前々回(第164回配信)、事務管理の登場する場面を見てみましたね。
ツーリングの帰りにパンクしたバイクを路上駐車して帰ったQちゃん。たまたま通りかかったA君が親切心でこれを軽トラに乗せ街のバイク屋さんまで運んでくれましたね。A君の行為が事務管理です。
(参考)事務管理の発生場面(第164回配信のスキットから引用)
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設例:Qちゃん、自慢の単車(KawasakiZ450)で単独、美しい紅葉の山中をツーリング。しかし、帰りの人気もまばらな国道で運悪くパンク。日も暮れかけて来たので脇道の薮に駐車してヒッチハイクすることに。結局通り掛かりの軽自動車のおばちゃんに乗せてもらい帰宅、翌朝知り合いのバイク屋さんに回収してもらうことにした。
しばらくして、たまたまバイク仲間のA君(地元米”ササニシキ”生産農家の御曹司)が実家の兄の軽トラでそこを通り掛かり、Qちゃんのバイクに気づく。遠くでは、よくこの辺りにたむろする地元のヤンチャな子たちの改造バイクの爆音が聞こえている。
A君は早速Qちゃんに連絡したが通じない。このままだとKawasakiZ450は間違いなくは少年たちのオモチャにされる。そこで同乗していた叔父さんに手伝ってもらいバイクを軽トラに乗せ街まで戻ると、すぐにA君行きつけのバイク屋さんへ納車した。
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今回は、事務管理の当事者の義務(=相手の権利)を見ておきましょう。
●事務管理する人の義務
上記の例でA君が、Qちゃんのバイクを搬送した先が、行きつけのバイク屋さんでなく、全く知らない自動車整備場で、口コミ情報も芳しくなく、しかもかなり人気の良くないところだったらどうでしょう。
実はこの事務管理、最も本人の利益に適合する方法で行う必要があります。また、原則的に管理者側には善管注意義務があります。いくら親切心とはいえ、わけの分からない修理工場に搬入したのでは、これらの義務に反してしまう可能性があります。
そしてもう一つ、一たび管理を始めた以上は本人が管理できるまで管理を続ける必要もあります。
以上踏まえると「たとえ親切でも一たび管理する以上は、本人の気持ちを汲み取り、責任もって管理をしてあげる必要がある」ということです。さすが民法さん、優しさと厳しさを併せ持ってますね。
●本人の義務
事務管理者へ報酬を支払う義務はありません。しかし、事務管理者が「有益な費用」を支払った場合、本人の意思に反した管理でない限り、本人に請求できます。「有益な費用」とは有益費と必要費ですが、常識の範囲である必要はあります。
有益費と必要費については第128回配信を参考まで乗せておきましょうね。
●その他
設例で、もうすぐそこまで地元のやんちゃ少年たちが迫っていて「バイクがあるぞ」「部品とっちゃえ」のような会話まで聞こえたとします。X君が大急ぎでバイクを荷台に乗せ、アクセル全開で少年たちをぶっちぎりましたが、運悪く派出所の手前で脱輪しバイクは外へ放り出され小破してしまいました。
このような緊急の場合の事務管理では管理者に悪意または重過失がなければ(=善意かつ無重過失であれば)損害賠償の責任を負いません。
ちなみにですが、事務管理の行為は「外見だけ見ると」勝手に他人の財産や法律関係に関わるもの(=違法)です。しかし、事務管理が成立すると判断されれば違法性は消えます。このことを違法性の阻却といいます。当たり前と言えば当たり前ですよね。民法は最後には常識なんですよね。
●次回は、不当利得です。債権法も大詰めに入ってきますね。
“ササニシキでピラフ作ったから食べてって。まさかどこかでもうご飯食べちゃったなんてことないよね?”(勘の鋭いバイトのミーちゃん)
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