新型コロナの影響で、大学の講義・演習はコンピュータとインターネットを用いて遠隔で行うことになっているわけだが、たとえばこれが20年前だったら完全休講になるか、リスクを冒して通常どおり教室でするしかなかったのだなあ、と思ったりする。
しかし、もう少し考えると20年前はこんなパンデミックが起っただろうか、とも思えてきた。なぜなら、その頃はこんなに外国から人が日本に来ることはなかったからだ。
実際に日本政府観光局による統計を見てみると、昨年の「訪日外客数」が3188万2049人、その20年前の1999年は443万7863人と7倍くらいに増えている。この数字だけ見ると、もう少し小規模な流行で収まったのかもと思えてくる。
ただ、同じ統計表の「出国日本人数」は1999年1635万7572人、2019年2008万669人と2割強増えたくらいなので、帰国する日本人から流行が広がるリスクはあまり変わらないのかもしれない。
とはいえ、(あまりにも雑な計算だが二つの数字を足して)出入りした人数が2079万5435人から、5169万2718人になっているわけなので、2.5倍に増えたのはやはり影響したよなあ、と思わざるを得ない。
だから、20年前に同じことが起ったら? というのは前提が成り立たないことになるのだろう。
しかし、今回もたびたび取りあげられていた100年前の「スペイン風邪」の流行というのはどういうことなのだろう、と思って調べてみたら、大流行した1918年から1920年が戦争と植民地の時代だったのが大きかったようだ。
日本も、台湾や朝鮮半島を植民地にし、中国大陸や沿海州にも兵隊を送っていたし、民間人でも一旗揚げようと海を渡った人たちは多かったわけで、それが大流行に繋ったわけですね。
坂口安吾の「風博士」は「スペイン風邪」から10年少し経って発表された小説だが、インフルエンザが出てくる。やはり当時、「スペイン風邪」の記憶は強いものだったのだろうし、発表から半年も経たずに「満州事変」が起っているので、戦争と植民地が背景にあることは意識しなければならないのだろう。





























