アレルギー反応に小児漢方のエース
小建中湯の登場
本日は前回に引き続いてアレルギー症状のことについてお話をしていきます。
よろしくお願いします。
前回の記事
まず、アレルギー症状を引き起こす物質、いわゆるアレルゲンというものが必ず存在します。
例えば、食品（小麦、卵、牛乳）、ハウスダスト（ほこり）、カビ、家庭用品に含まれる化学物質、貴金属などを総称して言います。
これらが皮膚や鼻の粘膜や目から体内に入り込むと、
その物質を特異的に認識した免疫グロブリン（抗体）によって肥満細胞が刺激されます。
その肥満細胞からヒスタミンが遊離して、
そのヒスタミンが体内に分布する特定のタンパク質（受容体）と反応することにより、
血管が拡張し、血管透過性が亢進して痒みなどの症状が現れます。
これがアレルギー反応、症状ということです
このように体内から取り込む場合もあれば、
皮膚などへ直接接触する刺激により、じんましんとなって現れる場合もあります
ヒスタミンは痒みとなり、プロスタグランジンは痛みとなって現れます。
アレルギー症状の現れる場所の多くは、皮膚や目、鼻で、お薬もそれに対応します。
皮膚にそのまま塗ったり、目に点眼したり、鼻に点鼻したりとする外用薬を用いる場合が多いですが、
今回は内服用アレルギー薬（鼻炎用内服薬を含む）についてお話を進めていきます
まずは、代表的な例で言いますと、
先ほどの肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応することを阻止する抗ヒスタミン薬です。
配合成分で言いますと、ジフェンヒドラミン、メキタジン、アゼラスチンなどです。
続きまして、抗炎症薬です。
配合成分で言いますと、
グリチルリチン酸、トラネキサム酸、生薬ではカンゾウです。
最後に、交感神経系を刺激して鼻粘膜の血管を収縮させて充血や腫れを和らげるアドレナリン薬です。
配合成分で言いますと、
プソイドエフェドリン、メチルエフェドリン、フェニレフリンなどです。
教科書の記載ではアレルギー反応の出る部位によって多少、
配合成分の種類が変わりはしますがおおよそこのような感じです。
内服する際の注意事項は、
外用薬と併用する場合は成分が重複しないように用いることです。
また、一般用医薬品には、
アトピー性皮膚炎などの慢性湿疹の治療に用いることを目的とするお薬はないということが記載されています。
くれぐれもご注意してください
ところで、お話が少し変わりますが、
２日ほど前の金曜日に夏休み中の次男を連れて漢方妻がお世話になる医療機関へ受診しました
どうしてかといいますと、
先日の我が家の緊急事態で出現しましたアレルギー反応です
漢方妻や長男が中心となり掃除を徹底しましたおかげで、私自身と長男の目のかゆみはかなり軽減しましたが、
もともとアレルギー体質の漢方妻や次男はなかなか症状が軽快しません。
そこでまずは次男の両肘と手の湿疹の症状をなんとかしてあげたいという思いから受診を決意しました
処方されました漢方薬は
小建中湯（しょうけんちゅうとう）です。
気虚証のお薬です。
処方箋の一部抜粋
これは医療用医薬品で医師（Dr）の処方箋によって使用されることを目的として供給されるものです!
半年ほど前より私自身の服用する六味丸をそのまま次男にも用いていましたが、
せっかくの機会であるため六味丸も併せてDrに相談して処方してもらいました。
小建中湯は小児のかんのところでも登場する漢方薬としましても有名です。
小児の虚弱体質の体質改善にもってこいの漢方薬です。（小児鎮静剤）
アトピー性皮膚炎のファーストチョイスの黄耆建中湯の成分から黄耆だけを取り除いた処方です。
成分に膠飴（こうい）、いわゆる、あめが入っているため味は甘く子供向けです
その小建中湯と以前から使用しています保湿剤を用いて、
２ヶ月あまり様子をみていこうとDrと治療計画を立てることになりました。
小児漢方のエースでもある小建中湯に任せることに…
つづく
