長月読了。 | ヘッドレス主義日記 ~あたま、かるく~

ヘッドレス主義日記 ~あたま、かるく~

当方四弦。フレットあり、ヘッド無し。
場合によって、フレット無し。

 毎度です。


涼しくなったり暑くなったり…寒暖差にやられそうです。

先月は8タイトル全9冊。


「店長がバカすぎて」早見和真著
書店員を主人公としたコメディ&ミステリー、らしい。
最初は微妙か?と思ったが章を重ねる毎に持ち直した印象。
展開は読めてしまったけど、構成自体は良く出来てるかと。
業界の裏側?を垣間見ることが出来るのも興味深かった。
実家も本屋なので共感出来るところも。規模は全然ちゃうけど。


「3分で読める!眠れない夜に読む心ほぐれる物語」『このミステリーがすごい!』編集部編
25本のショートストーリー集。
あまり馴染みのない作家さんばかりでしたが…あまり好みでなかったかも。
個人的には少し浅かった。
でも、この「浅さ」が寝る前にはちょうどいいという気もする。
気軽に読める辺りがね。


「手塚治虫とトキワ荘」中川右介著
手塚治虫とトキワ荘を軸としたルポもの。
トキワ荘をテーマにした本は数多くあれど、ここまで詳しく書いているのは知らない。
記憶違い等による矛盾もかなり訂正してある。流石。
戦前からの出版史もカバーしてるので最初はちょっと退屈でしたが、トキワ荘がメインとなって以降は興味深く読めた。
多少美化された部分はあるとしても、やはりこの青春群像には憧れる。
実際には大変だったろうし、体験したいかと言われれば微妙ですが…
また「まんが道」読みたくなりました。
(追記・読みました/笑)


「蝶のゆくへ」葉室麟著
最近ハマってる葉室さんの作品。
明治期の女学生を主人公にした物語。とある老舗の創始者のお話。
恋愛が軸になってるのかな?虚実入り混じってるとは思うけど、登場人物もなかなか豪華でした。
でも、ちょっと葉室さんっぽくはないかな?というか、自分が求めるタイプではない、というべきか。
葉室さんならではの優しい筆致で、心地よく読めたけどね。


「20 CONTACTS 消えない星々との短い接触」原田マハ
20名のアートの巨匠(物故者)にインタビューする様子を妄想で描いた短編集?
一つ一つがタイトル通り短く、サクッと読める。
が、その短い中でその巨匠が持つ(であろう)世界観を表現して見せるのは流石。
エッセイに近いからか、いつもより砕けた感じの文体も良かった。


「宝島 上下」真藤順丈著
直木賞・山田風太郎賞・沖縄書店大賞の三冠を受賞した作品らしく、書店で推されてたので読んでみたけど…
史実に基づいた極道モノ、なのかな。大部分は。
過酷な、そして理不尽な、戦後沖縄が舞台ではあるが、文章自体のリズムがいいからか、すんなりと読めはする。
ただ、個人的には、もっと市井の人々からの視点が欲しかった。
そうすればもっと深みが出た気がする。が、この辺りは好みの問題やろな。多分。


「歴史探偵 昭和の教え」半藤一利著
お馴染み半藤さんのコラム集。
一応「昭和の教え」とタイトル付いてるけど、それがテーマとなってる印象は無い、かな。
晩年のコラムを集めた感じ。
特に印象深いものは無かった…正直半藤さんのコラムは、自分には、微妙かも。
結局、読むんやけどな。


「1974年のサマークリスマス」柳澤健著
70年代前半の深夜ラジオのパーソナリティを題材にした評伝。
過渡期にある邦楽や日本映画シーンを垣間見ながら、当時のTBSの様子を追いかける感じ。
学園闘争も下火となる時期で、所謂しらけ世代のドキュメンタリー。
60年代まではどんどん新しいモノが生まれ出てくるイメージだが、70年代になるとそれが一旦落ち着き、それまでの流れが色々と変化しつつある時期だと思うのだが、それがまた興味深い。
70年代の、ちょっとくすぶってる感じ、やはり好きやなぁ。


以上。



先月の新入荷。

買い過ぎた。
読書の秋に備えて、ということで。