早く言う機会はありました。日銀がこの様な姑息な手段をとったのは、おそらく「想像以上に円高への恐怖感」があるということだと思います。

 

最近では円安による為替介入が話題になりますが、本当に日銀が怖れているのは円高だと思います。もし急激な円高を招き込み、110円割れするような事があれば賃上げやインフレ率は、元に戻りデフレへ向かうでしょう

最も避けるべきはこのシナリオで、失われた40年にしないためには、賃上げとインフレ率に強さを求めている。それが植田BOJ総裁の理想なのだと思います。

 

つまり、急に噂(日経新聞のスクープ)を流したのは円高を織り込む時間を短くして、円高を限定的にするのが目的だったのではないでしょうか。わざわざ日本人が寝ている時間を狙ってやっていますから悪意も感じられますが・・・

 

 

植田BOJ総裁は、為替が円安であることを前提に金融政策を推し進めようとしている。

これは恐らく間違いありません。

 

 

 

 

円相場の動き

中期的(四半期程の期間)な円相場(主に対ドル)ですが、数カ月の期間で円高が進む可能性はやはりあります。日銀は1.00%まで長期金利が上昇を容認しました。長期金利が上昇する過程で円は買われるでしょう。

 

現在のファンダメンタル状況、インフレ率を俯瞰すると、日本の長期金利は上昇するのが普通の判断です。機関投資家やヘッジファンド等が積極的に円買いを進める可能性があり、仕手のような攻撃的な投資家も出てくるかも知れません。

この動きが起これば、1.00%に上がる過程で円高になると想定されます。

 

しかし、先ほど申した通り日本銀行は基本的にハト派です。

各国と比べて、非常に低金利であるため円を売って外貨を買うキャリートレードが成立しますから、強力な円安要因も存在するでしょう。

 

ここにFRBなどの金融政策の変化が加わって為替相場は形成されます

長期金利の利回りは円相場の重要要因になっていくでしょう。

 

 

 

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