元々〈Monday Park〉で、現在は略して〈MANPA〉という名前のよみうりテレビの月曜アニメ枠であるが、少し前にこの枠の中止を求めている人をTwitterで見かけた。

普通に見ていて問題というのではなく、録画する際に枠内のアニメを別々に録画予約できないのがいやなようだが、この苛立ちは半分わかるし、半分は残念である。

残念というのは、録るつもりのないアニメが撮れていることでマークしていなかった思いがけないものに出会う可能性があるからである。

「Hunter×Hunter」見るつもりで〈MANPA〉を録画予約してなかったら「ラブライブ!」を見ることもなかった、と思うと、アクシデントも大切だなあ、と思うんですよね。

で、そんなこんなで劇場版まで見届けた「ラブライブ!」については、また次の機会に。

HUNTER × HUNTER キメラアント編 BD-BOX Vol.4 [Blu-ray]/潘 めぐみ,伊瀬茉莉也,池田秀一


ゴンさん……
原稿を書くために坂口安吾について調べていたのだが、結局使えないことが今回もたくさんあった。おそらくどんな人でも調べたことの一割も使えないものなのではないかと思うが。

坂口安吾はウソを書けない人というのか、芸風としてみんなが言わないでいることをポロッと書いてしまうという傾向がある。ある意味空気を読まないとも言えるのだが、逆にサービス精神が強くて、みんなが自分たちは言えないけれど誰かに言って欲しいと思っている空気を汲んでサッと言っている、という感じでもある。

一例として1933年に行われた囲碁の本因坊秀哉名人と呉清源との対局にまつわるエピソードについて、「呉清源」(『文学界』一九四八年十月号 筑摩書房版全集07収録)では、

「呉氏良しという局面であったが、この時、秀哉名人が、一門の者を集めて、打ち掛けの次の打ち手を研究し、結局、前田六段が妙手を発見し、このお蔭で、黒の良かった碁がひっくりかえって、負けとなった。こういう風聞が行われているのである。」

と、本来あってはならない対局者への助言があったのではないか、という噂話として語っている。これは、まだいい。なにしろ噂は噂だ。
しかし、これが「明日は天気になれ 珍試合の巻」(『西日本新聞』一九五三年二月六日~十日 筑摩書房版全集13収録)だと

「このカンヅメは呉清源からの申出によるもので、呉清源がなぜこのような申出をしたかというと、今から二十年ほど前に当時五段の呉清源と本因坊秀哉名人とが対局したことがある。このとき呉清源必勝の局面が打ち掛けになったとき、坊門の棋士が総勢集まって研究し、前田六段(当時)がついに起死回生の名手を発見し、そのために碁がひっくり返って本因坊の二目勝になったという秘史があるからなのである。」

と、もう事実として書いてしまっている。なんだよ、「秘史」って。
数年前は慎重に書いたのにこの時は筆が滑ったのか、それとももう20年経ったので時効ということなのか。
いや、助言があったこと前提で書いたらダメだろ、おれ。

ちなみに、川端康成「名人」(一九五四年)でも、この話はふれられているのだが、

「ところが、この天来の妙手は、名人の弟子の前田六段が発見したものだという噂が飛んだ。真偽は分らない。その弟子は否定している。四月もかかったのだから、そのあいだに名人の弟子たちも、その碁をしらべてみたことはあるだろう。そして百六十の手を発見したかもしれない。妙手であるだけに、名人に言わぬとは限らない。しかし、名人も自分でその手を発見していたかもしれない。名人とその弟子以外の者には、わからぬことである。」(引用は『新潮文庫』による)

名人 (新潮文庫)/新潮社


うまい、これぞ大人の判断。たしかにワガランナァー。

ワガランナァー<ワガランナァー> (ビームコミックス)/KADOKAWA / エンターブレイン
7月開始アニメで曼珠沙華(ヒガンバナ)のイメージが使われていたのが複数あったように記憶している。何かは忘れたが。

北海道ではヒガンバナはあまり見かけなかったりするので、どういうイメージか掴みにくい視聴者もいるかもしれない。
いや、フィクションから知識や何かの認識を得るということもあるので、それはそれでいいのでしょう。

そういうわしも曼珠沙華という名前を知ったのは手塚治虫の「どろろ」だったしね。

どろろ (第2巻) (Sunday comics)/秋田書店


おそらく、現代日本文化における花の表象について、というテーマは十分卒論になるよね。

フローラ逍遥/澁澤 龍彦


タイトルはこちらからいただいてます。

でんしょのはなし (マイクロマガジン☆コミックス)/マイクロマガジン社


原稿の関係で戦後まもなくのプロ将棋界についての本を読んでいる。
どういう状況だったのかというのは今まで読んだり見たりしてきて自分では大体わかっているのだが、人に説明するとなるとやはり大体とはいかず文献を調べなくてはならないのである。
こういうのもエビデンスって言うのかね。

それで気づいたのがこの時期の主役格のプロ棋士のうち、塚田正夫名誉十段の取りあげられ方が少ないということである。

名人経験者で永世称号保持者で日本将棋連盟の会長も務めた大棋士なのにまとめた評論もない。
木村義雄、升田幸三、大山康晴の3人は日本図書センターの〈人間の記録〉に自伝が収録されているのに、塚田正夫だけがない。あ、いや自伝自体ないのかな。

大山対升田、それに伴って『毎日新聞』対『朝日新聞』の対立構図で語られがちな戦後のプロ将棋界を、別の角度からどのように見ていたのか、できれば書き残しておいてもらいたかったものです。

塚田の新詰将棋 (1977年) (必勝将棋シリーズ)/新星出版社


著書も新刊で手に入りにくくなってるのね。
本日で前期の担当講義が終了した。まだレポート受け取りとか採点とかあれこれあるわけだが、話は一気に飛んで後期の大学院の授業について。

昨年はいったん休んだ大西巨人「神聖喜劇」を今年はまた読みます。
著者が亡くなってからは初めてということになりますな。

神聖喜劇 (第5巻) (光文社文庫)/光文社


しかし、この主人公の東堂太郎という男、陸軍に召集されて後、訓練兵のうちの落ちこぼれグループと親しくなるのだが、他人の好意に鈍感なところがあって、自分が彼らから慕われていることあまり気づいていない感じである。
大学の先輩の将校からかわいがられているようでもあるのだが、その援助に感謝はしつつもやはり好意を意識していないように読める。
東堂の直接の敵にあたる登場人物ですら、彼の能力には一目置いているようなのだが、それにも気づいていないように読める。

つまり、ハーレムもののライトノベルやアニメの主人公みたいなキャラクターなわけです。元祖天然タラシの罪な男なのかもしれない。

さらに言えば、〈信用できない語り手〉としても元祖かも。ハーレムものは一人称ばかりではないけれども。

織田信奈の野望(GA文庫)/ソフトバンククリエイティブ
5月は4本。

http://anime-kyokai.com/
これについては5月に既に書いている

http://www.geass.jp/akito/
第3章。

http://patlabor-nextgeneration.com/movie/
秋公開のディレクターズ・カット版も見る予定。

http://sarusuberi-movie.com/
春夏秋冬。

6月は1本だけ。映画見る以外のイベントが多かったのである。

http://www.lovelive-anime.jp/sp_countdown.html

7月もまだ1本だけだが、それについてはまた来月。

それにしてもテレビアニメの劇場版多いね!

デート・ア・ライブ
昨日書いたジュブナイルSFアニメの定義の一つに「ラッキースケベ」的な場面がないことを挙げておいたが、これはジュブナイルSFが少年小説を起源に持つことと関係する。

少年小説の世界 (角川選書)/角川書店


少年小説は盛んに書かれ読まれた時代の制限もあって、性的な要素を排除している。児童文学のように親や教師によってすすめられて読むというものではないが、しかし彼らの検閲をクリアすることは意識されている。

その点で、現代のライトノベルは性的な要素を含む際どい場面、まさに「ラッキースケベ」を採用したものを含んでいるという点で、単純に少年小説の後継者とは言いがたい。

ライトノベルから見た少女/少年小説史: 現代日本の物語文化を見直すために/笠間書院


この本ではライトノベルの起源に安易にマンガ・アニメを置くことを戒めており、少女小説/少年小説という起源を導入することを提唱している。論旨にの後半には賛同できるが、少年向けジャンルにおける性的な要素という観点を持つと、やはり少年マンガやアニメの影響を無視することはできないのではないだろうか。
特に少年マンガは社会と戦いながら、性に斬りこむ表現を開拓してきたのだから。

例えば永井豪。
ハレンチ学園 (1) (徳間コミック文庫)/徳間書店


イヤハヤ南友 (1) (扶桑社文庫)/扶桑社


キューティーハニー プレミアムBOX ( 初回限定生産 ) [DVD]/増山江威子,富田耕生


たとえば石森章太郎。
人造人間キカイダー 2 (サンデー・コミックス)/石ノ森 章太郎


番長惑星 1 (秋田文庫 5-46)/石ノ森 章太郎


その究極形は中西やすひろですかね(画像・リンクは自粛)。

(続く、かどうかはわからない)
昨日細田守監督の映画「時をかける少女」が放送されていたが、原作はもちろん筒井康隆のジュブナイルSF。

時をかける少女 [Blu-ray]/角川エンタテインメント


時をかける少女 (SFベストセラーズ)/鶴書房


ストーリーや設定は大きく変えているものの、「実は未来人だった」という重要な部分はそのまま残していて、初見の時はびっくりしたものですよ。
いやいや立派なジュブナイルSFアニメでした。

このジュブナイルSFアニメというのは、実はTVアニメでもほそぼそと作られ続けている。
いや、作り手がそういうジャンルとして作っているわけではないだろうし、その定義は実に個人的なんだけれども。

6月終了分のだと、「放課後のプレアデス」がそう。
放課後のプレアデス 第三巻〈初回限定生産版〉 [Blu-ray]/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


その前だと「アルドノア・ゼロ」。
アルドノア・ゼロ 10/アニプレックス


遡れば「ムリョウ」とか「ノエイン」とか「電脳コイル」とか「シュタゲ」とかも含まれるのだが、定義としてはこんな感じ。

・少年少女がメイン登場人物。
・科学知識が作中で語られ、ストーリー・設定にかかわる。
・「ラッキースケベ」な場面や「父揺れ作画」などの描写がなく、親子(声を合わせてウホウホ言ってるようなオタク親子を除く)で気まずい思いをせずに見ることができる。

なので、「パンチライン」は絶対含まれません!(ほめ言葉)

パンチライン 1[Blu-ray]/アニプレックス


(続く、かもしれない)