つづきです。
私が 単身赴任先から帰った ある休日、家内が 私に 突然宣言しました。
今日から 私は ○○の味方になる。
今までは あなたを立てないといけないと思って、おかしいと思っても、
やり過ぎだと思っても黙っていました。
これからは あなた言いすぎ、おかしい、変、止めて、と 子どもたちの前で 言います。
あなたが 私の言っていることが 違うと思っても、子供の前では 議論しません。
喧嘩になっても 子どもの味方に なります。
○○が落ち着くまで、いつになるか わからないけど、無条件で 私は○○の味方ですッ!
衝撃でした。
彼女は、自分が 息子を守ってやれなかったことが 原因だと 理解したのです。
私は 彼女と息子を そこまで追いこんでいたことに、気が付き 自分を 責めました。
家族のためと思い、仕事に没頭し、一部上場企業の部長職まで 過去最短で 出世し、
不自由なく暮らせる 給料を稼ぎ、そして、結果的に 家族を失いかけた。
人生と家族について、立ち止まり、振り返り、弟と二人の妹のために 身を挺した
(もちろん そんな意識は ないでしょう)
長男は そんな役目を 果たしてくれたように 思います。
ある時彼が言いました、「僕は お父さんと お母さんの 実験材料だったの?」
家内が答えたのは
「ごめんね、
お母さんも お父さんも はじめての子育てで 解らない事だらけだったんだ。
でもお陰で◇◇達に 同じ思いをさせなくて 済んだ。
○○には 悪いと思っているけど、決して 実験なんて思っていない。
だだ、君が 実験材料だったのかと 思う気持ちはわかるよ。
だって、君が叱られた 同じことしても 弟や妹は叱られないものね。
それを叱っちゃいけないと君に教えてもらった。
でも、つらい思いをさせちゃったことは 謝るね」
その時のことを思い出すと 今でも 涙があふれます。
息子の 心の声を 聞いたような気がします。
この子は ずっと そんなことを思っていたのかと、親として情けなく、夫として妻に申し訳なく、
そして それを気付かせてくれたことを ありがたく。
私は 家内と息子に 心の底から 感謝しています。
家族を守ってくれたのは、家内の母親としての 限りない息子への 無垢な愛情だと思っています。
つづきます