日本・消費者物価指数の結果について考察します。
円相場の見通しについても述べます。
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背景&結果
日本では堅調な景気と、21世紀に入って最大級のインフレ高騰という環境にあり、その中で消費者物価指数(CPI)が発表されました。
結果は、高いインフレ水準を維持しつつもモメンタム(勢い)は一服した印象を受ける結果でした。ただし、前回値と比較するとインフレ水準は上昇しており、最大級のインフレが続いているのは間違いありません。
時系列データ分析
グラフを用意しました。
ファンダメンタル分析でデータを読む際、絶対値と相対値で読む必要があります。グラフは結果(絶対値)を愚直に並べたデータになります。相対的とは、予想値などの期待値を考慮したうえで判断する方法です。
絶対値でデータを分析すると、日本のインフレ率は未だに高騰を続けています。この傾向が続けば、日本はいずれ利上げを含む出口戦略に取り組まなければならなくなるでしょう。ただし、一方で黒田BOJ総裁は、「2023年の年央よりインフレ率は減衰する」と見解を述べていました。この意見が正しいとすれば、現状のインフレ高騰はどの時点かでダウントレンドになるでしょう。
日本銀行の黒田東彦BOJ総裁は安定した物価上昇という目標達成に向け
、日銀として金融緩和を継続していく考えを示した。 現在のインフレは輸入物価が主導しており、 近くピークを付ける見通しだと語った。G7財務相・ 中央銀行総裁会議後の記者会見で、 黒田総裁は日本のインフレ率について、2023年度半ばに2% 未満に低下する可能性が高いと指摘。 賃金上昇ペースが加速しなければ、24年度は2% を下回った状態が続くと予想した。(引用:ブルームバーグ 2023/2/23)
ただ中央銀行の意見は、しばしば外れます。
ゆえにデータを観察して、確認しながら進む必要があるでしょう。
円相場への影響
発表後の円相場は、インフレ率のモメンタム(勢い)が予想より減衰したことで円高になりました。強いインフレ率を予想して円買いを進めた投資家が、利益確定あるいは損切りに動いたと見られます。非常に強いCPIになる可能性もあった為、円に対して強気の投資家はかなり多かったと思われます。
ただ、絶対値ベースのインフレ率は上昇を続けています。ここから出口戦略の思惑に着火するような事があれば、円高相場になる可能性は除外できません。着火するには、要人発言やニュースなどで信憑性ある情報を発信する必要があるでしょう。たとえば、植田和男・新BOJ総裁(候補)がタカ派の発言をするなどです。
もし、BOJ(日銀)がタカ派の姿勢を見せた場合、今回のCPIデータは利上げを裏付ける資料として機能するでしょう。ただし、今のところ黒田BOJ総裁の発言もあって今回のCPIデータが出口戦略に繋がることはないでしょう。ゆえに円安要因として考えて良さそうです。
個人投資家には、ファンダメンタル分析が必要だ!
経済指標を読み解き、活かすスキルが必要だ!