「タダメシには引かれるな」
京都へ向かう車中で、若い女子二人が流ちょうな京都弁で恋愛話に花を咲かせていた。色恋では一枚も二枚も上手(かな?)な私はほとんどの内容は聞き流していたが、この言葉にはちょっと聞き耳を立てた。どうやら彼氏以外の男性から「夕ご飯を2人分買ったから」と誘われ、タダメシに引かれて会いに行った、との話らしい。「そうか、タダメシはそんなにも効果があるのか!」と、また一つ賢くなった気がしたのだった。
こんな開放的な京都市の南部、伏見区にあるのが京都市青少年科学センターだ。京都から地下鉄烏丸線に乗り、竹田駅で下車。そこから名神高速道路に沿って歩くこと約1㎞。藤森中学校を超えたところにセンターはある。建物は時代を感じさせるものだが、天体測候所が隣接していたり、屋外スペースにも展示があったりと、科学センターの名に恥じぬ素晴らしい施設だ。
(センターの入口へ)
屋内の展示場も特徴的で、他の施設では宇宙を中心とした物理化学関連の展示がメインの場合が多い中、当センターは恐竜の骨やその他の化石の展示、また昆虫の標本など、生物系の展示が中心だ。展示場の案内役のように設置されている動く恐竜は、ボタンを押すと動きながらしゃべりだす。その光景がとてもコミカルで、居合わせた子供たちが何度もボタンを押して喜んでいた。
(動く恐竜がいる展示場)
(蝶や化石の展示もある)
さてプラネタリウムだが、こちらも特徴がある。まず座席だが、他でもよく見られる平行に並んだ劇場型や同心円タイプではなく、解説者の席を中心にU字型に並んでいた。そして上映が始まる前に解説者が「どの座席が一番見やすいか」について熱く語っていた。ただし「どこが一番良い!」という話ではなく、座席の選び方のアドバイスといった内容だが、その話を聞いて席を移動する人もなく、「今日のお客さんはあまり私のアドバイスを聞いていないようですね」と少し不満そうだった。
プログラム(2018年3月)は解説者が「海に棲む生き物や植物に関連する星座」といったテーマに沿って45分間、星空を解説するものだったが、オリオンと月の女神アルテミスのデートの話や、こいぬの瞳が涙で震えていることなど説話に基づく内容、また通常私たちには見ることのできない昼間太陽が出ている時間の星空や、南半球の星座の話など、好奇心を満たすには十分な楽しい内容だった。また一般向けのプラネタリウム番組には珍しく双方向型で、観客にクイズを出すなど子供やカップル、また一人で来た人でも楽しめるよう工夫が凝らされていた。
(ドーム内)
そしてここにはプラネタリウムのマスコット、プララちゃんがいる。グッズなどの販売はないが、入り口やドーム内の映像でお目にかかれるこの子はとても愛らしく、宇宙から飛んできました感がとても微笑ましい。
(マスコットのプララちゃん)
また屋外施設には庭園に様々な岩石や日時計などが展示され、自由に散策できるようになっている。これらもとても興味深く、私はここで国歌にも登場する「さざれ石」が何者であるかを初めて知った。ともあれ気候の良い時にはここで知的好奇心を満たしつつゆっくり散策するのも良いだろう。
(日時計)
ちなみにこのセンターにはカフェや売店はないが、上述のようにプラネタリウムや展示の数々で十分に楽しめる。また係りのお姉さんたちもとても親切だ。たまには京都の中心地から少しだけ足を延ばして、いつもと違う休日を過ごすべくサイエンスの旅に出てみてはいかがだろうか。
(屋外展示場から見えるプラネタリウムドーム)
施設情報
名称:京都市青少年科学センター
所在地:京都府京都市伏見区深草池ノ内町13番地
投映機器:コニカミノルタプラネタリウム製 インフィニウムγII(光学式、京都市特別仕様機)
その他:マスコットのプララちゃん






