座頭市地獄旅 | へちまブログ

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「座頭市地獄旅」鑑賞。1965年、成田三樹夫さん30歳の映画。この映画で悪役俳優の地位を得たそうです。
 
座頭市って名前だと思っていたんですが、神奈川に行く船の中で市と仲良くなる浪人・十文字糺(成田さん)に、座頭の位をもらえれば市は名乗れるんじゃないのかということを言われ、市はただの市で昔からそう呼ばれていたと市(勝)は答えています。調べると江戸時代の障害者対策で盲人に階級を与えて、あんまや針などの技術を覚えさせていたようで、座頭はその階級の下のほうに属します。市については階級があったのかわかりませんでした。
 
話がそれましたが、任客(任侠をもって弱きを助け強きをくじく世渡り人みたいなもの)の市が江戸から船に乗り、いかさま博打などやりつつ、無類の将棋好きの浪人・十文字と仲良くなります。将棋を指しつつお互い腹の探り合いをし、十文字が仇討の敵として狙われている疑惑が浮上します。
 
十文字と市が将棋を指しながら心理戦に突入するラストのスリル、また、障子越しに間合いを図ってお互い斬るか斬られるかの緊張感、よくできています。畳に寝そべったまま市を斬ろうと刀に手を伸ばす十文字の指のしなやかさ、シャープな顔立ちと右手にピントが合っててなんともかっこいい。寝そべり方色っぽいのですよね。入浴シーンはサービスにしか見えませんでした(;'∀')
 
父の仇討兄妹と十文字のつながりが明らかになっていく見事さ、市に亭主を殺された女と市と間のほのかな情、何度も出てくるやくざのちょっとへっぽこなところ、いろいろな感情、人々のもつれあいが、ラストで一気に収束します
 
仇討兄が若き山本學さん。市を追うやくざのリーダーに戸浦六宏さん。戸浦さん、こうして見ると遠藤憲一さんに似てる?二人とも好きだった。
成田さんファンに見てほしいけど、映画の出来としてもよいと思います。
写真は成田さん3枚、山本學さん、戸浦六宏さん。勝さん撮り忘れた…