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〔米株式〕
11日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日続落。終値は前営業日比326.63ドル安の31834.11ドルと昨年3月9日以来約1年2カ月ぶりの安値となった。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も約1年2カ月ぶりの安値を付けた。4月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことを受けて、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めを警戒した売りが優勢となった。ただ、一時は420ドル超上昇するなど総じて不安定な値動きとなった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅反落し、同373.44ポイント安の11364.23と2020年11月以来約1年半ぶりの安値で取引を終えた。
〔米長期金利〕
11日の米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。表面利率1.875%の10年物国債利回りは前営業日比0.07%低い(価格は高い)2.92%で終えた。4月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことが分かると売りが先行。利回りは一時3.0739%前後まで上昇した。ただ、売り一巡後は材料出尽くし感から買い戻しが入った。米国株相場の下落で、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った面もあった。
米2年債利回り:2.6371(+0.0247)
米10年債利回り:2.9226(-0.0682)
米30年債利回り:3.0367(-0.0864)
【国債の基礎知識】
債券(国債)買いが入ると、長期金利は低下する。債券価格と長期金利は反相関している。なお、文面での売り買いは債券について述べている。文面は、長期金利ではなく債券価格の解説となっている。
〔米原油先物〕
11日のニューヨーク原油先物相場は3日ぶりに反発した。ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)で6月限の終値は前営業日比5.95ドル高の1バレル=105.71ドルとなった。
ロシア産天然ガスのウクライナ経由での欧州への輸送量が減少し、供給不安が再燃するなか、原油は買い戻しが優勢となった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した原油在庫は848.7バレルの積み増しと予想以上の増加となった一方で、ガソリンは360.7万バレルの取り崩しと予想以上に減少し、反応は限られた。
〔米金先物〕
11日のニューヨーク金先物相場は3日ぶりに反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心となる6月限は前営業日比12.7ドル高の1トロイオンス=1853.7ドルとなった。米4月消費者物価指数(CPI)の発表直後はドルが急伸し、ドル建ての金も売りに押されたが、一転ドル買いが後退したことや、インフレのピークアウト期待が強まったことを背景に買い戻しが入った。
〔VIX指数(恐怖指数)〕
11日のシカゴ・オプション市場(CBOE)でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される変動性指数(VIX、恐怖指数)は低下。4時37分時点では32.30と前営業日の清算値32.99から0.69ポイント低い水準で推移している。
〔米為替市場〕
11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は129.97円と前営業日NY終値(130.45円)と比べて48銭程度のドル安水準だった。注目の4月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことが分かると米金利上昇とともに全般ドル買いが先行。22時過ぎに一時130.81円と日通し高値を付けた。
ただ、買いが一巡すると一転下落した。米CPI発表後に一時3.0739%前後まで上昇した米10年債利回りが2.90%台まで急低下したことが相場の重しとなり、129.45円と日通し安値を付けた。一時420ドル超上昇したダウ平均が下げに転じ、360ドル超下落したこともリスク回避の円買いを誘った。
もっとも、129円台では本邦実需勢中心に押し目買い意欲が旺盛で下押しは限定的。引けにかけては130円台前半まで下げ渋った。
なお、4月米CPIは前年比で8.3%と予想の8.1%を上回ったものの、1981年12月以来の高水準だった3月の8.5%から減速した。減速は昨年8月以来で、市場では「インフレはピークを付けた可能性がある」との声が聞かれた。一方、「コア指数を中心に予想を大きく上回っており、基調的なインフレ圧力が引き続き極めて強く持続的であることが示された。インフレはまだピークに達していない」との見方もあった。
ユーロドルは小幅ながら続落。終値は1.0513ドルと前営業日NY終値(1.0529ドル)と比べて0.0016ドル程度のユーロ安水準だった。4月米CPIが予想を上回ったことが明らかになるとドル買いが先行し、21時30分過ぎに一時1.0502ドルと日通し安値を付けた。ただ、ドル買いの勢いはすぐに後退し、23時前には1.0577ドルと日通し高値を付けた。もっとも、米国株相場の下落に伴うリスク・オフのドル買いが入ると1.0510ドル付近まで押し戻された。
なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は講演で「最初の利上げは純資産購入終了の数週間後になるかもしれない」と述べ、7月利上げの可能性を示唆。このところ、インフレ警戒から7月利上げに言及するECB理事会メンバーの声が増えており、市場では早期利上げ観測が高まっている。
ユーロ円は3日続落。終値は136.63円と前営業日NY終値(137.34円)と比べて71銭程度のユーロ安水準。22時30分前に一時137.71円と日通し高値を付けたものの、そのあとは米国株の失速とともにリスク回避の円買いが優勢となり、136.18円と日通し安値を付けた。
2021年3月より、米市場のpickup情報を毎日載せるようになりました。この情報の利用法について、簡単に振れたいと思います。主なり方法は2つあります。
❶ 値動きの理由を把握できる ※当面マーカーを引きません
記事では色付けされた部分があります。これは値動きした理由・背景になるものです。どういう理由で、相場がどう動いたのか?これは日々の相場から学ぶのが一番手っ取り早いでしょう。ですから、日々の相場から値動きの癖や修正を見つけます。本記事のような短評は、相場観全てを把握できない一方、本当に重要だった事柄がUPされます。これを把握できるだけで、投資力は格段に上昇します。
❷ 本当に役立つのは後日である
この情報は、翌日に読んでもあまり感銘を受けません。しかし、後日(1か月後かも知れないし、数年後かも知れない)読むと、非常に大きな価値を生みます。
数年前のチャートです。昼時にNZドルが暴落しました。何故でしょうか?
何年か経って記憶が薄れても、こうした情報から相場を学ぶことができます。それは投資家としてとても有益な情報になるでしょう。
pickup情報は、このように活用していただければと思います。
相場とは、『何があって、どう動いた』の連続ですから!