まだ水曜日、それとも、もう水曜日?

 

もう少し、使用貸借を見て、貸し借りにまつわる当事者の関係性について、相場観をつかんでくださいね(次に見る賃貸借でも役立つ知識があるのでね)。

 

ところで、使用貸借では、貸主と借主の信頼と、無償だから貸し手を束縛しないという点が重要なことをどこかで意識してくださいね。

*特に黄色のマーカーのところがその辺を反映してます。

 

 

●使用貸借の終了(民§597

・期間を定めていた時は、その期間の満了

・期間を定めてないときは、「目的にそった使用・収益の終了」

・借主の死亡

※使用貸借では借主の死亡後、その相続人が権利を引き継ぐことはありません。使用貸借は貸し手と借り手の属人的な信頼関係基づいているからです。ちなみに、このように、相続されない、いわば一代限りの権利を一身(いっしん)専属的(せんぞくてき)な権利と呼びます。

 

※一方、貸主が亡くなった場合、例えば、Aさんが友達のBさんとその家族が住む家を無償で貸していた(使用貸借)とします。ところが、Aさんが突然亡くなった場合、息子で相続人のCは、Bさんに「貸し手が死んだのだから使用貸借はお仕舞い、さっさと出て行ってください」と言えるでしょか。質問「貸主が死亡した場合、使用貸借は終了する」の正誤問題の正答は×です。民法は義理と人情なんですね。

 

 

●使用貸借の解除(民§598

貸主による解除

・期間を定めてないときは、「目的にそった使用・収益に必要な期間が経てば」解除可能

・期間使用・収益の目的定めてないときは、「いつでも」解除可能

・書面に拠らない場合で、借主が物を受け取る前は、「いつでも」解除可能(民§5932)。タダで貸すのだから少なくとも現物を引渡しまでは翻意(ほんい)できることにしたのですね。これに反し、タダで貸すにせよわざわざ書面まで作り、借り手を本気にさせた以上は翻意できません。流石(さすが)、義理と人情と常識の民法です。

 借主の側から解除

・いつでも解除可能(民法改正

 

 

●貸主の義務

・引渡義務。但し、そのまま(=特定した時の状態)で引渡せばよく、後から欠陥があったと債務不履行責任を問われることはありません。(利息の特約のない消費貸借と同様、贈与者の引渡し義務に関する規定が準用(じゅんよう)される)

・無償で使用・収益させる義務

 

 

●借主の義務

善管(ぜんかん)注意(ちゅうい)。善管注意義務は第42回配信を参照してくださいね。

 

 

用法(ようほう)遵守(じゅんしゅ)。例えば、前々回の設例でSから本を借りたQちゃんが、テーブルがぐらぐらするので、借りた本を敷いてテーブルの足の高さを調整するような行為は用法遵守義務違反です。

 

Qちゃんこと九龍亜美)

帰国子女で天然。若干何やらかすか分からない恐さあり。

 

・無断転貸禁止。例えばQちゃんが借りた本をP子ちゃんに勝手にまた貸しする行為は無断転貸禁止義務違反です。

・通常の要費(ひつようひ)の負担。借りた物を保存、維持、修理などの目的で通常発生するする費用は使っている側(=借主)の負担です。これも常識ですよね。流石民法は常識人です。

 

※必要費は借りている家の固定資産税や割れた窓ガラスの補修費とか、物を使う以上はMust(=必要不可欠)な費用です。これに対してMustではないが投入すれば価値が上がるような費用、例えば、借りた家の床を床暖房にしたリフォーム費用などを有益費(ゆうえきひ)と呼びます。詳しくは賃貸借のところで学びましょうね。

 

・返還。終了するときに物を返す義務です。これも常識ですよね。

収去(しゅうきょ)。終了時には、借りた物にくっつけた物、例えば借りた家にシャンデリア付けたりした場合、取り除いたり壊して撤去する必要があります。

原状回復(げんじょうかいふく)。終了時には、原状回復が必要です。壊れたり汚れたりした場合、借主に非がない場合を除き、元通りにして返さねばなりません。

 

●次回は最後にちょっと使用貸借の積み残しをやってから賃貸借に入りましょうね。

 

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