第3章 投資用語(16) 金融危機(クレジットリスク) | Fundalia since 2007

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為替を最も値動きさせるのはFOMCや金融政策
ならば金利を重視して投資するのが賢いでしょう

金融危機(クレジットリスク、信用危機)ついての解説をします。リーマンショックやコロナショック等の金融危機は瞬間で資金が溶けてしまう場合もあり、資産が2倍に膨れる場合もある為替相場にとってビッグイベントです。この相場への対応が投資家としての運命を左右するため、非常に重要な投資用語と言えるでしょう。

 

 

 

 

まず、金融危機になるとこのようなチャートが生み出されます。12営業日で12円も暴落しました。このような相場の発生を把握できないと、投資家人生は瞬時に終わってしまいます。

 

コロナショック時のドル/円(日足) 暴落&暴騰

 

 

 

 

〖10年程度の循環でやってくる金融危機〗

 

金融危機の10年循環説というのがあります。

 

1987-1988年 ブラックマンデー、日本のバブル崩壊

1997年     アジア通貨危機

2007-2011年 サブプライム問題、リーマンショック、ユーロ危機

2020-2021年 コロナショック

 

リーマンショック翌日の朝刊(日本経済新聞) 2008年9月16日

 

この様な感じで10年周期説が唱えられます。

 

いずれにしてもマーケット(人々)は数年で痛みを忘れ、投資家は入れ替わり、景気上昇に熱狂し、また同じ過ちを踏む。仮説ですが、そのような事が考えられるため、周期的に金融危機は起こる傾向があります。この時に大怪我をしないようにするため、金融危機への知識を有しておくことが投資家としての責務ではないでしょうか。

 

 

 

〖クレジット(信用リスク)が発生する〗

 

金融危機とは、クレジット(信用)リスクを伴います。クレジットとは、紙幣や証券(株券など)へ対する信用で、平常では信用が付与されることで価値を有しますが、もし信用が崩れれば、それこそただの紙切れに過ぎません。そのため紙幣や証券をペーパー資産(紙資産)と呼んだりします。少し形は違いますが2021年に起こった恒大集団のデフォルトリスクは、恒大集団という企業への信用が崩れたため資金が回らなくなったと言えます。

 

先ほど申した通り、金融危機ではクレジットに不安・不信感が生じます。ゆえにペーパー資産の価値減少が起きます。例外的に国債(ペーパー資産)だけ買われるのですが、それはペーパー資産の中で突出して信用が高いため、他の資産から鞍替えしてくるからです。その国債さえ売られる金融危機になったのがユーロ危機、ギリシャ危機でした。

金融危機とは、人々(投資家)の心理状態(信用も含む)に左右されるイベントであるという特徴があります。

 

 

 

〖多くの投資家が退場させられる〗

 

投資格言に〖上げ100日、下げ3日〗というのがあります。相場は緩やかに上昇していくものですが、イザという時に奈落への崖が登場します。これが金融危機の場面と言えるでしょう。上げ相場の時に投資家が退場に追い込まれることは少ないです。ある日突然、崖が登場し変化に対応できず(状況を理解できず)、気づいたら資金が溶けしまった。となります。

 

2021年のコロナショックも、降って湧いたように始まりました。情報力の大きなファンドでさえ大損失したところが多く出ています。ちょうど、米中貿易対立や英国のEU離脱交渉に目途が立った時期で、皆がアクセルを踏み込んだら、そこに崖があったようなものです。

 

この投資リスクと向き合う事が、投資家として長期的に勝ち残る重要な条件になっていくでしょう。トレードテクニックをいくら磨いても、ここを踏み間違えれば何の意味もありません。実際、リーマンショックやコロナショックで多くの投資家が退場させられています。その中には順風満帆に利益を出していた投資家も多いとされます。金融危機への対策は投資家にとって必須といえるでしょう。

 

 

 

〖金融危機は予想外だからころ暴落する〗

 

金融危機では10円単位(1000pips)もの変動を起こします。しかも、突然発生します。このへんについて、少し書きます。

 

そもそも相場が大変動するとはどういう事でしょうか?

それはマーケット(投資家たち)にとって予想できなかった事だからです。非常にネガティブな事象であっても、「あ、やっぱり」と思えるほど情報が浸透していれば、金融危機にはなりません。備える時間が十分にあるためです。金融危機の発生要件は、必ず戦略的不意打ちにされた状態となります。

 

これを理解しておく必要があるでしょう。

起こり得ない事が、起こるのが世の中」なのです。これを踏まえて相場を大局的に眺めることは、投資家として長生きする必須条件です。金融危機は10年周期と言われ、それより小さな危機は数年あるいは連年のように発生しています。

 

 

 

初稿 2021/5/2

更新 2021/10/21

 

 

本稿で解説しているファンダメンタル投資ノウハウの上位互換です。ブログで紹介している記事や公開トレードは、すべて本書にかかれた仕組みでおこなわれています。

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