飽きもせず懲りもせず、Three Sisters Farmシリーズに続いてまたしてもジュヌヴィエーヴ・マッケイによるヤングアダルト馬小説のシリーズに手を出してしまった。
今回のDefining Gravityシリーズは、これまでで最長の全6冊。とは言え、最後まで楽しく余裕で読み通せる予感しかない。
主人公のアストリッドは、一代で事業を成功させ大金持ちになった強権的な父親と、継母マリオンと暮らすティーンエイジャーだ。アストリッドの実の母親はアルコール依存症で早くに亡くなっており、父親はアストリッドに、母親みたいなダメ人間になるなと叱ってばかりいる——というか、アストリッドに母親の姿を重ね見てイライラと怒ってばかりいる。おかげでアストリッドは万事につけて自信を持てずにいるが、たまたま始めたアーチェリーで才能を開花させ、ついに父親にも認めてもらえた、と思ったのも束の間、夏休み前にしぶしぶ行った友人宅のパーティーで騙されてアルコール入りのパンチを飲まされ、酔っ払って怪我をしてアーチェリーの試合に出られなくなった上に、激怒した父親から夏休みの間の罰として、アストリッドの別の友人、ヒラリーが通う乗馬スクールでの厩舎の下働きを命じられる。
父親としてはアストリッドが汗まみれ馬糞まみれで重労働するのをイメージしていたようだが、実際の乗馬スクールは手入れと掃除の行き届いた清潔な場所だった。おまけに、この乗馬スクールを指揮っている指導員のクラウディアは、アストリッドにも馬に乗ることをすすめてくれるのみならず、呼吸と体幹を意識して馬と一つになる方法を伝授してくれた。かくして、アストリッドの夏休みは、美しくて賢い白馬Quarryと共に過ごす素晴らしいものになると思われたが、クラウディアの息子コールが海外から戻ってきて、自分が買った馬Follyにアストリッドを乗せよう(そしてアストリッドの父親にFollyを高値で売りつけよう)と画策し始めるあたりから、またしても雲行きが怪しくなっていく。
ヤングアダルト馬小説ではありながら、主人公のアストリッドは物語の冒頭部分では馬にも乗馬にもまったく興味がない。友人のヒラリーが強引に貸してくれた乗馬の本にも当然ピンとこなかったが、そんなアストリッドが初めて「お、これは」と心が動いた本というのが、他でもない、"The Mighty Lipizzaner"。アストリッドは、私の大好きなウィーンのスペイン乗馬学校の馬たちが繰り広げる妙技の写真を目にして初めて「私もこれをやりたい」と思うのだ。
おおおおお。いい歳してヤングアダルト馬小説ばかり読んでいていいのだろうかなどと考えたりもしたけれど、今回のDefining Gravityシリーズは間違いなくこの私が読むべき本だった!



