
熱心な医師とその患者の間で起こりやすい、といわれるトラブルがあります。
医師は「あなた(患者)のために」と、さまざまな治療を行います。
患者は「効果がない」と抵抗を示します。
すると、信頼を得ようとしてますます「あなたのために」、無意味な治療や検査を追加し続けるというものです。
患者は ますます「効果がない」と抵抗をし、悪循環に陥っていきます。
この根っこにあるのは、2つです。
医師は「自分はすばらしい・役に立つ」ということを 証明したい。
患者は「医師はやぶ医者だ。役に立たない」ということを証明したい。
お互いに、無意識ですが、目的を持って 行動しているのですね。
でね。もっと患者さんの根っこを掘っていくと出てくるのが、親への怒りです。
医師=自分よりも目上の人=親 なのですねん。
つまり、医者へ不信感をあらわにし、挫折させることで、親へ遠まわしに復讐しているのです。
最後は 医師を見切って、ちがう医師へ受診しにいきます。
こういう状態を、投影といいます。
医師をみたときに、親への思いがフィルターになって、昔の感情が思い起こされるのですね。
もちろん、無意識なのですけれどねん。
私が教師をしていたときに、いわゆる「理解ができない苦情」を言ってくる保護者の方も、少し こういった思いがあったんじゃないかな、と思います。
心のからくりに 自分で気づくことができたとき、親から本当の意味で自由になります。
私は そういうお手伝いもしてきたいなあと思っていますよ。