【コラム13-01】

 「スコアラーはどこを歩くべきか」問題

 

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【Enjoyゴルボラ!】の目次

 

 

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  →【Enjoyゴルボラ!】その13(Ⅳ.2.スコアラー[前編])

 

 

・ゴルフトーナメントにおいて採用される

 帯同スコアラー(ボランティア)は、多くの場合

 選手のショット・パット後のボールのライ

 (フェアウェイ・ラフ・グリーンなど)を登録する

 業務をしています。

 3人または4人の選手のショット結果を注視

 しなければいけない業務であり、それを確認できる

 場所にいなければなりません。

 ボールのライを確認・入力するのは短時間であり、

 それ以外はコースを18ホール歩いています。

 

・では、選手に帯同して業務を行うスコアラーは

 どこを歩くべきでしょうか。

 帯同スコアラーを担当するボランティアには、

 どこを歩くべきかについて注意深く考えている人と

 無頓着な人がいるのですが、ボランティア本部内

 では比較的頻繁に語られる話題です。

 

・ということで、日頃自分なりに考えていることを

 整理しました。

 

・まず、歩く場所を言葉で表すと以下のようになると

 思います。

 

  ①フェアウェイ(真ん中や端っこ)

 

  ②ファーストカット(セミラフ)

 

  ③両サイドのラフ

 

  ④カート道

 

 

 

 以上の①~④のいずれか一つだけを歩かなければ

 いけない。ということではありません。

 状況によっていろいろな場所を歩く必要が出て

 きます。

 明らかに足を踏み入れてはいけないのが、

 グリーン上とバンカー内です。

 (たまにバンカーに落ちるボランティアがいるそうですが...。)

 

・「帯同スコアラーをしたい!」と思うボランティア

 個人の希望や思いから、「歩きたい(と思う)場所」に

 ついてはさまざまな意見があることは承知して

 います。

 その上で今回は、「どこを歩くことを基本として

 業務を行うことが望ましいか」との観点で私見を

 記載していきたいと思います。

 

 

 

・スコアラーの業務説明を行う運営側のスタッフ

 からも歩く場所が指定されることもあります。

 これも基本的な歩行場所であり、ボールのライ

 確認のためにフェアウェイ横断することなどは

 許容されています。

 しかし、運営会社スタッフが伝える歩行場所には

 いくつかあります。

 速報業務を担当する運営会社の違いや大会に

 よっても指定歩行場所が異なりますね。

 例えば、「①フェアウェイの端」「②セミラフ」

 「③ロープ際のラフ」などです。

 残念ながら「④カート道」を歩いてほしいという

 指示は聞いたことがありません。

 業界としてスコアラー(ボランティア)にはここを

 基本として歩いてもらう。という統一されたものは

 ないようですが、「ライを正しく入力することを

 優先してほしい。」という気持ちは共通していると

 思われます。

 そのため「カート道を歩いてほしい。」という指示が

 されないのだと考えます。

 なぜなら「カート道を歩いてほしい。と言ったが

 ために正しいライ情報が得られなかった。」という

 ことを心配されていると感じるからです。

 また、「スポンサーロゴがついたウェアを着ている

 ボランティアには積極的にフェアウェイを歩いて

 もらってもよい」という意見のスタッフも

 いましたね。

 

 

 

・一方でボランティアの一部からは、「またフェア

 ウェイの真ん中を歩き続けていた。」とか「グリーン

 サイドに立ち続けていた。」といった他の

 スコアラーに対する不満や注意喚起の声が聞かれる

 ことがあります。

 個人的にも、フェアウェイの真ん中を歩き続ける

 ことやグリーンサイドに立つことには大きな

 違和感を感じます。

 「そこを歩き続ける理由は何?」「そこに立ち続ける

 理由は何?」と聞きたくなってしまいます。

 

・では帯同スコアラーが歩くべき基本的な場所

 どこなのか。

 最低限の業務の目的(ア・イ)と配慮事項(ウ・エ)から

 シンプルに考えればよいと思っています。

 

 <最低限の業務の目的>

 

  (ア)選手のショット・パットが確認できて、

    ボールのライを確実に把握できること。

 

  (イ)(希ですが)競技委員要請時にすぐに対応

    できること。

 

 <配慮事項>

 

  (ウ)自分が選手のプレーの邪魔にならないこと。

 

  (エ)選手のプレー環境(対ギャラリー)を維持

    できること。

 

・上記(ア)~(エ)を念頭に置いた帯同スコアラーが

 歩く基本的な場所を自分の思いとして記載します。

 さまざまなご意見があると思いますが、「選手の

 プレーフィールドに極力入らないように業務を行う

 をベースに以下のように考えます。

 配慮事項(ウ)から、まず①フェアウェイや

 ②ファーストカットは除外されます。

 フェアウェイにいるスコアラーは、選手の

 ショットの邪魔にならないように(NGエリア

 入らないように)動き回る頻度が多くなりますし、

 適切な場所にいなければ選手やキャディに注意

 される恐れが高いです。

 また、ボール落下地点の③ラフについては、

 ハザードとして長く深く密度高く育成されている

 試合もありますから、多くのボランティアが常時

 歩く場所として適切ではありません。

 どう間違えてもボールがの落下地点になり得ない

 エリアのラフはこの限りではないと思いますが。

 またローピングの外側はギャラリー通路ですから、

 スコアラーが歩いてもよいラフです。

 ということで、基本的な歩行場所は④カート道だと

 考えます。

 何もトラブルがなければ、ほぼカート道を歩く

 だけで18ホールの業務を終えることができる

 トーナメントコースは少なくありません。

 しかし、以下の場合はカート道を歩くことが

 できないため、ラフのローピング沿いなど適切な

 位置取りをして歩きます。

 

 

 

  A.カート道が遠回りで選手に追いつけない場合。

 

  B.カート道がコースよりも低い位置を通って

   いて、長い時間選手の姿が確認できない場合。

 

  C.馬の背状のフェアウェイで自分と反対側の

   ボールのライが確認できない場合はコースを

   横断する。

 

  D.ギャラリーが多く歩きにくいカート道では

   選手に追いつけない。

 

  E.トラブル時や競技委員要請時は(どこで

   あろうと)選手がいる場所に行く。

 

  F.トラブルで3選手の位置が前後に大きく離れ、

   最後尾の選手の場所から前の選手に

   追いつかなければいけない場合。

 

  G.プレー中も選手がカート乗車できる試合では、

   選手よりも前方を歩くようにするものの、

   遅れそうな場合にはラフの端などを歩く。

 

  H.ローピングの内側にあるカート道。

   (ローピングに近ければカート道を通りたい。)

 

  I.コースの途中で左右横断することがわかって

   いるカート道の場合、自分のコース横断を

   避けるためグリーン出口側と同じサイドを

   歩く。

   (コース横断の前後どちらかでカート道を

    通らないことになる。)

 

・自分がカート道を歩きたい理由がいくつか

 ありますのでご紹介します。

 

  ①フェアウェイでは選手よりも前を歩くことが

   できない。

   選手が前後にばらついたり、コース

   ロケーションによっては、少し前方を歩きたい

   ことがあるが、その際は結局左右サイドに

   よけて歩くことになる。

 

  ②選手のショット時に「NGエリア」に入らない

   よう、いちいち自分の立ち位置を変更しなくて

   よい。

   カート道を歩いていても(特に右側の)カート道

   では、選手の視界に入らないよう木の陰に

   隠れることもある。

   カート道付近に打ち込んだ選手は周囲に

   ギャラリーがいるため、自分の「NGエリア」を

   多少許容している(と思われる)ため

   フェアウェイにいるより選手の邪魔になる

   度合いは少ない。

 

  ③ローピングに近いため、選手のトラブル

   ショット時に杭撤去など対応しやすい。

 

  ④ギャラリー整理しやすい。

 

  ⑤芝の上のように小さなコブがないため

   歩きやすい。

   ただし、底が硬めのくつの場合は芝の方が

   歩きやすいこともある。

 

  ※NGエリア:ショットやパットする選手が周囲の

        人にいてほしくない場所です。

        ショットの飛球線上の前方は危険

        回避の目的で、後方はエチケット

        としてNGです。

        飛球線後方のNGエリアは選手に

        よって気にする広さが違いますし、

        選手の正面や背後でもその距離に

        よっては気にする選手がいますから

        注意が必要です。

        飛球線後方にギャラリーなど多くの

        人がいる場所では気に

        ならなくても、そこにスコアラー

        だけが立っている場合は多少

        遠くても邪魔になります。

        パットライン上の前後もNGです。

        ピンの向こう側にスコアラーが

        ポツンと見えているのは迷惑です。

        各選手のパッティングラインを

        見ながら自分の立ち位置を探し

        移動しなければいけません。

        NGエリアに入らないようにする最も

        簡単な方法はギャラリーに紛れ込む

        ことかもしれませんね。

 

・最後に「フェアウェイを歩きたい人」が(強くor漠然と

 orなんとなく)信じ込んでいることや考えている

 こと、または無意識に感じていること、暗黙の恐怖

 観念や誘惑について想像できる範囲で記載します。

 これが正解かどうかはわかりませんが、「言葉」

 として具現化することでそれについての意見や

 考えが関心惹起されるきっかけになればと

 思います。

 

  ①単にトーナメントコースのフェアウェイを

   歩きたい。

 

  ②なるべく選手の近くにいたい。

 

  ③選手のプレーを近くで見たい。

 

  ④ボランティアはギャラリーが入れない

   ローピング内に入ることが許されているので、

   なるべくローピング内にいて優越感を

   味わいたいし権利を行使したい。

 

 

 

  ⑤最短距離を歩きたい。

 

  ⑥テレビカメラに映りたい。「放送で見たよ。」と

   言われたい。

 

  ⑦スタッフにフェアウェイを歩くよう言われた。

   (「フェアウェイの端っこ」と言われても「端っこ」

    は聞かなかったことにして真ん中を

    歩き続ける。)

 

  ⑧ボールのライを近くで確認しなければ

   ならない。と思っている。

 

  ⑨コースのメンバー(の一部の人)は、自分の

   ホームコースであるとの意識からフェアウェイ

   を歩くことに抵抗感がない。

 

 以上はボランティア個人が考えたり感じたりして

 いるであろうものばかりです。

 個人的には「私事」は二の次とし、「最低限の業務の

 目的」と「配慮事項」を意識して歩く場所を選ぶべき

 だと思います。

 ゴルフボランティアをする目的や動機は自由で

 いいと思いますが、選手などに迷惑をかけずに

 任せられた業務をこなすことを優先するべきだと

 思っています。

 

・近年、関西のボランティアの多くに、「フェアウェイ

 (の真ん中)を歩くスコアラーはかっこ悪い。」という

 感覚が定着してきているように感じます。

 テレビ映像で、フェアウェイを歩く選手の後ろに

 映っているスコアラーの姿を見ると、確かに

 「かっこ悪い」と思ってしまいます。

 

・スコアラーがフェアウェイを歩くことを気にする

 選手やキャディ、全く気にならない選手や

 キャディ、さまざまかもしれません。

 であるならば、気にする選手たちがいる前提で

 考えますから、意味なくフェアウェイに入ることは

 やめる。という結論になりますね。

 さらに言えば、フェアウェイに限らず「選手の

 プレーフィールドに極力入らないように業務を行う

 ことだと思います。

   →コラム10-01

    プレーフィールドに入ること

 自分も含めて必ずそれが実現できるかどうかは

 別として、意識するだけで不要に選手のプレーを

 止めてしまうことがグッと少なくなるのでは

 ないでしょうか。