さっきまでの会話なんて、
すっかり頭から離れ、
もうどうでもよくなってた頃。
ブブッ。
ポケットの中のスマホが震える。
歩きながら、なんとなく取り出す。
開いたら、一行だけ。
「それ、やってみたら?」
瞬間、
さっきまでのやり取りを思い出す。
ああ、あれ。
余計なこと、言わなきゃよかったやつ。
あの場で誰も食いついてなかったじゃん。
なんで、わざわざ送ってきたんだ?
別に、本気で言ったわけでもないし。
…前から、
たまに浮かんでは消えてたやつ。
あの時は、いけるかも、って
一瞬だけ思いかけて…
でも、すぐに、別の声が重なった。
どうせうまくいかないし。
変に思われるだけ。
それに、
「うまくいくと思ってたの?」
「そんなわけないじゃん」
って言われるのがオチ。
返信しようかと指が伸びかける。
「うーん、まあいいか」
やらない理由なら、いくらでも出てくる。
画面を閉じて、スマホをしまう。
すれ違った女子高生の笑い声が、
やたらと耳に刺さる。
さっきまで気にならなかった雑踏が、
やけにうるさい。
終わったはずなのに、
なぜか、終わっていない感じがする。
…そのままにしておくと、どうなるんだろう。
その続きは、ここに。
