【やる気は誰のため?】
最近、コンサルやセミナーでも、
大きな声で言っているのが、
「頑張ってはいけない」ということ。
もちろん会社でそんなことを言えば
上司の人達はびっくりするのだが
実際に、
生産性、稼働率、社員定着率(離職率)、
社員満足度、顧客満足度、
そして利益率まで、
「頑張らない」ほうが良くなる。
実際、
人間が「頑張る」状態というのは
陸上競技で言えば、短距離走だ。
そんなに長いこと継続は出来ない。
スタートアップで1年で上場とかなら
まだわかるのだが、
日本的な企業は40年以上
同じ所に勤務するわけだ。
毎日頑張ってれば当然消耗し
息が切れ、続かなくなる。
5年がせいぜい。40年なんて無理だろう。
だから、会社のためでも、
働く人の為でもないわけだ。
では、
その「頑張る」を継続させる
「やる気」というのは、
誰のためなんだろうか。
結論から言うと、
「ダメな上司」のためである。
上司は部下を「動かす」事が職務だから、
「動いてくれている」というのを実感するために、
「頑張っている」状態を好む。
部下が楽しそうにしていると、
仕事をしていないと思いこみ、
不安になり、怒る。
やる気出せと。頑張れと。
それっぽく言ってみるが、
結果自分の不安をぶちまけているだけなのだ。
それによって、部下たちは
その仕事に向く人間は腐るし、
結果云々ではなく、
向き不向きでもなく、
ただ、上司の不安炸裂を避ける。
部下たちはみんな優しいから、
理由なき「頑張るパフォーマンス」を見せて
上司を安心させようとするのだけど
結果が出ないから上司は更に追い込まれる。
こうやって悪循環が生まれるわけだ。
日本企業のほぼ100%が
この状態と言っていい。
さて、翻って
良い上司というのはどうだろう。
部下がイキイキと楽しく仕事をしていると
安心する。
そしてそこに数字の結果が付いてくると、
何もしなくて良くなる。
それでいいのだ。
最高のマネジメントとは、
部下の提案に対して
「うん、いいよ」と言うだけで
全てが足りる状態だ。
本来はここを目指さなきゃいけない。
40年以上同じ仕事をしてもらう事を考えれば、
毎日全力疾走など絶対にさせてはいけない。
マラソン程度でも10年もたない。
できれば、テクテク歩くぐらいの感じだ。
この状態で、少し利益が出せるようにしておくのだ。
すると、周囲の全力疾走の企業は、
5年もすれば消えていく。
一人勝ちになり、他社で育成された人員も
流れ込んでくるし
テクテク歩きで良いのだから
仕事は楽だ。
すると、必ず会社を好きになる。
自分の好きな仕事で、
自分のペースで仕事ができる時、
人は
自分のペースで成長し、
自分のペースで活躍する。
人の成長の最速パターンは、
実はこれなのだ。
すると、自ずと結果は最大化する。
頑張らないほうが
結果が出るのは当然なのだ。
またこの時、このチームというのは、
時には「頑張る」事もする。
例えば、
「繁忙期」と呼ばれる時は、
気合を入れて根性据えて全力疾走する。
その時は肉体的にも精神的にも辛いから
言葉もキツくなる。
だがこれは、
日頃から余裕を持って
仕事をしているからこそ出来るし、
チームを信頼しているからこそ
やり切れるのだ。
この時上司は
頑張れとも、やる気出せとも言わない。
何が起きても大丈夫なように備え、
チームを支えるだけだ。
何も起きなければ仕事はしなくていい。
そして、日常に戻れば、
やはりテクテク歩きだ。
繁忙期をネタに笑い合う程度の余裕があれば、
すぐにチームの体力は回復する。
ここで間髪入れずに走れといえば、
あっという間に人は辞めるだろう。
わかるだろうか。
頑張れ頑張れ、
やる気だせー、モチベーションだー
ポジティブ思考だー
なんて言ってるうちは、
ダメ上司しか生まれないし、
社員全員に毎日全力疾走しろと
言っているのと同じ。
それでいい成果など生まれるはずがないのだ。
経営者は、「テクテク歩き」で
どこまで利益が出せるかを
とことん突き詰める必要がある。
上司は、やってるつもりの事全てが、
ただ自分の不安を部下に形を変えて
吐き出しているだけだとまず認識する必要がある。
部下は、
まず頑張ってはいけない。
目先の成果を出すことより、
毎日笑顔でいることのほうが
よっぽど大きな成果につながる。
という事だ。
やる気を求めるのは、ダメ上司。
ご理解いただけただろうか。
