毎度です。
九月ですね。
まだまだ暑く寝苦しい夜ばかりですけど…先月はあまり読書が捗らなかったな。
ちょっとバタバタして疲れることも多かったしね。
今月は少しは過ごしやすくなってくれるといいんだけど。
先月は計7冊。
「花火 後期短編集」吉村昭著
お馴染み?吉村さんの短編集。
当然読んだヤツばかり。
この頃になると御自分の人生を振り返る様な作品やエッセイ的な作品が増えている印象。
どれも好きなテイストです。
「彼方の友へ」伊吹有喜著
昭和初期、戦前から戦後にかけて刊行された少女向け雑誌の編集をテーマにした小説。
モデルになった雑誌や作家さんもあるようですが、どこまでトレースしてるのかは微妙。
ストーリー自体はよく出来てたと思うが…如何せん長い。
終盤の畳みかけが良かったので、くどく感じる部分を端折ってコンパクトにすればもっと印象は良くなるかと。
最近は、もっとコンパクトにすれば、と思うことが多い様な気がする…
長編でも短篇でも、その長さを気にすることなく満足させる作品って凄いね。
自分も、ついダラダラと書いちゃうからなぁ…
「今読みたい太宰治 私小説集」小学館編
太宰は読書し始めた頃に何冊か読んでるけど、ハマるまではいかなかったな。
これは私小説故に、その時代背景を伺い知れて興味深かった。
相変わらず、ちょっとくどい気はしたけど。
「東京藝大仏さま研究室」樹原アンミツ著
先々月に読んだ東京藝大モノが面白かったのでこちらも。
藝大で仏像について研究する学生達を描いた物語。
一応フィクションのカタチを取ってはいるが、きちんと取材してるので色々と興味深い。
題材が題材だけに、変にドラマ的要素を加えなくても十分面白いのでは?と思う。
「仏像好き」にはお薦め。
「いのちがけ」砂原浩太郎著
ちょっと前に本屋で推されてた方の作品。
話題になってるのはまだ文庫化されてないので、とりあえずこれを。
前田利家を、その忠臣・村井長頼の視点から描いた作品。
ちょっと平坦かなぁ?と思ってたけど、終盤で一気に引き込まれた。
最後に一気にまとめ上げた感じがするが、序盤・中盤にも起伏があればもっと満足した気もする…
筆致も硬派な感じがして好み。新人らしいので、今後が楽しみ。
「ハレルヤ」重松清著
40代くらい?の中年の物語。
まぁ氏が得意とするパターン…と思ったんやけど、意外と不完全燃焼だった。氏の作品にしては、だけど。
バンドが絡んだストーリーだったので、余計に期待しちゃったところは否めない。
ちょっと残念。よく描けてるとは思うけど。
「手紙のなかの日本人」半藤一利著
歴史上の人物が書いた手紙から、その人の人物像を探るという試みは面白いと思うけど…
登場人物を多少は減らしてでも、一人ひとりの中身を濃くして欲しかったかな。ちょっと表面的すぎる気がする。
出てくる手紙も、なるべく、現代語訳して欲しかった。読みにくい(苦笑)
疲れてる時にはちょっとしんどかったな。
以上。
写真は先月の新入荷。
なかなか追いつかない…