師走読了。 | ヘッドレス主義日記 ~あたま、かるく~

ヘッドレス主義日記 ~あたま、かるく~

当方四弦。フレットあり、ヘッド無し。
場合によって、フレット無し。

毎度です。


また空いてしいましたね…今年もマイペースに…

まずは読了記事を。
先月は8冊。



「さよならの儀式」宮部みゆき著
宮部みゆきさんのSFもの。
以前にも書いたけど、SFもの自体には大して興味ないんやけど、最近たまに読んでる気がする…
個人的には、SFものは設定が大事だと思うのですが、流石の宮部さん。素晴らしいです。
どの短篇も設定や世界観がしっかりしてるし、その方向性は多種多様。
ちょっと不思議、くらいのいい塩梅だと思うが、ホンマのSF好きの方にはどうなんだろな?
だからといってSFにハマるかと言えばそれはまた別の話かな(苦笑)


「ビタミンBOOK」重松清著
重松清による読書のススメ…かな。色々な作品を紹介してます。
当たり前かもしれないが、重松さんの作品を読んでるような暖かみを感じられる。
書評というより、重松さんと作品の物語という側面が強いかな。
重松作品が好きであれば、読書の世界を広げる手助けにはなりそう。


「土に贖う」河崎秋子著
これは、久しぶりにいい作家さんに出会った…と思う。
短篇集。で、どれも北海道を舞台にした物語。
で、どれもちょっと重ため。そして、変に物語に酔うことなく進むストーリーがまさに好みでした。
ちょっと硬めの筆致は吉村昭さんを思い出したな。
他の作品も読んでみよ。


「空の声」堂場瞬一著
戦後初参加となるオリンピックを実況する為フィンランドに向かうアナウンサーの物語。
実況アナウンサーという視点が新鮮ではあるけど…今の感覚だとちょっと「?」が付いちゃう。
熱量は確かに素晴らしいけど、責任感という点で、ね。
なので、もうちょい描き方無かったかなぁと少し残念。
そこに目を向けなければ読み応えのあるストーリーでした。実話故のドラマチックさもあって。


「タスキメシ」額賀澪著
箱根駅伝を目指すチームと、それを食事の面からサポートする元ランナーの物語。
普通に面白かった。
この手の題材は奇跡起こりがち(苦笑)やけど、その辺りも控えめで良かったです。
「努力が必ずしも報われるとは限らない」という、ある意味身もふたもないことが、よりドラマチックにしてる感じ、かな。
勝者敗者それぞれの物語が清々しかった。
続編で「オリンピック編」もあるみたいなので、機会あれば読んでみよかな。


「雲を紡ぐ」伊吹有喜著
不登校の女子高校生の物語。
が、所々に父親の視点からの物語が挟み込まれてて、これがいいアクセント。
いじめが描かれてはいるが、全体的には穏やかな筆致だと思う。
まさに雲を紡ぐ様に丁寧にストーリーが進んでいる印象。
この作者の他の作品も読んでたけが、あれとはまた印象違うなぁ。
自分にとっては、そのモチーフ次第で好みが分かれる作者の様ですね…


「名残りの花」澤田瞳子著
江戸から東京へと移り変わる明治5年頃の没落してゆく武士の世を描いた作品。
が、古きものに対する価値観だったりと、今とリンクしたり共感したりする部分も。
章立てもすっきりしてて読み易かったな。
この作者は時代物が多いけど、扱う題材がどれも魅力的。勿論描き方もあるやろけど。
次はどれにしよかな。


「シーソーモンスター」伊坂幸太郎著
いつくかの設定を共有して、複数の作家で描く競作企画。時代設定はバラバラ。
これは昭和後期(バブル期?)と近未来の二編。
伊坂さんっぽい…のかな?数作しか読んでないから何とも言えないけど。
伏線の張り方、回収の仕方、どちらも流石です。
「さよならの儀式」で書いたけど、近未来を描く際の設定も絶妙。
この競作企画(螺旋プロジェクトだっけ?)にはあまり興味なかったけど、他も気になってきた。




ということで、先月の新入荷。
螺旋プロジェクトの本が二冊入ってる(苦笑)