前営業日の米国市場の総括です。
為替を知るには株式、長期金利、商品市場の知識も必要になります。
為替相場と他市場は相互に影響し合う関係にあります。ゆえに、相場観を知りたければ、他市場へも目を向けなければなりません。色が付いているのは、それぞれの市場が値動きした理由です。理由を追うと相場が見えてきます。
毎日確認すると、投資力は劇的に伸びるでしょう。
それほど、値動きの理由を把握することは重要なのです。
〔米株式〕
27日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は6日続伸。終値は前営業日比28.67ドル高の33978.08ドルとなった。12月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で、米インフレの減速が確認されると、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの観測が高まり株買いを促した。ただ、週末を控えて利益確定目的の売りも出やすく、指数は下げに転じる場面もあった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、同109.30ポイント高の11621.71で取引を終えた。25日に決算を発表した電気自動車のテスラは連日で10%を超す大幅上昇となった。
〔米長期金利/国債市場〕
27日の米国債券相場で長期ゾーンは小幅続落。表面利率4.125%の10年物国債利回りは前営業日比0.01%高い(価格は安い)3.51%で終えた。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にポジション調整目的の売りが先行したものの、12月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で、米インフレの減速が確認されると徐々に買い戻しが入り下げ幅を縮めた。
米国債利回り(NY時間17:00)
2年債 4.203(+0.021)
10年債 3.515(+0.020)
30年債 3.636(-0.004)
期待インフレ率 2.325(-0.007)
※文章とデータを抜いた時間が異なる為、少し食い違う場合があります
〔米原油先物(オイル市況)〕
27日のニューヨーク原油先物相場は3日ぶりに反落。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)で3月限の終値は前営業日比1.33ドル安の1バレル=79.68ドルとなった。
序盤は買いが先行し82ドル半ばまで上昇した。中国の経済活動再開による需要見通しの改善、米経済が景気後退を回避できるのではないかとの期待に後押しされた。もっとも今月の高値更新に失敗すると一転売り戻しが優勢に。来週はOPECプラスによるパネル会合やFOMCの結果公表を控えていることもあり、週末・月末前に買い持ちを減らす動きが進んだ。一時79ドル手前まで下値を広げている。
〔米金先物(ゴールド市況)〕
27日のニューヨーク金先物相場は小幅に続落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる2月限は前営業日比0.6ドル安の1トロイオンス=1929.4ドルとなった。12月米PCEデフレーターや同コアデフレーターでインフレ減速が確認されると売り優勢となり、昨日同様に1920ドルを割り込んだ。もっとも週安値は更新できず、その後に為替でドルが欧州通貨に対して弱含むと、ドル建ての金も下値を切り上げて週引けした。
〔VIX指数(恐怖指数)〕
27日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は低下。5時36分時点では18.39と前営業日の清算値18.73から0.34ポイント低い水準で推移している。
〔米為替市場〕
27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は129.88円と前営業日NY終値(130.22円)と比べて34銭程度のドル安水準だった。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している12月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは市場予想通り前年比4.4%上昇となり、米インフレの減速が確認された。指標発表直後はドル売りが出て一時129.56円付近まで下押ししたものの、反応は一時的だった。アジア時間に付けた日通し安値129.50円が目先サポートとして働いたこともあり、130.07円付近まで下げ渋る場面があった。そのあとは週末を控えたポジション調整の動きに終始し、129円台後半で値動きが鈍った。
なお、米PCEの結果について市場では「FRBは2月と3月にそれぞれ0.25%の利上げを決定したあとは、利上げを停止する可能性がある」との声が聞かれた一方、「FRBの利上げペース減速を裏打ちする格好となったが、利上げ休止を議論するには十分でない可能性が高い」との指摘があった。
ユーロドルは続落。終値は1.0868ドルと前営業日NY終値(1.0892ドル)と比べて0.0024ドル程度のユーロ安水準だった。米物価指標を受けて米インフレの減速が確認されるとドル売りが先行したのの、反応は一時的だった。前日には一時1.0929ドルと約9カ月ぶりの高値を更新しただけに、利食い売りなどが優勢となった。市場では「ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売りのフローが観測された」との声も聞かれ、一時1.0838ドルまで値を下げた。来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)や欧州中央銀行(ECB)定例理事会など重要イベントを控えており、ポジション調整目的の売りも出やすかった。
ユーロ円は反落。終値は141.15円と前営業日NY終値(141.83円)と比べて68銭程度のユーロ安水準。ユーロドルの下落につれた売りが出ると、前日の安値140.87円を下抜けて一時140.82円と日通し安値を更新した。
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