彼は、三人称を使ったアファメーションの達人だったのです。 | 『TMダイエット〜T理論と気功で頑張らずに痩せる!?』

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偉大な先達たちによると、洗脳も、気功も、コーチングにおける非言語コミュニケーションも、日常の中で必ず見出され、僕たちはすでにそれらを経験済みだったことがわかります。用語が少しばかり奇抜で奇異に見えるので何か特別な営みのように僕たちは感じてしまいますが、実は僕たちのすぐそばにある概念なのです。

 

非言語コミュニケーションは特殊な技術ではありません。これは人が人に対して影響力をどうやって与えるかという話で、世間一般で頻繁に使われているものなのです。

日常会話の中にもありますし、私たちが気づかずにいつもやっていることの中にもあります。

人の心に内省言語を生み出すことは少し敏感になれば誰でもできます。例えば、最もわかりやすいのがCMです。多くのCMがしているのは商品の正しい説明ではなく、視聴者に恐怖を植え付けることです。「その洗濯物臭ってませんか?」「いつまでも太っているつもりですか?」「まな板は雑菌だらけ」などなど、これが第一声でどこにも商品の説明はありません。

でも、視聴者の心には「これは聞いておかないとマズいかも」という内省言語が発生しています。発生したら、そこで初めて商品説明が始まります。

(『オーセンティック・コーチング』p.p.116)

c.f.ご主人様はかねてから、ご兄弟全員の中でお坊ちゃまがいちばん自分に似ているとお考えでした 2022年08月05日

 

 

その抽象度の高みから先達たちの遺してくれた文章を読めると、だいぶ頭の通りがよくなります。気功、内部表現の書き換え、内省言語の発生、それらは至る所で見出せるのです。

 

元祖コーチで苫米地博士の師匠であり友人であった、故ルー・タイスの著作にこんな一節がありました。

 

優れたリーダーというのは、他人にポジティブなアファメーションを与えることに長けています。以前、アメリカのエリート兵士を訓練するフォートブラッグ陸軍基地に行ったことがあります。将軍一人とヘリコプターのパイロット二人、そして迷彩服を着たボディーガード二人が、空港で私を出迎えてくれました。バーナード・レフキ将軍が、「あなたを基地までご案内いたします」と言いました。私は彼の肩に星の勲章があるのに気づきました。彼は陸軍准将だったのです。

「申し訳ありませんが、ボディーガード二人も一緒です。わたしはKGBに狙われているので」

そのときわたしはこう思いました。

「いったい、私はこの人と何をするというのだろう?」

ヘリコプターに乗ると、将軍が言いました。

「ここではとても重要な訓練を行っているので、私は捉えられるかもしれないのです」

そして、敵が彼に関心を持つ理由を説明してくれました。彼は五つの銀勲章と四つの青銅星賞を受けていました。陸軍士官学校を卒業し、ベトナム戦争に四回従軍し、ロシア語、中国語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語を話すことができます。外交関係の博士号とロシア語の修士号を取得し、米州防衛委員会の委員長を務めていました。

その晩の将校クラブでの夕食のとき、将軍と私が会話に夢中になっていると、ニック・ロー大佐がそばを通りかかりました。将軍は手を伸ばして大佐の腕をつかみ、彼のことを私に紹介してくれました。

「この男は、私が知るかぎり世界で最も勇敢な男です。捕虜として北ベトナムで五年も独房に監禁されて、五年目の年に脱出しました。この基地では、いかに勇敢さを保つか、いかに生き残るかを教えてくれています」

そして、大佐の腕を離しました。

将軍は私は利用して、自分がどれほど大佐を称賛しているか、どれほど勇敢だと思っているかを大佐に伝えました。大佐の肩に腕を回して直接伝えたりすることはできません。そこで、私に話しかけるようにして、実は大佐に話しかけていたのです。私が二四時間滞在しているあいだ、彼はこういったことを何度も繰り返しました。彼は、三人称を使ったアファメーションの達人だったのです。しかも決してお世辞ではなく、常にその人物の真に賞賛すべきところを語っていました。

(『アファメーション』p.p.391-392)

 

このように苫米地理論における内部表現の書き換えに相当する「アファメーションを与えること」は、軍のような組織でも見出せるものなのです。そして将軍クラスの人は、その書き換えに非常に長けているのです。

 

※陸軍ではなく海軍、そして海軍大将と言えばこちらの映画

c.f.過去は水に流せ(『トップガン マーヴェリック』) 2022年06月04日

 

そして僕たちはここで非言語コミュニケーションをも見出すことができます。すなわち、あくまでもレフキ将軍がロー大佐にルー・タイスを通じてアファメーションを授けることで、書き換えが起こっているということです。

 

レフキ将軍とはどのような人でしょう?

 

ルー・タイスの記述によると、KGBに狙われているためボディーガードが二人つくくらいの重要人物です。そして、「五つの銀勲章と四つの青銅星賞を受けて」おり、「陸軍士官学校を卒業し、ベトナム戦争に四回従軍し、ロシア語、中国語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語を話すことができ」、「外交関係の博士号とロシア語の修士号を取得し、米州防衛委員会の委員長を務めてい」る、そのような存在です。

 

そのような軍人としてトップクラスの人間が、さらにテクニックとして第三者を介することで、より強烈な書き換え(アファメーションを与える)を行うことができます。そこには上述の通りの非言語となっている将軍の経歴が前提としてあります。

 

それをルー・タイスは「信頼」と言います。

 

レフキ将軍がロー大佐に対して影響力を持っていた理由は、レフキ将軍が高い信頼を得ていたからです。私にも「あなたは、私が今まで会った中でいちばん勇敢な人です」と言うことはできたでしょう。でも、同じ言葉なのになんの影響力もありません。なぜなら、ロー大佐は私には信頼を寄せていないからです。大佐はレフキ将軍のことを大いに信頼していたため、将軍が「この男は勇敢だ」と言えば、それは真実になるのです。

(『アファメーション』p.p.396)

 

だから、単に称賛したから書き換えが起こったわけではないのです。ルーも自身に将軍が大佐に与えたような影響力はないと書いています。あくまでもトップクラスの軍人が部下に第三者を介して事実に基づいたアファメーションを与えることで書き換えが起こります。

 

そう聞くとこう疑問が浮かぶかもしれません。

 

「アファメーションを与えたり、内部表現を書き換えたり、内省言語を生成させたりするのって、ほとんどの人はできないんじゃね?」

 

と(へライザーっぽく)。

 

答えはイエスでありノーです。確かにルーが紹介しているような将軍と同じ書き換えはできないかもしれません。なぜなら僕たちはトップクラスの軍人ではないからです。

 

ただ僕たちは僕たちでそれぞれできる書き換えがあります。すなわち、自分が真摯に自分のゴールを追い求めていく中で手にした確信を持って思えることはそのまま書き換えにも使えるということです。

 

例えばウチで共有しているアファメーションは「強運」です。僕を含めてメンバー全員がやたら運に恵まれているので、それを都度都度確認し共有することで、さらにそれを強めています。なので運気を上げたいと思う人は、セミナーに来るといいと思いますw

 

話を戻して、ヒーラーなり、メンターなり、コーチなりといったゴール設定のお手伝い(クライアントの内部表現の書き換えや内省言語の発生)を仕事にする人間は、そもそも自分自身がゴールを設定し、それを追い求めていることが前提となります。また自分自身が自分のヒーラーやメンター、コーチのセッションやセミナーを受ける中で非言語の情報を浴びまくっているのも前提となります。

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その上で他者を書き換える理論や技術を学ぶと、これまでの自分の経験や受けた書き換えが整理されて、それが自分の中で手触りのあるものに変わります。

 

たぶん、コーチになるような人は、ほとんどが自分の心と身体をコントロールして、自分のゴールを達成できるようになっているはずです。しかし、その段階はまだクライアントの段階で、コーチになるにはもう一段階あるのです。

(『オーセンティック・コーチング』p.p.107)

 

その手触りのあるそれが、僕たちができる書き換えになります。どんなに些細なものでも、それが自分にとっての武器になります。

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【余談】

あの人が映画『JOKER』の続編に登場するようです。楽しみですね〜

 

 

 

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日本のJOKER(?)二人の著作も非常に面白かったです。自伝の類で、サクッと、でも手に汗を握りながら読めますからぜひ!!