「Sherlock」第1シリーズ 第2話「死を呼ぶ暗号」 | First Chance to See...

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 NHKのBSプレミアムで、月曜から三夜連続で再放送された「Sherlock」第1シリーズ。私は昨年夏にBSプレミアムで観ているし、というか、先日発売された日本版DVD-BOXも買って持っている。

 そのくらい大好き。

 中でも、第1シリーズ計3話のうち、私は第1話「ピンク色の研究」がダントツで一番好き。次が第3話「大いなるゲーム」。残る第2話「死を呼ぶ暗号」は、実はあんまり好きじゃない。話の展開に無理がある気がして、内心ちょっと残念だったりする。

 が、しかし。もっとも残念な第2話「死を呼ぶ暗号」は、一方で私にとってもっとも気になるシーンを含んでいる。その理由を説明すると、第2話「死を呼ぶ暗号」とダグラス・アダムス著『銀河ヒッチハイク・ガイド』のネタバレになるので、それがイヤだという方はこの先は読まないでください。



 いいですか? では、始めます。


 「死を呼ぶ暗号」の冒頭で、殺人事件が起こった銀行にシャーロックとジョンが乗り込む。殺人事件の調査を終え、二人は銀行が入っているビル(Tower 42)からエレベーターを降りて出てくる。この時、シャーロックとジョンの後ろに「42」という数字が見える。

 ジョン・ワトソン役のマーティン・フリーマンは、2005年公開の映画『銀河ヒッチハイク・ガイド』で、主人公アーサー・デント役を務めていた。そして 「42」と言えば、『銀河ヒッチハイク・ガイド』に出てくる「宇宙と生命と万物についての究極の答え」だ。日本人はともかく、イギリス人なら誰でも知ってる(←根拠なく断言)。

 私はTower 42には行ったことがないが、ビルの名前になっているくらいだもの、ひょっとするとフロアロビーの周辺には「42」の表記があちこちにあるのかもしれない。でも、ジョンの背後に 「42」を敢えて映したのは、ジョン・ワトソン=M・フリーマン=アーサー・デント、の連想でわざとやったにちがいない、と思う。

 とか何とか考えながら、火曜の夜、BSプレミアムでリアルタイムに第2話「死を呼ぶ暗号」を観ていてふと気が付いた。ちょっと待て、冒頭に出てきた「42」って、単なるM・フリーマン=アーサー・デント、という連想ゲームにとどまらず、そこから先の「死を呼ぶ暗号」のストーリー展開をも示唆しているんじゃないか?

 『銀河ヒッチハイク・ガイド』では、スーパーコンピュータが「宇宙と生命と万物についての究極の答え」を「42」と算出する。でも、「42」という数字が、どういう意味なのかは分からない。それを知るためには、「究極の答え」に対する「究極の問い」を計算してくれる別のコンピュータが必要となる。が、そのコンピュータはぱっと見には「コンピュータ」とは思わないようなものだった。

 「死を呼ぶ暗号」では、シャーロックは壁に書かれた暗号を割とあっけなく解読する。暗号の答えは、「15と1」といった数字だった。でも、「15と1」といった数字が、どういう意味なのかは分からない。それを知るためには、その数字の羅列に対応するテキスト=本が必要となる。が、その本は、ぱっと見には「本」とは思わないようなものだった。

 ほらほらほら。どちらも同じ構図じゃないの!