毎度です。
只今、実家に帰省しております。
ライブ等の無い時期・・・こういう時に片付けておきたいこともありますので。
ただ、寒いですね・・・
山口でも山陽側は瀬戸内海ということもあって比較的温暖なのですが、実家は山陰側。つまりは日本海側ですので、結構寒いのです。
ということで、コタツで温もりながら、つらつらとブログでも書きたいのですが・・・
せっかくなので、音楽以外のネタ・・・つまりは読書ネタでも。
前回のネタが、読書にハマった導入部分だったので、そこから少しだけ踏み込んでみたいと思います。
とはいえ、読書に関して書くのは慣れてないので、巧く記事に出来るかどうか・・・
とりあえずは、書いてみるか。
前回は雑誌「ぴあ」のコーナーで色々な作家さんを見つけて更にハマった、というところで終えてると思うのですが。
その、最初にハマった作家さんというのが吉村昭さんでした。
作品は、ぴあで紹介されてた「破船」。
この作品・・・後になって考えると、氏の作品の中で主軸ではなかったですね。
氏の作品は、エッセイや短編やら色々あるのですが、やはりノンフィクション小説がメインになります。
(破船は基本的にフィクション)
世にノンフィクションをメインとする作家さんは数多いらっしゃいますが・・・氏の作品はちょっとレベルが違ったなぁ。
(これも、後になって気付いたことですけど)
とにかく、史実を大事に、史実に忠実にするということに関しては人後に落ちないのではないかと。
その辺りの拘りを書いちゃうともの凄い文量になりそうなので止めておきますが・・・それ故の文章の迫力に魅せられたんでしょうね。
史実に忠実故に文章の迫力は凄いし、物凄くドラマチックではあるのですが、その筆致が意外と冷静なのも良かった。
必要以上に煽るようなこともなく、なんならちょっと感情を抑え気味な筆運びというか・・・
淡々とした感じが自分の好みにハマったんでしょうね。
(で、その好みは今でも引き継がれていると)
同じ時期に三島由紀夫等も読んでましたが、段々とその装飾過多な文章に飽きが来てたのもあって、そちらにハマった気もしますね。
(今では、その三島の詩的な表現に対して芸術性を認めてはいますよ)
それから、太平洋戦争を主な題材にしてるのも良かった。
実は、それよりも前に「死刑囚 最後の瞬間」という本を読んだのですが・・・それが意外と良くて。
まぁ内容はあまりお薦め出来るようなタイプではないのですが・・・
極限状態に置かれた人間の死生観みたいなものが色濃く出てるモノに魅かれるのは、そこが起点のように思います。
で、その極限状態に置かれた人間の心理や行動を描いた作品として、氏の著作にハマったという訳です。
多分。
順番としては、まず「破船」を読んで、「お。いいかも」と思い他の著作を手にする。この時点で所謂戦争モノに手を出したかと・・・
多分「戦艦武蔵」かな。新潮社の文庫の背番号?順に読んでいった覚えがあるので。
で、戦記物を中心に、それ以外のノンフィクションやフィクション、エッセイ等に広げていったけど・・・どれも、自分には合ってたなぁ。
他の作家さんだと、大体著作の中には苦手なタイプがあったりするんやけど・・・
小説は好きやけどエッセイは苦手とか、歴史ものは好きやけど医療ものは苦手、とか。
でも、吉村昭さんの作品は、全部読めたなぁ。
よほど、自分の嗜好に合ってたということですね。
と、ここまで書いて読み返したら、既に結構な文量・・・
まだまだ氏について書きたい気もしますが、とりあえず何冊かお薦めでも書いておこうかと。
まずは、やはり「破船」。
正直、ストーリー自体は全体的に暗いし、決してハッピーエンドでもないのですが・・・何故か感動するんですよね。
運命に翻弄される人の営みとか・・・そういう部分に魅かれる自分の好み・・・暗いね(苦笑)
これ、長編ではあるけど、そこまで長くもない(と思う)ので、興味ある方は是非。
戦記物だと・・・「大本営が震えた日」か「海の史劇」かなぁ。
どちらも結構な長さで、どちらも戦争の(どちらかと言えば)裏側をメインで描いてます。
(勿論戦争シーンの描写もあります)
故にか、緊張感のある筆運びが続き、じわじわとハマる感じがあった・・・と記憶してます。
(最後に読んだのが結構前なので・・・)
後は、氏の自伝的な小説の「私の文学漂流」かな。
氏は、所謂遅咲きの作家さんでして・・・そんな氏がきちんと社会人として生計と立てながら小説家を目指す姿が描かれてます。
小説家を目指す人ってちょっと世捨て人みたいなイメージありますけど、氏は、その性格故にか、真面目に「生活」と向き合いつつ小説家を目指してた様でして・・・そこが自分の性格ともリンクする気がして、何度も読み返しました。
とりあえず、こんなもんかな。
まずは「破船」を読んで、違和感無ければ、他の面白そうな題材を手にしてみればいいかな、と思います。
ただ。
「羆嵐」という作品だけは後回しにしてください。なんなら最後でもいいかも。
これ・・・男の自分でもひく様な描写があって・・・あまりお薦めしません。
かなり前の話ですが。
SNSである女性の方と読書についてやり取りしたことがあって・・・その時に、自分は吉村昭さんの作品が好きですと伝えたところ、読んでみますと。
で、しばらくして「古本屋で『羆嵐』という本を見つけたので今度読んでみます」とメッセージが来ました。
その時点で「そこに手を出す?」と思い、嫌な予感もしたのですが・・・
案の定、それ以降メッセージは来ませんでしたね(苦笑)
そういえば、ウラニーノのヤマギくんと読書の話になって、同じように吉村昭さんをお薦めしたら、やはり後日古本屋で「羆嵐」を買ってて・・・一応止めました。
で、すぐに近くの本屋で戦記物を数冊買って届けたような気が・・・「こちらを先に読んで」と。
なんで「羆嵐」に手を出しちゃうかな?
そんなに古本屋に並んでたっけ?
このブログを読んだ人は、もし吉村昭作品を読むなら「羆嵐」は後回しにしてね。
怖いものみたさで手に取る分にはいいけど・・・一応忠告したからね。
写真は実家の本棚(の一部)。
かなりの冊数(130冊以上?)になるので実家に保管してて、東京では電子書籍で読んでます。
隙間からヘドバンのバックナンバーが見えてるね(笑)