先日、妻が
と言い残し仕事に出かけた。
この頼み方は
どちらのお母さんも言うような
聞き慣れた言い回しだが、
我が家では
戦慄走る
暗黙のキラーワード
として扱われている。
かつて、字面だけにとらわれ
このマザートラップに
落ちていった者は数知れない。
かくゆう父も
急な会議がはいり
文字通り「時間無かった」から
頼まれた買い物をできなかった時
帰ってきた妻に一言、
「買う時間すらも
無かったのかしら?」
と、
言い訳のできない数ミリの隙間に
寸分の狂いも無くエグられた
気まずい記憶が蘇る。
確かにどんなに忙しかろうと
長い一日の中で、ましてや
リモートワーク中の30分など
いくらでも都合がつくものだ。
そう、
この「時間があったら〇〇しておいて」は
『時間を捻出して
絶対にやっておけ』
の意味なのだ
かつてから編纂している超大作、
『妻対応マニュアル
ー平常時編ー』
の127,999ページに載っている
一文である。
このマニュアルの存在により
父のリスクヘッジは
国防レベルにまで
ブラッシュアップされ
我が家の平和は
アイスランド級
に保たれている
もちろん今回も
完璧に乾いているであろう
15時をターゲットに洗濯物を入れ
各自ごとに畳み、ケースへ収納する
という気の利かせっぷり。
こんな、たった30分の作業が
家族の円満に繋がるなら
チョロい仕事だ
父のMっ気たっぷりの性格が
転がされている妻の絶妙な
人心掌握術と、
内心は分かっていながらも
あくまで、ここは父が
要領よく立ち回っていると
言わせて頂きたい
そんな中、渦中の鬼軍曹、
リヴァイ兵長がご帰還。
収納後の洗濯物をひと睨みすると
ご満悦な様子で缶ビールを開け、
夕飯の支度を始める。
今回も父の立体機動装置は
完璧に作動し、見事
ウォールマリアの平和を
勝ち取った歓喜の渦の中
と、お願いすると、
間髪入れず、
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かくして、
『自分の事は
自分でやれ』という
新たなマニュアルを、
記念すべき128,000ページ目に追加し、
まだまだ完成までに先の長い
果てしなさを感じつつ
最高の配合でレモンサワーを作りながら
テレビで明日の洗濯物指数を
無意識にチェックしてしまう父であった