*このブログは必要に応じて修正や追加を行っていきます。
*リンク
Ⅳ.ボランティア業務の種類
8.練習場
・トーナメント会場の練習場での業務です。
・スタート前およびラウンドを終えた後の
練習をする選手の対応です。
・朝一番から夕方最後までの業務ですから、
通常は「早番」「遅番」の2班体制で行われる
ことが多いですね。
大会最終日の練習はスタート前のみですから、
遅番業務はありません。
[A] ゴルフ知識の必要度
{不要}(ゴルフの知識は不要です。練習場での
各業務の目的を把握しましょう。)
[B] 主たる業務
①選手が使用するボールを準備します。
用意されたカゴに指定数のボールを
入れます。
打席数や出場選手数(一組の選手数3サム
or4サム)によって、特にスタート前は
練習球数に制限がある場合があります。
1選手25球までとか30球までなどです。
②ティを準備します。
選手が使用するティをテーブルに置いて
おきます。
ボウルなどにドッサリと置く場合が
ありますが、3本ずつ並べて置く場合が
多いですね。
ティの下にタオルなどを敷いていますが、
選手やキャディが掴みやすいという
メリットがあります。
「なぜ3本ずつ?」との個人的な疑問、
未だに不明です。
大会によっては、ティが用意されていない
場合もありますので、選手からの問合せ
にはその旨お伝えしましょう。
③バケツの水を交換します。
練習打席の後ろにクラブを洗うバケツや
ブラシ、タオルが設置されています。
バケツのミズノ汚れ具合をみて、定期的に
水を交換しましょう。
タオルも汚れたりビショビショになって
いる場合には、よく洗ったものと交換
しましょう。
④目土を行います。
芝の育成のためには、ターフ跡の目土は
早めに行いたいですね。
しかし、トーナメント会場では、
「選手の練習」が優先事項です。
これには2つの意味合いがあります。
a.当たり前ですが選手に打席待ちを
させてまで目土は行いません。
b.もうひとつは、打ちやすい打席を
維持することです。
練習でボールを置くライやスタンスの
足下に土があることを嫌う選手は
多いのではないでしょうか。
目土のためターフ跡以外にも砂が
散ってしまい、選手から「打つ場所が
ない!」とのクレームがあったそうです。
その話を聞いたのは一度だけでは
ありません。
実際に試合中もずいぶん以前から
選手やキャディは目土を行わず、
一日の終わりや大会の終わりにコース
関係者が目土を行うようです。
目土をしてしまうと早いスタートの
組と遅い組の選手とで不公平になる
というのです。
「砂の上よりもターフ跡の方がマシ」と
いうことなのでしょうか。
練習場業務で目土を行うかどうかは、
事前にスタッフに確認しましょう。
⑤(折れ)ティを回収します。
練習で使用したティを自分で回収してくれる
選手は多くはありません。
折れたティも折れていないティも打席周辺や
数メートル先まで散乱します。
打席の空き具合をみながら回収しましょう。
⑥カゴを回収します。
選手の練習が終わったら、空になったカゴを
打席から回収します。
練習後に空カゴを受付まで持ってきてくれる
選手もいますが、打席付近に放置される
場合も多いです。
残念なことですが、上位ツアー経験が長い
選手ほど空カゴを放置する人が多いように
感じますね。
もちろん個人差が大きいのは言うまでも
ありませんが。
カゴの数が少ない大会では、受付で準備を
するカゴが不足することがあります。
ラウンド後の球数制限なしでは、2カゴ3カゴ
打つ選手もいますが、1カゴ目を打っている
最中にキャディが2カゴ目をもらいに来たり
します。
そんな時には、打席に空カゴがあれば、
選手が練習中でも回収に行きましょう。
カゴのボールを全部出してから練習を始める
選手もいますから。
⑦ボール拾いをします。
プロトーナメントでは何千球という練習
ボールが用意されます。
指定練習日から本戦の3日間または4日間、
この練習ボールで練習します。
毎日1~2回、ボール拾いを行います。
練習場の担当ボランティアは数名ですが、
この時だけはスタッフやアルバイトが
応援にやって来ます。
もちろん規模が小さい大会では、
ボランティアだけでのボール拾いになる
こともありますが。
ボール拾いは「ピッカー」という機材を
使用しますが、数が足りなければ手拾いに
なることも少なくありません。
ピッカーにはさまざまな種類があります。
ピッカーまたは手で拾ったボールを手持ちの
小さなカゴに入れます。
そのカゴがいっぱいになれば、練習場の
あちこちに置いた大きめのカゴに入れます。
最後にスタッフが乗った軽トラやボール回収
カートなどが大きめのカゴを回収するという
流れが一般的ですね。
完全に人海戦術です。
ボールの多さや、練習場の広さ、回収する
人員数にもよりますが、だいたい
20~30分間で完了します。
ボール拾いのタイミングは、本戦では
スタート前の全組の練習が終わってから
行います。
日没が遅い時期では、ラウンド後にも
行います。
この時は打席周辺からアプローチエリア
だけの回収で終わることもあります。
指定練習日やプロアマ日は練習の途切れる
時間が決まっていませんから、ボール拾いの
開始時刻をあらかじめ選手にアナウンス
しています。
クラブハウス内や練習場に、
例えば 12:00からボール拾いを行うことを
貼り紙でお知らせしていますね。
⑧ボールを洗います。
練習で使われたボールの汚れ方はさまざま
です。
雨天時やその後は芝の状況にもよりますが、
ボールは汚れやすいです。
回収したボールは、ドラム式や自動式の
機械にボールを入れて洗います。
通常は水洗いですが、会場によっては
洗剤を入れて洗うこともあります。
⑨ボールを拭き上げ分類します。
汚れを落としたボールの拭き上げをします。
1球1球をタオルで拭くという手作業です。
ボールの種類が複数あることがほとんどで、
拭き上げたボールを仕分けしていきます。
希にボールを洗わない大会もありますが、
その際はできるだけきれいにボールを
拭き上げましょう。
花屋敷ゴルフ倶楽部よかわコースの
練習場のように、ボール洗いから乾燥までを
行う自動式では、ボールの分類だけで
済みますからとても助かりますね。
通常の大会ではボールの種類は2・3種類です。
しかし、2021(R03)年の東京オリンピックでは
11種類のボールが使われていました。
⑩最終日には梱包します。
最終日のスタート前の練習が終われば、
ボール拾い→洗い→拭き上げをした後に
次の大会会場に向けての発送準備をします。
梱包用ダンボール箱の中の透明ビニルに
ボールを入れ、箱をガムテープで梱包
します。
箱が閉まる程度にいっぱいに積めますが、
個数を数えることはしていませんね。
⑪もう一つ忘れていました。
「選手名表示」業務です。
スタンレーディースの練習場では、打席が
プレートで区切られており、その後方に
選手名を入れるパネルがあります。
練習用担当はやって来た選手の名前を
パネルに入れます。
顔を見てすぐに選手名がわかる人には
有利ですし楽しい業務ですね。
ちなみに2020(2021(R03))年
東京オリンピックの練習場でも選手名の
プレートを設置する業務がありましたが、
外国人選手の名前がわからずに苦労
しました。
失礼ながら選手本人に名前を尋ねたり、
ボールを受取りに来るキャディに選手の
名前を聞いたりしました。
[C] コツ・気をつけること・面白み
①練習打席やその周辺の作業は選手の練習の
邪魔にならないようにしましょう。
タイミングがなければ、無理にティ回収や
目土を行う必要はありません。
②ボール拾いの際には、コースボールや一般
ゴルファーが使用したと思われるボールは
拾わないようにしましょう。
大会が始まる前の練習場は、大会側が
持ち込むボールと混ざってしまわないよう、
一旦きれいにボールを回収しているはず
です。
しかし練習ボール以外のボールも(必ず)
落ちています。
拭き上げる際の分別作業を減らすためにも
練習ボール以外は回収しないように
しましょう。
大会側が用意するのではなく、コースの
練習ボールを使用した大会もありましたね。
③拭き上げたボールを分ける際には、
その種類を間違わないようにしましょう。
リズム良く拭き上げ作業をしていると、
ついつい間違えて別のカゴに入れてしまう
ことがあります。
違う種類のボールが混じっていることも
あると思いますし、選手は必ずそのことに
気づくでしょう。
それでも選手からの注意などは聞いたことが
ありません。
黙って使ってくれているんだと思います。
ですから、よけいに間違えないように
したいですね。
④大会によっては、業務場所が練習場の
1箇所だけではなく、練習グリーンや
アプローチ練習場、バンカー練習場など
複数箇所にわたる場合があります。
担当するボランティアは、チーム分けのうえ
ローテーションすることでそれぞれの場所の
業務を楽しめるのではないでしょうか。
⑤練習グリーンやアプローチ練習場、
バンカー練習場では、グリーン上の
ボール回収が主たる業務です。
ピンの周りにはすぐにボールがいっぱいに
なりますから、なるべく早くきれいに回収
してあげたいと思います。
それでも回収のタイミングは練習をしている
各選手の様子を見ながら判断しましょう。
例えばアプローチしたボールがピン周りの
ボールに当たってばかりで練習にならないと
思うかもしれませんが、選手は案外気にして
いないものです。
打った感触でスピン量を感じますから、
ボールの落下地点でおおよその
フィーリングが掴めるからだと思います。
「カップに入れる」練習だけをしている
わけではないですから。
また、ボール回収は手拾いが理想的ですが、
注意して使えば一部のピッカーならOK
だと思います。
ただしバンカーレーキでグリーン上の
ボールを一掃するのは、たとえ練習
グリンーであるとはいえ、いかがなものかと
思ってしまいますね。
⑥練習場での制限事項を知っておきましょう。
使用する練習場の広さや周囲の条件で特有の
制限事項があります。
これは使用するクラブ制限など選手向けの
内容ですが、ボランティアとしても把握して
おきましょう。
制限クラブを(コントロールしたり
しなかったりして)使って練習する選手も
いますが、ボランティアとしては関わる
必要はないと思います。
練習ボールの紛失球が増えてしまう
のですが。
[D] 余裕があれば(必要に応じて)して
ほしい業務
①選手が練習する打席の場所は毎日
変わります。
大会期間中に使用する芝生の打席エリアを
日ごとに区切っています。
スタッフが白ロープを張って当日の使用
エリアを区画するのですが、その指定場所
以外(翌日使用する場所)で練習する選手も
います。
ロープや看板の位置を変えてしまう悪質な
選手・キャディもいます。
(練習場の「ルール」を守れない時点で
ゴルファーには不向きな人かも
しれませんね。)
すでに多くの選手がスタート前の練習を
した当日エリアは、芝生が残っている場所も
少なくなっています。
ラウンドを終えた選手で翌日のエリアを
使いたい気持ちもわかりますが、もし
そのような光景を見つけたら、そっと注意を
しましょう。
もしご自分で注意できなければ、スタッフに
連絡して対応してもらいましょう。
一人の選手が翌日エリアで練習していると、
二人三人と増えていってしまいますから。
[E] しないほうがよい行動・するべきでは
ない行動
①練習に見入ってしまわないように
しましょう。
練習場業務はビッシリと業務が詰まっている
わけではありません。
ボール拾いやボール拭き上げ以外では
フリーな時間が多いと思います。
その時についつい選手の練習に見入って
しまうことがあります。
選手の練習を見てもよいと思いますが、
スタッフですから後ろで見ている
ギャラリーと同じようにはならないように
したいですね。
特にお目当ての選手の後ろにわざわざ
パイプイスを持って行き、足組座りを
しながら見入ってしまう様は何とも
かっこ悪いと言わざるを得ません。
選手の練習はさりげなく見たいものです。
②最後まで練習する選手にプレッシャーを
与えないようにしましょう。
練習場のクローズ時刻ギリギリまで熱心に
練習する選手がいます。
最後は2人になり、1人になります。
レギュラーツアーではキャディなども
いますが、下部ツアーではほんとに
1人だけで黙々と練習している風景もよく
見かけます。
このような時に練習場を担当する複数の
ボランティアがその練習に視線を一斉に
向け続けるのはよくないと思っています。
さらには、手にピッカーなどを持って
ボール拾い準備万端で練習が終わるのを
待っているのもよくないです。
「あなたが最後の一人ですよ。早く練習
終わってほしいな。そしたら我々はボール
拾いが始められるし、早く帰れるのに。」
みたいな空気感を感じてしまうのは
私だけでしょうか。
練習を終えた選手の多くは、申し訳
なさそうに練習場を出ていきます。
そんな思いを選手に与えないよう、
ボランティアは内輪の会話で時間を使うなど
して、むしろ選手を見ないようにして
あげたいと思います。
③絶対にやってはいけないことです。
至極当たり前のことですが、(これだけ
たくさんあるなら...と)ボールを持って
帰ってはいけません。
2023(R06)年の初開催大会で複数の
ボランティアによって練習ボールの
「盗み」が行われ、スタッフから厳重注意
されたようです。
ボランティア全体の品位を落として
しまいますし、第一れっきとした犯罪です。
絶対にやめましょう!
・次回は「スタート係業務の内容」について
記載します。
●これまで経験してきたゴルフボランティア活動で見て
聴いて体験したことをなるべく初心者目線で記載して
います。
また、「こんなボランティアになれたらいいな。」という
個人的に考える「あるべき姿」も少し記載したいと
思います。
記載内容に誤りがあったり、経験者の方からの
ご意見なども伺いたいと思いますので、このブログの
コメント欄または以下のアドレスまで連絡を
いただけると幸いです。