年末になり、社外の人との挨拶が増える時期。
昨年はコロナ禍で年末の挨拶も割愛することが多かったが、今年は対面での挨拶が復活。
経営者の大切な仕事として「金融機関の人たちとのコミュニケーション」がある、これって実は大事。
大体の会社は金融機関から大なり小なりではあるが融資を受けていることが多い。
主に銀行の担当者の年末挨拶というのは、単なる挨拶ではなくその企業の状況チェックの意味合いが強い。
「今年はいかがでしたか?」という質問は業績や業界動向、経営者のマインドなどをチェックしている。
そういった質問に経営者は真摯に答える必要がある、業績が芳しくないのに「大丈夫、好調です」などと適当なことを言っても年度が変わり決算を迎えれば業績はわかってしまう。
不調であれば不調と素直に言うべきだし、その理由も明確に伝えるべき。
そして、それらの不調から脱却するための「取組み」「施策」を伝えて「来期には好転するシナリオ」を意欲的に伝えること。
金融機関に対しては、経営者がしっかりと現状を理解している事と、対策に意欲的である事を示すことがとても大切になる。
また事業パートナーとの話もそうだ。
事業環境の変化や今後の見通しについて、しっかりと理解し合わなければならない。
これからも協力してもらえるか否か?経営者はビジネスパートナーとはしっかりとコミュニケーションしなければならない。
当然、社内メンバーについてもしっかりと状況を伝えて理解し合うことが大切だ。
「厳しい状況である理由」「どうすれば脱却できるか?」「今後の方針は?」
これらをわかりやすく伝えて、理解をしてもらうこともリーダーとしての経営者の仕事である。
そして経営者にとって何よりも大切なのは「社会とのコミュニケーション」である。
状況が悪くても良くても、社会がどのように動いているのかをしっかりと観察することが大切である。
「クライアントの要望は?」「ユーザーの動向は?」「社会の空気感は?」
日々変化するこれらの状況を自分なりに分析して事業の方向性を判断していく。
施策のスケジュール感、予算、投入する力など。
どこかに忖度していれば判断は鈍る。
経営者は「0ベースで思考する」必要がある。
実際に事を進めようと思うと、様々な「障壁」があってうまく進まないものだ。
しかし「自らなし得なければならないこと」が見えくるとそれらの障壁も超えることができる。
年末を迎え今年を総括すると共に将来の自社の姿を描いてみる。
経営者の年末は結構頭を使うのである。