不妊治療中「こわい」と言えませんでした。 | 子育ては「聞く」が9割でうまくいく~心理学ブログ

子育ては「聞く」が9割でうまくいく~心理学ブログ

3つの「聞く」技術があれば、子育てのムダ叱りも イライラも ストレスも 減ります!
小学校教員 9年間の経験を生かした、子育ても 生きるのも 楽になるヒントが詰まっています。

ゆるっと☆にこママコミュ代表・和久田ミカです。

セッションを受けてくださっているTさんからのメールを、承諾を得てご紹介しますね。

孫を授かったご両親に、不妊治療をがんばったことをほめてもらいたい、という気持ちがわきあがってきたTさん。

サロンで直接お会いできたので、いろいろな手法を使ってお話をお聞きしました。

$子育ては「聞く」が9割でうまくいく

過去(治療中)の私と対面して,つらかったこと・苦しかったことを話し,

また,その頃の自分になってお母さんに言って欲しかったことを言ってみたり,

今の自分から過去の自分へ,その時の気持ちを言ってみる中で,最後に,過去の自分に

「こわかったね」

と言ったとき,涙が出そうになりました。(中略)

実は,がんばりを認めて欲しいと思っているのは、(両親ではなく)自分自身に対してだった,ということが目からウロコでした。

治療中の私は,「こわい」と言えませんでした。

「つらいつらい」とは言って夫に話していたけれど,自分で望んで受けている治療に文句を言うことは許されないと思っていたから。

誰のせいでもない誰のためでもない不妊治療。「だったら止めれば?」の一言が怖かった。

『がんばったけど妊娠出産できなかった』と言うことになる未来が怖かった。その時は受け止められなかった。

「(精神的・肉体的・経済的な)痛い思いが無駄になる(=妊娠できない)のが怖かった」

だから,今の状況を

「そんなに大変じゃないこと(期待しない分ガッカリも少ない)」だと思おうとしていました。

そんなに大変じゃない,から,まだまだ頑張れるんだ,と思って先に進もうとしていました。

「もっと大変な人もいる」と自分のつらさを「小さいこと」だと扱われるのも怖かった。

だから人に言わなかったし,言う時は自分から「大丈夫なんだけどね~」と軽い感じで話しました。

怖さを感じないようにするために,鈍感であろうとしました。

でも逆に敏感になっていたような,気がします。(中略)

あの時の自分,ありがとう。と,心から思います。思って,自分で言ってみます。



不妊治療は、先が見えない治療です。がんばったからといって、成果が出るかどうかもわからない。

セッションで、過去のTさんになりきっていただいているとき、体が硬直していました。

心も固くしていたのでしょう。固くしないと、乗り越えられなかったのでしょう。

メールを読んでもわかります。心ではなく、思考が自分を 納得させようとして、いろいろつぶやいていますね。

・そんなに大変じゃない
・まだまだ頑張れる
・大丈夫なんだけどね~
・もっと大変な人がいる

これ、どれも心の声ではなく、思考です。

感情を感じないように、一生懸命 思考で覆っています。


一通り、過去の思いを味わった Tさんの体の中から出てきた言葉は「こわい」でした。

胸の奥から「こわい」とつぶやいたとき、Tさんの目に涙がうるんでいました。

治療中は「こわい」と感じられないほど、いろいろなものを 我慢していたのですね。

そして、

「両親からほめてもらいたい、ねぎらってもらいたい」

という思いは、

「自分が自分に対して『認めていない、ねぎらっていない』」

という思いとつながっていたことを感じました。

Tさん、シェアをありがとうございます。私ももらい泣きしそうだったよ~(T_T)


がんばらなくちゃいけないとき、我慢しないと心が壊れそうになるとき、あります。

そんなとき、ぜひTさんのシェアをお役立てくださいませ。