日本・消費者物価指数の結果について考察します。
円相場&日本株の見通しについても述べます。
Fundalia編集
背景&結果
植田BOJ総裁に代わった日銀がハト派に傾き、近年稀に見るインフレに見舞われた日本経済。ここで最新のインフレデータとなり、注目されました。
結果は、予想以上に強いインフレ率です。
どのくらい強いかというと、日銀(BOJ)のハト派政策が揺らぐ可能性が生じるほど強いデータでした。
ファンダメンタルに与える影響
下記図を用いると分かりやすいです。
インフレとは、上記図のようなメカニズムによって発生します。
消費から始まり、色々な要因に波及して物価という形になりますが、この流れが日本経済で強くなっているようです。一部業種では、目に見えて労働単価が上がり、それでも人手不足になっています。
つまり、上記図解における人手不足から賃金急騰となり、日本経済にも強いインフレが発生する下地ができました。
また、6月以降の電気代急騰やこれまでの食品インフレなど、これまで日本ではタブー視された値上げ文化が変わりつつあります。この意識変化が起こる事は良いのですが、変化があまりに急激すぎ、日本経済が制御・消化できるのか?その心配もあるでしょう。
日本銀行(日銀、BOJ)は、植田BOJ総裁になり、彼は就任から「今年度の半ば以降にインフレ率は下落に転じる」「最終的に2%を割れるだろう」。このような内容を繰り返し発言しています。この考えは今でも変わっていないようです。
しかし、もしも日本経済がインフレの急変を制御できず、インフレが止まらない事態になるシナリオについても考察する必要があります。たとえば、日本の事業者・企業はこれまで値上げができず、怨念のような苦しみを味わってきました。コスト増を価格転嫁できない文化があり、値上げを口にすると悪人呼ばわりされた訳です。
それが20年ほど続いてきました。
この怨念に近い部分を、日銀が経済予測として織り込むことができるのか?できているのか?これは誰にも分かりません。
もしかすると、日銀によるインフレ見通し(予測)が大きく外れるリスクがあるのではないでしょうか?もちろん外れることは、為替にも株価にも織り込まれていませんから、事実になればこれからの値動きに影響するでしょう。
今回のデータは、この可能性を感じされるデータでした。
円相場への影響
発表後に円高になりましたが、妥当な値動きだと思います。他要因もあったかと思いますが、日本のインフレ率が上がったことで、日本僅かにタカ派へ振れましたから。もし、本当に日本のインフレ高騰が思ったほど止まっていないとなれば、夏にかけて円高に見舞われるでしょう。少なくともマーケットはそう考え、就任後のハト派を織り込んだ円相場は、またタカ派へ傾くはずです。
今後発表される日本の経済指標や要人発言などから、その可能性を探り、インフレ動向に変化があるようなら円相場が大きく変化する。あり得る話です。
現状、たとえばアメリカなどもインフレ率は高い状態ですがダウントレンドにはなっています。しかし日本は、今もアップトレンドになっています。この点がテーマになるだけでも円高要因になるでしょう。
個人投資家には、ファンダメンタル分析が必要だ!
経済指標を読み解き、活かすスキルが必要だ!