安心して「死にたい」といえる場所を奪わない | 子育ては「聞く」が9割でうまくいく~心理学ブログ

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3つの「聞く」技術があれば、子育てのムダ叱りも イライラも ストレスも 減ります!
小学校教員 9年間の経験を生かした、子育ても 生きるのも 楽になるヒントが詰まっています。

こんにちは。和久田ミカです。

 

昨日の記事の続きです

 

 

高校生のころ、トップテンという番組を見ていたときに、岡田有希子さんというアイドルが 泣きながら歌っていました。

 

司会者の方が、

 

「高い場所だったので、こわかったのですね」

 

とフォローしていましたが、私は何か違和感をおぼえました。

 

 

確かに 数メートルあるセットの上で歌っていたとはいえ、安定感のある大きな台。

 

彼女は、その高さ以上に、何かにおびえているような、そんな感じがしたからです。

 

まもなく彼女は、事務所の屋上から飛び降りました。

 

 

これは推測でしかないのだけど、彼女は もう命を絶つことを、決めていたのではないかなと感じました。

 

あの台にのったとき、そのこわさを予見して 震えたのではないか、と。

 

 

SOSは出ていたのだと思います。

 

アイドルという大きな枠の中で 苦しみ、誰にも 本当の苦しさを伝えられなかったのではないでしょうか。

 

大きな魅力がある女性だっただけに、とてもショックだったことを覚えています。

 

 

 

話は変わりますが、私が 教師をし始めたころ、クラスのAくんが

 

「死にたい。でも、誰にも言わないで」

 

と打ち明けてくれたことがあります。

 

私は新任教師だったので、どうしたらよいかわからず、

 

「何かあったの?」

 

と彼の話を聞きました。

 

まだ 放課後に子どもがクラスに残っていても おおらかな時代。

 

他の子たちを帰した後、ゆっくり話を聞きました。

 

 

A君は、お母さんとの関係、お母さんががんばってることへの感謝、でも期待に応えられない自分…

 

ポツリポツリと話してくれました。

 

「こんな自分に、生きている価値はあるのだろうか?」

 

そう感じているように聞こえました。

 

 

何を伝えたらよいのかわからず、ただただ

 

「そうなんだね。そうなんだね。それは苦しいね。でも、私はA君が大好きだよ」

 

と話を聞きました。

 

 

 

私は教諭になる気はなくて、ずっと講師として教師をしてきました。

 

そこでの任期は2か月間だったので、まもなく他の小学校に赴任し、3年後に またその小学校に戻りました。

 

 

A君は中学生になっており、他の子たちと一緒に 大勢で小学校に遊びに来てくれました。

 

「A君、元気?3年間会えなかったけど、どうしてた?」

 

そう聞いたら、

 

「うん。なんか、あのとき先生に『死にたい』って話せたら、楽になった」

 

誰にも言えないで自分の中に抱えていたことが、つらかったのだそう。

 

 

「他の先生には話せなかった。
 

 説教を始めるからね。

 

 死んじゃダメだとか、生きてればいいことがある、とか絶対言うと思う。

 

 余計なお世話だよね。僕の話なんて全然聞いてない。

 

 先生は、他の先生とは全然ちがってたから、話せた」

 

今思い出しても 涙が出そうになる言葉です。

 

 

 

私が意図してそう接したわけではありませんでしたが、

 

 私が新任で、説得できるだけの話術を持っていなかった、

 

 当時は 子どもたちを仲間として見ていたので、彼が何を言っても 否定しなかった、

 

そんなところを、彼は気に入ってくれたようでした。

 

 

 

あれから30年たちます。

 

A君元気かな?

 

と ふっくらした横顔を、たまに思い出します。

 

 

話は変わりますが…

 

以前、川崎で20人が死傷する通り魔事件が起きたときがありました。

 

実行犯は、パソコンもスマホもなく、話す人もおらず、という環境だったとのこと。

 

もちろん、事件は絶対にあってはならないものです。

 

しかし、彼の孤独は、想像を絶するものだったのだろうとも思います。

 

 

私は、消えてなくなってしまいたい時期に、SNSに救われました。

 

ネットがない時代のパソコン通信でのチャット・オフ会。

 

まだブログがない時代のホームページ開設。

 

ブログの前身のような、SNS。

 

希薄な人間関係だからこそ、本音が言える場だった。

 

 

「死にたい」

 

とは書けなかったけど、

 

「あなたは悪くない」

 

そう言ってくれる人たちのおかげで、なんとか 自分を取り戻す瞬間がありました。


被害者意識まんさいの時期だったけど、あれはあれで、必要な時期だったのだと思います。


 

 

あのとき、

 

「誰かの悪口を発信するなんて、悪いことだ」

 

「家族にSOSを出して!」

 

「どこかに相談しましょう」

 

なんて書き込まれてたら、かなり苦しかったけどね、

 

それができないから、または それをしたところで どうにもならなかったかたら、ネットに逃げているわけで。

 

 

幸い、私の味方になって聞いてくださる方が多かったので 救われました。

 

今と違って、誹謗中傷する人が 少ない時代だったのも幸いして。

 

そんな暗黒時代を経て、今の自分がいます。

 

 

 

「死にたい」といえる場所を奪わないでほしいな。

 

「死にたい」は、そのくらい辛い思いをしている、ということ。

 

手垢のついた言葉ではあるけど「死にたいは、生きたい」の時も多い。

 

 

誰か話を聞いてくれる人がいたらいいな。

 

ただうなずいて、話を聞いてくれる仲間がいたらいいな。

 

そんなふうに思います。

 

相手はたとえ、本名すら知らない相手であってもいい。

 

 

 

そして、ゆくゆくは お互いが聞き合える時代になりますように。

 

言葉に惑わされずに、その人の奥にある気持ちを 受け止められるような聞き方が、広がっていきますように。

 

私もまだまだ未熟ですが、そんな世界を作る手伝いを、これからもしていきたい。
 

 

 

こちらの記事も参考までに、リンクを貼っておきます。

 

座間市9遺体事件:もしSNSで「死にたい」を見つけたら…精神科医が語る、みんなにできること

 

 

  

 

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