先日、新学期も始まった息子が
とか言ってきた。
お米が人類最強の食物と
信じてやまない父にとって
信じられない申し出だが
栄養のバランスを考えて
妻が量の調整や五穀米などに変えては
様々な工夫をしているらしく
そんな苦労を思ってか
父から言って欲しいという
はっきり言って
とか、思いつつも、
ヘタな言い方をし、変な誤解を与え
キャノンボール化した妻を
なだめる方がもっと面倒くさいので
渋々、妻への交渉を始める。
問題のお弁当構成を聞けば
二段弁当の下段が一面のゴハン、
上段が毎日肉、野菜、卵料理が
ローテーションするオカズゾーンと
超VIP仕様
毎日フルリモートの昼食で
パンを5種類のバリエーションで
4週ローテーションしている
父からすればはっきり言って
貴族階級の昼食だ
この家庭内格差にメスを入れるべく
白米問題にクローズアップしていると
案の定、
「私のご飯がまずいんだ」
とか誤解し、キレ始めている
さらに
「お父さんに言わせるなんて
よっぽどマズいのかしら!?」
とか、モレなく
とてつもないスピードで
妄想が加速している様子
完全なる裏目状態の中
自称、『白米王子』を
表明している父が
ご飯が秒で好きになる
門外不出の悪魔のお供を披露する。
それがこれだ!!
上品な昆布のお出汁の中に
ナメたけの確かなアクセントが入り
その上、七味唐辛子のピリ辛の風味で
父は2合炊きのマイジャーを
2回お代わりさせた
とんでもない逸品である
意気消沈していたはずの妻は
この神様のいたずらで
できてしまったような
モンスター級のお供をあっさりと
「お弁当で入れたら
ご飯にしみてシャビシャビに
なっちゃうから」
とか、却下しやがる。
むう、、
確かにいつもお金のこと以外は
意見を求められないと
薄々思っていたがご飯のお供すら
父の意見は通らんのか…
そんなうなだれる父を横目に
息子と娘のお弁当のお米事情を
15年以上にも渡ってマネジメント
してきたお米マイスターを標榜する
妻がお返しにと、
さらに禁断のお供として
挙げた逸品がこれだ!!!
以前に父の出張中
妻がお友達にからもらい
食卓にプレデビューさせた所、
一瞬で全て食べきってしまい
父の帰宅前に無くなっでしまった事に
バツが悪くなり、子供ぐるみで口裏を合わせ
もらった存在自体を消していたという
この黒い『間男』的なヤツは
甘すぎず、絶妙な塩梅で
煮詰めた昆布に上品な椎茸のうまみが
加わった繊細な味付けで
脳にぶっとい針を突き刺してくる程の
直刺激を与えてくる
中毒性のある味付けらしく、
ご飯を終わった後にも
こいつを酒のつまみで
単独で食べてしまった事から
あの罪悪感溢れる
帰宅前売り切れに
なってしまったという。
思わぬタイミングで前科が発覚する
という混迷を極めるお供合戦。
息子の白米食べない問題などもはや
どうでもよくなりつつなる中、
キングオブ白米の称号をかけて
息子の最終ジャッジに臨む。
かつての
東京オリンピック
誘致決定発表の
ような緊張の一瞬。
もう我々の最高な
『お・も・て・な・し』は
とっくに終了している
Japanese OBENTO Committee
(JOC)の会長である
息子の下したジャッジは
かくして、白熱した
ご飯のお供選手権は
エントリーすらもしていない
ダークホースにもっていかれ
子供のその根強い人気に
底知れぬヒット商品のポテンシャルを
感じる一方、妻のプレゼンした
椎茸昆布は息子の誘致には失敗したが
父の誘致には大成功し、
共に戦った妻にリオーダーをお願いするのは
なめ茸プライドが許さない為、
Amazonでそっとカートに入れ
弁当ではなく、合う酒のセレクトをしながら
誰よりも楽しみに到着を待つ父であった