今年の桜は遅咲きですね。
豊田市の実家へめずらしく娘と息子も一緒に帰りまして、岡崎城の桜を両親も一緒に観に出かけました。
まだ二分咲きくらいでしたが、お天気も良く、平日なのにかなり賑わっていました。
最近は御朱印集めはやめまして、ご城印集めをはじめております。
さて、3月もいろいろとコンサート鑑賞をさせて頂きました。
オペラ『月の影』では、私の歌の先生が光源氏の正室の葵上の役で出演されていまして、
光源氏役の井原先生は、井原先生の門下生コンサートの伴奏を娘が一部担当させて頂いておりますご縁がありまして、楽しみに伺いました。
女君たちの着物や身のこなしの美しさ、光源氏のかっこよさに見惚れて、楽しいひとときでした。
20日は、名古屋駅前のヴァイオリンショールームでのコンサートに、娘がヴァイオリンの久永さんとのデュオで出演させて頂きました。
選曲がどれも素敵なヴァイオリンの名曲でしたが、
モーツァルトとベートーヴェンの音色の違いがよく出ていて、よかったです。
ピアノソロでは、
シューベルトの即興曲 Op.90-2でしたが、この曲は娘も私も昔から大好きな思い出深い曲だったので大変うれしかったです。
まだ娘が小学4年生の終わりの3月に、岩野めぐみ先生の門下生コンサートの見学に初めて伺った時に、
この曲を娘より一学年だけ上の小学生の方が、素晴らしい演奏をされて、他にも素晴らしい演奏をされる少し年上の先輩がいらして、それは私たちにとって大変衝撃的な出来事で、
娘も岩野先生の門下生にして頂きたいと決心した思い出深い曲の一つでした。
シューベルトは難しいというイメージがあり、中学、高校ではチャレンジすることなく過ぎ、
大学一年の夏に県芸の鈴木先生と、ウィーンの大学教授に即興曲第3番をレッスンして頂きました。
大学3年の晩秋に、5人のピアノ演奏者の家族と鈴木先生と少しの学部生の方の前での非公開の演奏会があったのですが、
その時娘が演奏しましたのが、
シューベルトの3つのピアノ曲 D.946でした。
(この演奏会では点数はつきませんでしたので平和的に終えました)
そして、大学4年の卒業試験演奏会で、娘が選んだのが、シューベルトのピアノソナタ第19番 D.958でした。
この卒業試験ではまだ自分らしい演奏というものが確立しておらず、迷走中だったこともあり結果も当然芳しくなく、
私と娘は価値観の対立から喧嘩状態になりました。
大学の試験なのだから、しかも卒業のかかった最も重要な試験なのだから、大学教授の先生方にウケの良い点数の取りやすい曲をなぜ選ばなかったのか、
首席卒業を強かに狙ってほしかったと、
私は娘に我を押し付け酷な言葉を浴びせました。
(それは娘の将来を思えばこそ、できることならば首席を取らせてあげたいのが親の願いなのですが)
娘は、「私には首席をとれる力はないし、一年かけて準備する卒業試験曲だから、研究したいと思える大好きなシューベルトの曲を選んで何が悪いの。
たとえ点数が上がらなくても、それが今の私だから何も後悔はしていない。」
それが娘の言い分でした。
学部卒業試験曲の選曲については決裂したまま、院生になり、もう子離れしなきゃいけないし、私は一切口出ししないようにしていましたら、
何も言わずとも、娘の中でシューベルトは封印したかのように、シューベルトには蓋をしたまま大学院の2年間を過ごし、
大学院修了の最後の試験では、比較的点数が上がりやすいと思われる、ドビュッシーとシューマンを選びました。
試験結果についてあれこれ言いたくなかったので、
私はあえて仕事を入れ、試験会場へは
足を運びませんでした。
首席には残念ながら及びませんでしたが、同立2位だったとのことで、
喜びの春を迎えることができまして、心から安堵しました。
という訳で、シューベルトを封印して2年後の春に、即興曲 Op.90-2を、この20日のコンサートで演奏させて頂く少し前に、岩野めぐみ先生のレッスンを受けまして、
本番では、コンサート会場の良い響きにも助けられ、シューベルトらしい低音と高音がしっかり打鍵された清々しい演奏になっていまして、
(学部の頃まではこのメリハリの効いた劇的な演奏というものがなかなか難しく苦戦しておりました)
シューベルト封印にまつわるモヤモヤ感は吹き飛び、県芸での6年間のすべてが感謝に変わりました。
コンサートの途中で、バロック時代のヴァイオリンと、現代のヴァイオリンの違いについて、実際のヴァイオリンを見せて頂き、解説をショールームの方がして下さり、楽しく素敵なコンサートになりました。
アンコール曲は、クライスラーの「美しきロスマリン」でした。
このコンサートの後すぐに天白文化小劇場に移動しまして、岩野めぐみ先生の門下生コンサートにも出演させて頂きました。
曲目は、シューマンのクライスレリアーナより第1、2、7曲でした。
終演後に大学院修了インタビューもして頂き、
小学5年生からお世話になり、毎年3月に13回も出演させて頂き、思い出いっぱいの門下生コンサートからもいよいよ卒業の時を迎え、涙、涙でした。
どんな時も娘に寄り添い、励まし、応援して下さる恩師、岩野めぐみ先生とお写真を撮って頂きました。
娘の出演するコンサートに、門下生の皆さんやそのお母様方にも度々足を運んで頂き、素敵なご縁をたくさん頂いてきまして、岩野先生には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
素敵な花束も頂き、誠にありがとうございました。
この日は演奏会のはしごを初めて経験しまして、時間に間に合うかハラハラ大変でしたが、なんとか間に合ってよかったです。
そうしましたら、なんと、ヴァイオリンショールームコンサートにもお越し頂いていた娘のファンの方で、こちらの門下生コンサートにも移動されて鑑賞して下さった方がいらして、驚きと共に本当に有難いことと感謝申し上げます。
(どちらでこの門下生コンサートの情報をゲットされたのかがすごいです 笑笑)
そして、23日の夜は、名曲カフェ エグモントにて、ソプラノ2人のデュオによるスプリングコンサートでした。
3人とも明和高校音楽科の同期生でこんな素敵なコンサート企画をされ、プログラムも訳詩もきちんと作成され、娘は伴奏をさせて頂き、ピアノソロもぜひと言って下さり、またシューベルトの即興曲Op.90-2を演奏させて頂き本当に感謝でした。
私は特に、シューベルトの「ご存じでしょうかあの国を」が好きでうるうるきまして、
日本の歌もメドレーでたくさん聴かせて頂きましたが、まっかな秋という歌が、あまりにも懐かしくて、
確か子ども時代によく学校やお風呂で歌っていたような記憶があり、なんだかじーんときて癒されました。
ソプラノ2人によるデュエットがさすがとても上手で美しく聴き惚れておりましたが、きっと合わせ練習は結構大変だったのではと思います。
上の3人の写真はアンコール曲の竹下牧子作曲の「竹とんぼ2」にちなんだポーズなのだそうです。
そして、25日は大学院の修了式でした。
あいにくの雨模様でしたので、外で写真が撮れず残念でしたが、
合唱やパイプオルガン演奏などあり、華やかな卒業式でした。
私も送迎ついでに保護者席に着席させて頂きました。
6年間もお世話になりありがとうございました。
そして、27日は、東急ホテルにて、
大学からの推薦を頂きまして、
名古屋名北ロータリークラブ音楽奨学生の表彰式でした。
小学生の頃から同じく岩野先生の門下生であり、明和高校音楽科→県芸大→県芸の大学院と同じように歩んで来られました高浪くんとご一緒に娘も
ソロでそれぞれ演奏させて頂いたそうで、
大変光栄なことと感謝申し上げます。
この受賞に伴いまして、
5月13日に名古屋大学豊田講堂ホールにて
開催されますキャンパスコンサートに
2人がピアノソロで出演させて頂きます。
18:00開演で入場無料、申込不要となっておりますので、お時間ありましたらぜひお出かけ下さいませ。
アンコール曲で初の連弾をさせて頂く予定ですので楽しみになさって下さい。
このキャンパスコンサートに出演できたらいいなぁと一昨年あたりから心の片隅で私は願っておりまして、(娘も願っていたらしいです)
音楽奨学生の件も、大学から推薦して頂けたらどんなに素敵だろうということを6年間願い続けておりましたが低迷期もありまして、まさか最後の最後に叶うとは、
これは本人が諦めずに音楽への情熱を持ち続けてきたということと、奇跡的な強運を感じずにはいられないものがあります。
娘を励まし支え導いて下さった全ての皆様に
深く感謝申し上げます。
長くなってしまいましたが、今日もお読み頂き、ありがとうございます。