米消費者物価指数(CPI)の結果について考察します。
ドル相場&米国株の見通しについても述べます。
Fundalia編集
背景&結果
5/3FOMCで0.25%の利上げがあるのか?その後の金融政策はどうなっていくのか?その資料となり得る、消費者物価指数が発表されました。
結果はやや弱いデータでした。弱くなる予想を、さらに下回るデータで発表後にドルは売られています。ただし、コア指数は踏ん張りを見せており、景気の底流を流れるインフレは依然堅固であることも分かりました。ドル/円の下落が小さく収まったのは、コア指数が理由でしょう。
もし「あと1回利上げ」が打ち消すような悪いデータになった場合、ドルは猛烈な下落をするでしょう。去年秋のCPIショックの再来まであります。逆に「2回以上の利上げ」を意識させる強いデータになった場合は、利食いを挟みながらも上昇するでしょう。
今回のCPIで最も負け筋は、悪いCPIに巻き込まれて損失を出すケースです。レバレッジ次第で、瞬間退場の恐れがありますので。ドルロングを抱えて発表を待つのは避けましょう。
事前考察の記事へのlinkです。発表後の値動きも含め、ほぼ事前想定の通り値動きししました。今回のデータで、5/3FOMCで0.25%を確信した投資家が多いと思われます。ただ、その一方で次回利上げが最後になると考えた方も多いかも知れません。
事前考察によるドル相場見通しは、おおよそ適当な結果だったと思います。
もう少し下がるかと思いましたが、コア指数の強さへの思惑もあったようです。
ファンダメンタルに与える影響
先月末のPCEコアデフレータに続き、今回のCPIも弱かったことで、インフレ率のダウントレンドは更に明瞭になりました。インフレ率から考える限り、いつドル/円が130円割れしても問題ないでしょう。
今後の焦点は、コア指数がいつから下がるのかという点、FRBは利上げを止めるのかという点、そして利上げを止めて据え置きを長く続けるかという点になっていくでしょう。FOMCでも、ターミナルレートを維持する期間について注目が集まると想定されます。
利上げについて、5/3FOMCで終わりの公算が、今のところ高いです。
その理由は、FRB要人に、金利上げ過ぎへの弊害を口にする総裁が増えた為で、いったん様子を見ようという空気感になってきました。少なくとも6月に利上げする理由が、今のところ見当たりません。材料次第で話は変わりますが、今のままなら5月が最後になりそうです。
急落したエネルギー価格を含む総合値は下がりました。これがコア指数へ着火するのを待つのが、これからの展開になるでしょう。もし夏まで下がらないとターミナルレート長期化が材料となり、ドル高要因になるはずです。インフレ長期化に掛ける投資家もでてくるでしょう。
ドル相場への影響
あくまでインフレ率の動きに限っての見通しですが、
ドルはこの先、下がっていくと予想しています。もちろん、アメリカでリセッションの可能性が高まり、利上げ思惑が強まることが前提にあります。これを打ち消す材料が増えるほど、ドル安シナリオは減衰するでしょう。
4月には決算もあり、5月以降には米政府の債務上限を迎えて危機的上昇になるシナリオもあり得ます。銀行破綻が再燃する可能性も無視できません。
とはいえ、為替相場に最も強い影響を持つのが、インフレ率と金利です。普通に考えればドル安が妥当となります。この流れに沿えば、米国株は買われる展開になるでしょう。しかしリセッション(景気後退)が強ければ、米国株に売り要因となるため、米国株投資は極めて難しいところだと思います。
個人投資家には、ファンダメンタル分析が必要だ!
経済指標を読み解き、活かすスキルが必要だ!